なんか、ふと思いついたので書きました。
P02地区、そこに置かれたグリフィンの基地内で指揮官は一人書類とにらめっこをしていた。
「ふむ…ここ最近、ハイエンドモデルの目撃が多いな。周辺地域の警戒を強化すると同時に、彼女達の練度を上げないとな…」
彼は今後の訓練計画や行動を頭の中で考え、端末に入力する。彼の判断一つで部下である彼女達の命運が左右されるのだ、妥協は許されない。
しばらくその状態が続いていると、M4が扉を開けて司令室に入ってきた。
「失礼します…指揮官、この前の作戦の報告書です」
「ん?あぁ、ありがとう」
「指揮官…また考え事ですか?」
「最近ハイエンドモデルの目撃が多いからな。訓練や作戦計画を見直さないといけないしな」
「あまり根を詰めないでくださいね?それで指揮官が倒れたりしたら、元も子もないですよ?」
「はは、M4は優しいな。でも、俺としては君たちがこっちの判断ミスで傷ついたりするのは見たくない。だから色々考えてないとって思っている。大丈夫だ、適当なところで休むよ」
それを聞いて納得したのか、ちゃんと休んでくださいねと言った後、部屋を後にした。三十分ほど経ち、彼は一度端末を閉じて伸びをした。
「ん〜…さて、コーヒーでも飲みにスプリングフィールドのとこに行くとするか…ん?」
何気なく制服のポケットを触ったとき、妙な感触を感じた。なんだろうとポケットに手を入れてみると布のような何かが触れたので取り出し、丸まっていたそれを広げてみた。
「…なっ⁉︎」
それは、女性用の下着であった。白色にリボンのワンポイントといったシンプルなデザインのそれには『M4』の刺繍が入っていた。
(え、M4のパンツ⁉︎なんで制服に…まさか、この前の洗濯の時に偶然入ったのか⁉︎)
この世界では基本的に清潔な水は貴重である。ゆえに洗濯のときは水の節約のために指揮官の服も人形の服も一緒に洗うことになっている。おそらくその時に入ってしまったのだろう。
だが過程はどうあれ、『M4のパンツを指揮官が所持している』という状況が出来てしまっている以上、彼にとってはゆゆしき事態であった。
もし今誰かがここに来た場合、間違いなく彼は下着泥棒の疑いをかけられ、指揮官としてやっていけないだろう。さらにはここに来たのがジャックダニエルと妹を愛するM16だった場合、社会的にだけでなく、物理的にも殺されかねないだろう。
(と、とりあえずこれは引き出しに入れておこう。そして今すぐM4を呼んで事情を説明して返そう!彼女ならきっとわかってくれるはずだ!)
そう考えた指揮官は一度パンツを引き出しにしまおうとする。しかし、その手は机ではなく、顔の方へと近づいていった。
(なっ⁉︎腕が勝手に…!待て待て!それをしたら色々とアウトだぞ⁉︎言うことを聞け、俺の両腕ェェ!)
指揮官は必死に抗おうとするが、本能には逆らえず、どんどんと顔とパンツの距離が狭まっていき──
スポッ
パンツを頭に被ってしまった。被ってしまったのである。
(あぁ…終わった……グッ⁉︎)
急に指揮官はその場にうずくまった。
スベスベとした肌触り、顔面へのフィット感、そして今この状態を見られたらと言う背徳感などが合わさり──
「フオオオオオオオッ‼︎」
「気分はエクスタシーッ‼︎」
急に立ち上がり、奇声に近い雄叫びを上げる指揮官。幸いにも司令室は防音完備なのでその声は誰にも聞こえなかった。
そして指揮官は制服に手を掛けると──
「
一瞬で服を脱ぎ捨て、ボクサーブリーフ一丁の姿となった。
普通人は存在能力の30%ほどしか発揮できないが、パンツを被った事による異常興奮で彼に流れていた今は無き日本のある一族の血が覚醒!変態指揮官となり、潜在能力を100%発揮できるようになったのだ!
「ひゅ〜〜暑くて服なんて着てらんねぇぜぇ〜。む、そういえばペルシカさんが冗談で送ってきたアレがあったはず…」
そう言い指揮官、もとい変態指揮官はクローゼットを漁る。
数分後…
「ふ〜む、これで立派な変態ルックだ」
彼は先ほどの格好に加え、網タイツと革手袋、そして鞭を手にして鏡の前で呟いた。その時、彼の超人的な聴覚が戦闘音を捉えていた。
「むっ!今行くぞ少女達よ‼︎」
彼は窓を開けて司令室(二階)から飛び出し猫のように静かに着地、戦場へと向かっていった。
────
森林地帯
「どうした?来ないならこっちから行くぞ!」
「クソッ!こんなところでハイエンドモデルの部隊に出くわすなんて!」
「まずいよFAL!もうマガジンがこれしかないよ⁉︎」
処刑人率いる鉄血の部隊を前にFN小隊のFALは毒づいた。彼女達は任務から帰還する途中に偶然遭遇してしまい、なし崩し的に戦闘になってしまった。
弾薬もろくにないこの状況、勝算は絶望的だがせめて一体でも多く道連れにしようと思いFALは前に出ようとする。が、その時だった。
「待てぇぇぇい‼︎」
どこからか声が聞こえ、その場にいた全員が声のした方を向く。
─そこにいたのは頭にパンツを被り、革手袋と網タイツを着用し、鍛え上げられた逞しい肉体を持ったボクサーブリーフ一丁の男であった。
「」
その色々と衝撃的な格好に全員はフリーズする。そして一瞬早く正気に戻った処刑人が彼に向けて叫んだ。
「なっ、何だお前は⁉︎」
「私はお前達鉄血を打ち砕くためにやって来た、その名も──変態指揮官だッ‼︎」
やたらと股間を強調するポーズを取り言い放つ変態指揮官にFN小隊は騒然となった。
「57、あんな指揮官いたかしら?」
「知らないし知りたくもないわよっ!というより何で私に振るの⁉︎」
「もしかしてそう思い込んでるだけのヤク中かもよ?」
「FNCさん、ひどい事言いますね…どちらにしても生身で処刑人に敵うわけないですよ!助けないと!」
49が言うより早く、処刑人は部下に指示を出して彼を抹殺せんとする。
しかし変態指揮官は動じず、ボクサーブリーフに手を掛けると─
「フオオオオ‼︎」
バッチッーン‼︎
ボクサーブリーフの上端を引き上げて肩にかけ、股間を強調した格好になると腕を頭の後ろで組み、腰をサンバの如く軽快にスイングさせながら近づいていった。
ビダーンッ!ビダーンッ!
