遊戯王GX~とある少年の転生記   作:0・The Fool

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このお話を読んでくださる皆様ありがとうございます。
このお話には一部過激なシーンがございます。その辺はお気を付け願います。


デュエル16 温泉と誤解

「………。」

 

「お~い。マナ。何が原因かは知らんが機嫌直せ。」

 

 俺の言葉に不機嫌なのは治らず、されど、俺の左手を抱き締めようとする手は緩めず。こんな様子である。

 

「ウフフ♪ 気にしないの♪ 女には複雑な時があるの。」

 

 そう言ってる雪乃は俺の右手を抱きしめているその柔らかな膨らみが肘の辺りに当たっててすごくドキドキするんだが。

 

「それより、一? 向こうについたら良いことをしない?」

 

 と雪乃が囁いた瞬間、周囲の男達と明日香と原の殺気が強くなった。

 

 アメリカでペガサス会長や月光や夜光達と過ごす正月も楽しかったがデュエルアカデミアに行く少し前になり、約束通り明日香と原と雪乃で温泉に浸かりに行くのだが、何故かマナは不機嫌になってしまったのだ。

 

「良いことって、何だよ? それにさっきからあたってるんだけど?」

 

 その言葉に雪乃はポッと顔を赤らめて答えた。

 

「アラ? うら若き乙女にそんなはしたない言葉を言わせる気なの? 罪な男ね? それに、あたってるんじゃなくてあててるのよ。」

 

「一!! ダメだからね!!」

 

「アラ? 他人のあなたがそんな事を口に出せないと思うけど?」

 

 マナがお冠で俺に言うのだが、雪乃はそんなことを気にする気配を見せない。

 

「………。」

 

 雪乃のその言葉にマナはますます不機嫌になった。

 

「お~い。マナ。何が原因か知らないが機嫌直せ。マナは怒った顔より笑った顔の方が可愛くて魅力的だぞ?」

 

 ボヒュッ!! 俺のその言葉にマナは湯気を吐いて首筋まで真っ赤になる。ヤバッ。何か怒らせちゃったかな?

 

「ハァ、一。あなたはワザとやってるの?」

 

 ? 意味が良くわからない。

 

「………そう? 天然のたらしなのね?」

 

 そんな良くわからない会話をしながら予約した宿に向かう。

 

 

 

「………。」

 

 俺は今日、泊まる部屋を見て、頬がひきつっていた。予想よりも広い部屋なのは、別に良い。畳の部屋にケチをつける気だってない。窓の外の山々が並ぶ雄大な光景にだってケチはつけられないだろう。問題は、

 

「なんでこの部屋に5人で泊まらなきゃいけないんですか?」

 

 俺は『男が一人女が4人で来ますので部屋は二つお願いします。』とそう伝えたのだが、手違いで一部屋になった上、急な宿泊客のせいで満室の為部屋を余分に取れないらしい。申し訳なさそうに頭を下げる女将さんに文句も言えず、結局そのまま宿泊となった。

 

「別にいいか。その気になりゃ、野宿すれば………。」

 

『却下。』

 

 俺の提案に皆が即答で否定した。というか最後まで言わせてくれ。

 

「却下よ。せっかく宿をとったんだし、野宿なんかしたら疲れるだけよ?それより、一緒にお風呂に入らない?」

 

 ピッタリと体を密着させる雪乃。その体の温かさと柔らかさを感じてすごく、ドキドキしている。おまけに甘い香りがそれを助長している。

 

「お、俺は温泉つかりたいし、風呂に入って来るな!」

 

 俺は雪乃の拘束を抜け出して部屋の入り口まで逃げ出すと、一気にその場を離脱した。

 

 

 

「ふぅ。」

 

 温泉につかり、その熱さをじっくりと味わってると、

 

ガラガラッ。

 

という音と共にドアが開かれた宿泊客の誰かだろうと視線を向けたところで、

 

「ブウゥッ!!」

 

 と盛大に噴いてしまった。何故なら、その人物はバスタオルを巻いただけの雪乃だからだ。

 

「Yukino! What do you happen!(雪乃!何があったの!)」

 

「だから、落ち着きなさい。」

 

 何故かバレたし。とりあえず、深呼吸して落ち着かせて問いかける。

 

「何故、雪乃が入って来る?ここは男湯のハズだろ?」

 

「その様子じゃ完璧に忘れてるみたいね。ここは混浴よ?」

 

 ………あぁ。そういえばそんな事を女将さんが言ってたな。男湯と女湯の壁が壊れていて、混浴になってるって。

 

 いつの間にか近寄って来た雪乃が風呂に浸かろうとしていた。って、

 

「あ、あのな、雪乃。」

 

「何かしら?」

 

 俺の言葉に雪乃は可愛らしく首を傾げた。

 

「こういうことは好きな人にすべきだと一は至極全うな正論を述べてみます。」

 

「へ?」

 

 俺の正論に一瞬硬直する雪乃。よかった。俺の言葉に落ち着いてくれたか?そんなことを思ってたら雪乃から質問が来た。

 

「ねぇ。一? 私が好きでもない人にこんなことをするように見えるわけかしら?」

 

「はい。」

 

 決して間違ってないはずだ。俺と雪乃はこんなことをするような関係じゃないし。その即答に雪乃はちっとも目が笑っていない笑みを浮かべた。

 

「へぇ♪ 一はそんな勘違いしていたんだ♪」

 

 そう笑う雪乃は胸の所に手をあてて一気にバスタオルを外した。風呂に入るのに着衣を着て入る人はいない。つまり、

雪乃は全裸なのだ。

 

「ッ!!!!!!」

 

 雪乃の裸を見た衝撃で思わず硬直していると雪乃は俺にまたがり、自身の豊かな谷間に俺の顔を押し付けようとする。

 

「ゴクッ。」

 

 近づいてくる自己主張の激しい双子の山を凝視して生唾を飲み込むと、

 

「ス・ケ・ベ♪」

 

 からかう様に笑う雪乃の言葉に俺は我に帰る。

いくらなんでも好きでもない人同士でこんなことをするべきではない!雪乃の為にも俺の為にもならない!

