………皆様。ここはデュエルの為の学校です。そう。デュエルの為のとはいえ、ここは『学校』であり、デュエル以外にも必須科目の授業目があります。さて、教室の外に出て何の授業をしているでしょうか?
答えは体育の授業です。………だけど、これを授業と認めて良いのか?
「よっ、と!」
自分のコート内に落ちたボールを打ち返す。そのボールを枕田が打ち返す。
そう。今やってるのはテニスだ。それも、俺と十代、枕田と浜口のダブルステニスだ。デュエルと何の関係が? ………楽しいからいいけど。
「はっ!」
枕田が打ち返したボールを勢いを付けて打ち返す。
「くっ!」
流石に打ち返せなかったのか、高く打ち上げるボールになってしまった。それを逃す十代じゃない。
「いっけぇー!」
十代のスマッシュがコート内に突き刺さり、
「オロ?」
なんとイレギュラーバウンドを起こして、明後日の方向に飛んでいった。…あ。小石が落ちてる。
で、イレギュラーバウンドしたボールの跳ねた先は!
「避けろ!! 明日香!!」
俺の叫びに明日香がこちらを振り向き、避けるより早く、飛び込んできた人物が打ち返す。………で、そのボールの行く先は、
「雪乃!! 危ない!!」
俺の叫びにこちらを振り向く。ってボールに全然、気づいてない!
チイッと舌打ちして雪乃を押し倒そうとする。距離が近いこともあってそれは成功して
「ん!」
その勢いのまま、雪乃の唇を塞いでしまった。それと、右手に感じる温かくてマシュマロのような柔らかい物。それの正体を知りたくて力を入れた途端、
「ん!」
強めに握ってみた途端、ビクンと反応した雪乃にその正体に気づいた。
「わ、悪い!」
慌てながら、雪乃の胸から手をはなす。
「フフフ。我慢出来ず襲いかかるなんて悪い子。」
そう言って、妖艶に笑う雪乃。
ゾクッ!
突如背筋が震えるような悪寒に身をすくませる。そのまま、屈伸などで軽い準備体操を始める。そして、
「「はじめ?」」
「一くん?」
明日香とマナと原の言葉を聞きながら全力疾走する。
畜生! どうしてこうなった! 明日香とマナと原、そして、RRR団を背にしながら叫んでいた。
「不幸っだーー!!!!」
○ ○ ○
俺は十代に頼まれテニスコートを見ていた。打球を顔面強打させた罰として1日体験入部させられた。まぁ、十代の打球がイレギュラーバウンドを起こさなければクロノスに当たらなかったという見方もあるからな。で、十代に頼まれ見学していたのだがこの部長、暑苦しくてうざい。そして休憩に入ったとき、明日香が十代のそばに近づく。なんか良くわからないが、二人きりにさせると良くない気がするので俺も近づいて話を聞いた。どうやら、万丈目のことらしいが、話の途中でうざい部長に遮られた。
「明日香君!そのドロップアウト達から離れるんだ!君みたいな可憐な少女にはオシリス・レッドのドロップアウトや、ラー・イエローみたいな中途半端な位置にいる人は似合わない!」
………オシリスは一応遊戯が使っていたカードだし、ラーは神のランクでは最上級なんだけど。
「な、なんなんですか?」
突如話しかけられ、戸惑う明日香。
「明日香君!そんな男と付き合うのは止めて僕と付き合わないか?」
「お断りです。」
その言葉に視線を十代に向けて、
「遊城君!今すぐデュエルだ!勝った方が明日香君のフィアンセだ!」
「はぁ?」
テニス部部長の言葉に戸惑う十代。でも、彼は一度売られたデュエルは買うタイプなので、
「「
そして、
「バトルフェイズ!フェザーマン、オーシャン、エアーマンでダイレクトアタック!」
特筆すべき点も無くアッサリ十代が勝った。せいぜい、最後にフェザーマンとオーシャンでアブソルートZEROを融合召喚、解除してZEROの効果を起動させ、相手の場を全滅、エアーマンを召喚して総攻撃という逆転勝ちをしたのだ。
「そ、そんな、僕が負けるなんて。」
「アニキの勝ちだ!」
「ということは、十代君は、明日香のフィアンセなんだね♪」
翔の言葉にマナは嬉しそうに言う。友達が彼氏作って幸せになるなら喜びもするか。逆に枕田は不機嫌になった。いくら、明日香でも十代がとられそうになったら不機嫌の一つにもなるか。
「あのな、それはアイツが勝手にいったことで決めるのは明日香が決める事だろ?」
『た、確かに。』
正論だな。十代が言うと違和感バリバリだがな。
「それに、明日香の婚約者って、一じゃないのか?」
「十代。なんでそうなるんだ?」
「そうよ。十代。」
といつのまにか現れた雪乃が口をはさんだ。
「一の婚約者は明日香じゃなくて私よ?十代?」
「それも違………。」
「何ィっ!!!!」
いきなり復活したテニス部部長が驚きの声をあげた。つうか言いたいことを言わせてくれ。
「そうか! 僕はデュエルする相手を間違えていたのか!」
「だから、何でそうなる………。」
「よし、一君と言ったね? というか、今思い出したけど、君は雪乃君と入浴した上にメイドにさせたり、明日香君やマナ君や麗華君とも付き合っていると噂の斎藤一君じゃないか! 君みたいな女たらしに、3人はふさわしくない! 僕とデュエルだ! 僕が勝ったら3人は僕のフィアンセだ!」
………頼むから言いたいことを言わせてくれ。というか、結局、アイツは女の子と付き合いだけなんじゃ?