腰が動くたびに彼の股間の機関銃が左右に揺れ動き、太ももに当たって痛快な音を立てていた。その音の周波数が下級人形の電脳と共鳴‼︎さらには先ほどから彼の姿を見てから発していたエラーと合わさり電脳に多大な負荷がかかり、その結果─
ボムッ‼︎
「ブハッ!」「ガハァ!」
電脳が負荷に耐えきれず爆散ッ‼︎リッパーやイェーガーと言った人型人形に至っては鼻から擬似血液を噴き出しながら倒れていった。
(うわぁ…///)カオマッカ
(アレがちまきみたいになって…すっごい///)ハナヂダラー
「49、見えないよ?」
「み、見ちゃいけません///」
FN小隊が四者四様の反応をするなか、変態指揮官は処刑人をビシッと指差した。
「さて、残るはキサマだけのようだな」
「くっ来るな‼︎この変態が‼︎」
処刑人はハンドガンを構え、変態指揮官を撃とうとするが、変態指揮官はパンツからロープを取り出し投げつける。投げつけられたロープは処刑人のハンドガンに命中、それは何故か見事な亀甲縛りとなりハンドガンは使用不能となった!
「ひっ…⁉︎このおぉぉ‼︎」
処刑人はハンドガンを投げ捨て、大太刀を振りかざして斬りかかる。しかし、変態指揮官は今度は鞭を取り出し構えた。
「ホワアアアァァッ!」
ヒュンヒュンヒュンヒュン‼︎
繰り出された鞭は処刑人の大太刀に何度も当たる。
そして仕上げに地面をピシィィッ!と打つとそれを合図に大太刀は細切れになって地面に落ちていったではないかっ!
もちろん彼の持つ鞭は普通の鞭である。しかしっ!変態指揮官となった彼が持つ事で変態パワーが鞭に伝導!全てを切り裂く変態ウィップと化したのだ!
「な、オレの武器が…⁉︎」
「さぁ、お仕置きの時間だ」
丸腰となった処刑人に変態指揮官はにじり寄る。
側から見ればただの性犯罪者にしか見えないが、それを咎めるものはこの場にはいない。そして処刑人はこれから何をされるのかわからないという恐怖に埋め尽くされた。彼女がとった行動は…
「う、うわあああああーー‼︎」
一目散に逃げる事だった。無論、それを見逃す変態指揮官ではなかった。
「逃がさん」
パニックになりながら処刑人は森の中を駆け巡った。
(なんなんだ!なんなんだよあいつは⁉︎こんなんだったら正規軍に喧嘩売った方がマシだぞ!とりあえず、早いとこあいつから逃げ切らないと…!)
10分ほど走り続け、処刑人は近くの木に体を預ける。
「ハァッ…ハァッ…もう撒いたか…?」
処刑人は後ろを振り向き、変態指揮官がいない事を確認し安堵する。そしてゆっくりと前を向く。するとそこには─
「
大股を開いて親指を股間に向けた変態指揮官が目の前にいた。
「いやぁぁぁあああ〜〜〜‼︎」
結構ガチめの悲鳴を上げ、処刑人は腰を抜かしその場にへたり込む。
そしていつのまにかロープが蜘蛛の巣のように張り巡らされ、身動きが取れなくなる。
「変態秘技‼︎苦悶蜘蛛地獄‼︎」
変態指揮官はそう叫び、股間を処刑人に向けて蜘蛛の如くゆっくりと近づいていく。
「ま、待ってくれ⁉︎もう二度と攻め込んだりしないから助けて!ごめんなさいほんとうに許してください!ヤメッヤメロォォォォ‼︎」
口調を崩壊しながら許しを乞う処刑人だが聞き入れられず、徐々に変態指揮官の股間が迫っていき…処刑人の頭に接触した。
「成敗」
「うがあああああ──‼︎」
数分後、変態指揮官と処刑人を追いかけたFN小隊が二人の元に追いついた。
「少女達諸君‼︎見ての通り処刑人は倒した‼︎ではさらばだ!」
そう言い残して颯爽と立ち去っていく変態指揮官。FN小隊が視線を処刑人の方に移すと、そこには電脳がショートし頭から煙を出し白目を剥いている処刑人の姿があった。
後悔はしていない。
こういうの書くのって楽しい事を知りました。
好評だったら続くかもです。