 

「フン!」

 

 強引に振りほどくと一目散に駆け寄った引き戸を一気に開けた。

 

 俺は不思議だった。開ける前に確認すべきだということを思い付かなかったことに。

俺が開けた引き戸は雪乃が入ってきた引き戸だ。そして、中に誰がいるかを確認すべきであった。

 

 男子側と変わらない部屋と、バスタオルを取ろうとする原にバスタオルを体に巻き付けようとする明日香に下着まで脱いだマナ。その3人がこちらを見ていた。

 

「わ、悪い!」

 

 思わず叫んで反転した所で、

 

 ツルッ!!

 

「ウワッ!」

 

「キャッ!」

 

 足を滑らせ、目の前にいた雪乃を巻き込んで倒れてしまった。とっさに雪乃の後頭部に手を滑らせたおかげで手は痛い。しかしながら、その手以外がちっとも痛くないのだ。むしろ温かくて柔らかくて気持ち良いぐらいだ。倒れた時に来る痛みに耐えようと閉ざしていた目を開けるのだが、視界には雪のように白い何かが目の前にあるだけだ。

 

「ウフフ♪ 一はスケベね♪」

 

 すぐ上から来る雪乃の声にこの白い何かが分かった。

 

「一~?」

 

「何やってるのかしら?一~?」

 

「斎藤君。申し開きはありますでしょうか?」

 

 3人に返す暇無く、盛大に鼻血を噴いて、貧血で意識を手放してしまった。

 

 

 

「………おやすみ。」

 

 俺はマナ達に声をかけて目を閉じた。あの後、適切な応急処置のおかげで命拾いした。

広い川の向こう側で会った事もない、前世の父がいたのはビックリしたが。

で、気づいた時、何故か部屋の真ん中で寝ることが決まっていた。

抵抗したのだが、雪乃の

『須藤のボウヤに一にこの体を汚されちゃったと言おうかしら。』

の一言に結局従わざるを得なかった。RRR団の現団長《須藤》なら、そんな情報があっただけで血眼になって俺を探させるだろう。言いがかりで俺を目の敵にしているし。

そんなわけで目を閉じたのだが、睡魔が訪れてくれない。同じ部屋でマナ達と寝ているという事実に緊張して寝ることが出来ない。というか、雪乃に原はいつの間にか、布団を越えて密着しているし。

 

「………ねぇ。一?」

 

「………起きてますか?」

 

 両横から雪乃と原が声をかけられたので瞼を開ける。

 

「………何?」

 

「あのね、実は謹慎中に麗華との話を聞いちゃって、それで、一の心に深いキズがあるんだってことを理解したの。」

 

「でも、私は一君を抱きしめたい。」

 

「たとえ、キズが深くなったとしても、」

 

「その痛みが少しでも癒える事を祈りながら。だって、」

 

 二人は変わる変わる言ってたのを止め同時に言った。

 

「「私は貴方が大好きだから(です)。」」

 

 そっか。

 

「雪乃。原。俺も二人が大好きだぞ。」

 

 その言葉に二人は笑みを浮かべた。

 

「マナも好きだし、明日香も好きだし、枕田も好きだし、浜口も好きだし、」

 

「え、ちょ、ちょっと。」

 

「十代も好きだし、翔も好きだし、隼人も好きだし、トメさんも好きだし、校長先生も好きだよ。」

 

「一君。勘違いを、」

 

「でも、嬉しいな♪ ただの友達にもそんな風に大事に想ってくれるなんて♪」

 

 感謝の意味を含めた言葉に何故か二人は滝のような涙を流していた。

 

「一。私達は貴方の事を、」

 

「明日も早いだろうから、俺は寝るな。」

 

 そう言って、目を閉じたら先程の会話でリラックスしたのが睡魔に身を委ねる事が出来た。

 

「ア………ス…なのよ。」

 

 俺もアイスは好きだな。その言葉を思いながら寝てしまった。

 

 

 

SIDE 三沢

 

「………一に友達にもカウントされなかった。」

 

 

 

SIDE 一

 

 宿屋のチェックアウトも済ませ、みんなに配る土産物も購入して駅に向かう途中、

 

「ッ!!!!!!」

 

 

 すれ違った女性の横顔に驚いて、そっちの方向に駈け出していた。だが、そっちの方向に走ってもその女性を見ることができない。

 

「………見間違い…だったのか? …あいつがここにいるわけないもんな…。」

 

 無理矢理に納得させて、お冠のマナ達と合流した。

 

 

 

SIDE ???

 

「一は元気でやってるみたいだね。」

 

 ボクは4人の美少女達に囲まれている一を愉快そうに眺めていた。あの顔がどんな風になるかと思うとワクワクするよ。

 

「ちゃんと潰してあげるから待っててよ?

『裏切り者』。」

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