「冗談じゃない。断る明日香達は物じゃない。」
俺の言葉にアイツはニヤリと笑う。
「あぁ。僕から逃げるんだね?カイザーに勝るとも劣らぬ実力をもつこの僕に。コレはすまなかったね。」
よし、決めた。コイツは徹底的に潰す。というか、バーンデッキでカイザーと勝るとも劣らぬ実力等と大きく出れるのかが不思議だ。
「別に良いが1セット3ゲーム先取、途中でデッキの交換有りという条件でやろう。」
「「
『はじめ の ターン です。』
「跡形もなく消し飛ばせ!
一 ライフ4000手札0
伏せ5枚
伏せモンスター一体
「僕のターン! ドロー! 手札からサービスエースを発動! 手札一枚を選んで相手に種類を当てさせる! それが当たったら、そのカードは破壊され、外れた場合は、そのカードを除外して1500のダメージを与える!僕が選ぶのはこのカードだ。さて、なんだと思う?」
「マジックカード!」
「いいのかい?他の可能性もあるよ?」
「こんなのに悩んでも無駄だ。」
「残念。モンスターカードだ。除外して君に1500のダメージを与える。」
ウザい部長のフィールドから球が現れ、俺に直撃した。(一ライフ4000-1500=2500)
「
「ゴブリンのやりくり上手を3枚! さらにお邪魔トリオ! そして非常食! チェーン処理するよ? 非常食の効果で、お邪魔トリオとゴブリンのやりくり上手をすべて墓地に送りライフ4000を回復する。そして、お邪魔トリオの効果でトークン3体を召喚する。次にゴブリンのやりくり上手の効果で、墓地にあるやりくり上手の枚数+1枚分、4枚ドローしてから手札を一枚デッキの一番下に置く。」
「??? アレ? ゴブリンのやりくり上手を使った時って、はじめちゃんの墓地にはないはずっすよね?」
…翔。不勉強だぞ。この前のテストにも出たじゃないか。
「翔。ゴブリンのやりくり上手のカウントは効果処理時に行われるんだ。」
「あ! ゴブリンのやりくり上手の前に非常食でゴブリンのやりくり上手の枚数を増やしたからその枚数分ドローできるのか!」
その解説に気付いた十代が叫んだ。まさか、ゴブリンのやりくり上手を3済みしていたとはいえ、その3枚が最初の5枚ドローで来るとは思わなかったよ。
「そういうことさ。この3枚をデッキに戻す。」
「やるね。ボクはターンエンド!」
一 ライフ6500手札9
伏せ5枚
伏せモンスター一体
お邪魔トリオトークン×3DEF1000
伏せ1枚
テニス部部長 ライフ4000手札3
「俺のターン! ドロー! お前のフィールドのモンスター一体とお邪魔トリオトークンを生贄に溶岩魔人ラヴァゴーレムを特殊召喚! さらにカードを4枚セットしてターンエンド」
一 ライフ6500手札5
伏せ4枚
伏せモンスター一体
お邪魔トリオトークン×2DEF1000 溶岩魔人ラヴァゴーレムATK3000
伏せ1枚
テニス部部長 ライフ4000手札3
「ボクのターンドロー!」
その言葉にラヴァゴーレムは溶岩を垂れ流しテニス部部長のライフを削った。
「ラヴァゴーレムはスタンバイフェイズ時にライフポイント1000ダメージを与える。」
「ラヴァゴーレムで伏せモンスターを攻撃!」
ラヴァゴーレムの炎が筋肉質な天使を焼き尽くした。
「シャインエンジェルの効果起動! 戦闘破壊された時、デッキから攻撃力1500以下の光属性モンスターを特殊召喚! 俺はオネストを特殊召喚!」
「ボクは手札一枚セットしてターンエンド!」
一 ライフ6500手札5
伏せ4枚
オネストATK
お邪魔トリオトークン×2DEF1000 溶岩魔人ラヴァゴーレムATK3000
伏せ2枚
テニス部部長 ライフ3000手札3
「俺のターン! ドロー! リバース起動! 無謀な欲張り×2と、強欲な瓶! 効果により、俺は5枚ドロー! さらに強欲な壺を起動!」
よし、これで一回刺した!
「俺はオネストの効果でオネストを回収して、神々の居住ヴァルハラを起動! 効果でオネストを特殊召喚! 特殊召喚をトリガーに地獄の暴走召喚を起動! 効果で俺はオネストを2体特殊召喚する! だけど、お邪魔トリオトークンもラヴァゴーレムもお前のデッキに入ってないんじゃないかな? さらにリバース起動! 最終突撃部隊! 効果で全表側表示モンスターを攻撃表示にする!!」
この効果でフィールド上の全モンスターが攻撃表示になる。
「オネストの効果でオネストを回収! ハリケーンを起動して場のカードを手札に戻す! そして、ビクトリーバイパー<rXX03:ダブルエックスゼロスリー>を召喚! パワーカプセル3枚を起動!! ビクトリーバイパーに書かれている効果の一つを起動させる! それにより、オプショントークンを特殊召喚!! さらに団結の力、魔導師の力をラヴァゴーレムに装備! これによりラヴァゴーレムの攻撃力は3000+800×4+500×3=7700になる!」
「これだからラー・イエローはダメだね! ボクのモンスターの攻撃力をあげてどうするのさ!」
「バトルフェイズ! ビクトリーバイパーXX03でラヴァゴーレムを攻撃!」
俺の言葉に皆が騒然となる。
「自爆するつもりかい?」
「そんな気はないってのダメージステップ時にリミッター解除を3枚起動!! これにより、ビクトリーバイパーXX03の攻撃力が8倍になり、ラヴァゴーレムの攻撃力が1500分アップして、9200になる! さらにオネストを3枚捨ててラヴァゴーレムの攻撃力分アップする!」
ビクトリーバイパーXX03 攻撃力(1200+9200×3)×2×2×2=230400
「な、なんでそこまでの攻撃力に?」
「チェーンの逆順処理の結果だ。リミッター解除の前にオネストの効果で攻撃力を加算させるんだ。」
リミッターを外された極光がラヴァゴーレムを粉砕した。
「未だだ! ビクトリーバイパーXX03が戦闘破壊した時、オプショントークンを射出する! オプショントークンは効果によって特殊召喚したビクトリーバイパーXX03と同じ攻撃力になる!」
オプショントークン攻撃力 230400×4
「オプショントークンの総攻撃!!あ、お邪魔トークンは破壊されたら、その時のコントローラーのライフに300ポイントのダメージを与える。2体いるから600ポイントだ。」
四体のオプショントークンの総攻撃によってライフが0以下にまで減る。(テニス部部長-1139400)
「さて、2戦目にいくよ!」
その言葉に向こうは、墓地と手札をデッキに加えて、シャッフルした。それに対してこちらはデッキを交換した。
「「
「ボクのターン! ドロー! ボクはサービスエースを発動! このカードがいいかな。さて何かな?」
「マジック!」
テニス部部長の問いに即答で答える。
「残念。トラップカードレシーブエースだ。」
その言葉にテニス部部長のフィールドから放たれたボールが俺を直撃した。
「
テニス部部長ライフ4000 手札3枚
伏せ1枚
モンスター無し
一ライフ2500 手札5枚
「俺のターン! ドロー! 手札から永続マジック! 魂吸収を起動! これによりカードが除外される度に俺は1枚につき500のライフを得る!更に錬金釜-カオスディスティルを起動! これにより墓地に送られる俺のカードはゲームから取り除かれる! モンスターをセット! カードをセットしてターンエンド!」
テニス部部長ライフ4000 手札3枚
伏せ1枚
モンスター無し
伏せモンスター
錬金釜-カオスディスティル 魂吸収 伏せ2枚
一ライフ2500 手札2枚
「ボクのターン! ドロー! 手札からマジックカードサービスエースを発動! この手札は何かな?」
「トラップ!」
「残念。マジックカードだよ。」
テニス部部長はそう言ってデカラケを除外する。(一ライフ2500-1500+500+500+500+500=2000)
テニス部部長は俺のライフが回復したのを見て眉を潜める。
「何で君のライフが2000ポイントも回復したんだい?」
「サービスエースを起動した時、サイクロンを発動して、カオスディスティルを破壊。それにたいしてチェーン発動でマクロコスモスを起動した。このカードの効果で墓地に行くカードは墓地に行かず除外する。当然、効果処理の終わったサービスエースも除外する。」
「く、このままターンエンド!」
テニス部部長ライフ4000 手札2枚
伏せ1枚
モンスター無し
伏せモンスター
マクロコスモス 魂吸収 伏せ
一ライフ2000 手札1枚
「俺のターン!ドロー!行くぞ!デュエリスト!デッキの貯蔵は十分か?」
そう言って、手札の魔法カードを起動させた。
「手札から封印の黄金櫃を起動! デッキからネクロフェイスを除外して2ターン後にそのネクロフェイスを手札に加える!」
封印の黄金櫃が勝手に開き、ネクロフェイスを抜き取り閉じ込めてしまった。(一ライフ2000+500+500=3000)
「あっはっは! 君のライフが1000増えただけじゃないか!」
「なぁ、ジュンコ。ひょっとしてアイツ。」
「えぇ。確実にネクロフェイスを知らないわね。」
「知ってたら、あんな馬鹿げた笑い方出来ないもんね。」
「ウフフ♪ あのボウヤがどんな顔になるか見物ね♪」
「ネクロフェイスの効果起動!」
「………は?」
テニス部部長の笑いが凍った。
「ネクロフェイスが除外された時、デッキを上から5枚除外する!」
ネクロフェイスの触手が互いのデッキのカードを巻き添えにしてしまった。って、ありゃ?(一ライフ3000+5000=8000)
「さらにネクロフェイスが2枚除外された事によりネクロフェイスの効果起動! 合計10枚除外する! それに、チェーンで異次元からの帰還を起動! 除外された俺のモンスターを特殊召喚する!」
その言葉に俺の場にネクロフェイス2体と神獣王バルバロスが2体現れる。(一ライフ8000÷2=4000異次元からの帰還の発動コスト)
「あ、あぁ。」
「さらにネクロフェイスの効果でデッキを上から10枚除外する!」
場に現れたネクロフェイスはデッキを上から5枚ずつ除外する。
「1枚セットしてターンエンド!」
俺の宣言に異次元からの帰還により召喚されたモンスターは除外される。
「あ、あぁ。」
「ネクロフェイスが除外された事により、ネクロフェイスの効果起動!」
ネクロフェイスが5枚のカードを巻き添えにしてしまった。
「ぼ、ボクのターンドロー!来た!!サイクロンを使ってマクロコスモスを破壊するよ!」
「魔宮の賄賂を起動!サイクロンを無効にして破壊する!そして、そっちは1枚ドロー!」
「く、ドロー!ターンエンド!」
「俺のターン!ドロー!紅蓮魔獣ダ・イーザを召喚!ダイレクトアタック!」
その攻撃をくらいテニス部部長のライフは尽きてしまった。
「そ、そんな、ぼ、ボクが、3度も負けるなんて。」
ダ・イーザの攻撃を食らうとテニス部部長は、呆然としていた。
「お前、そこにいる並みのオシリス・レッドよりもずっと弱いな。」
「うわーーん!!!!」
俺の言葉に号泣しながら、走り去っていくテニス部部長。
「ということは、一ちゃんは明日香さん達と婚約者になっちゃうんすか?」
その言葉にマナも明日香も雪乃も頬を薄く紅く染めてとろけるような笑みを浮かべた。
「はあ、翔は何言ってるんだ?」
「は?」
その言葉に何故か、翔は間の抜けた声を上げた。
「あれは、あいつが勝手に言ったことで、フィアンセになるならないは、マナ達が決めることだろ?」
「そ、そうっすよね?」
俺の正論に納得は言ってないのか翔が戸惑ったような声を上げた。それを聞きながらも、俺はラー・イエロー寮に戻って行った。
翌日には何故か、俺とマナと明日香と麗華と雪乃が婚約したなどという意味不明のデマが流され、RRR団に、マナや明日香や原や雪乃のファンの男子たちに命を狙われることになった。