「え〜、では、遊城十代君の代表決定を祝して、また、健闘虚しく破れてしまった、皆様にも白熱したデュエルを讃え、乾杯!」
『乾杯!』
大徳寺先生の言葉にラー・イエローとオシリス・レッドの皆が唱和した。
「やったな! 十代。」
「斎藤も惜しかったぜ。」
寮を問わず皆が祝福してくれる。そんな中、
「一。話があるから、9時に灯台に来て。」
雪乃が小声で囁いた。
「一体、何だろう? 俺に言いたい事って。」
地面に座って足をプラプラと揺らしながら呟いていた。只今の時刻は08:42で約束の時間まで後20分位ある。その時間を使って用件を考えてみたのだが、思いつかない。
『貴方が好きなの。』
………まず、無いな。雪乃が俺にそんなことを言うわけ………あった。でも、あれは友達として好きって意味でLoveじゃなくてLikeだって言ってたし。
『貴方が大嫌い。』
これもないな。雪乃の性格から嫌いな人と友達つきあいするとは思えない。
『好きな人がいて、その人を振り向かせたいから手を貸して。』
………………ありそう。あ、でもだったらこんなとこまで呼び出すか? もしかして、好きな人がパーティー会場にいて、その人に聞かれると困るからこんなとこまで呼び出したとか?
そうなると相手は誰だろう?
俺を呼び出すんだから、俺の友達だろうけど、オシリス・レッドにもラー・イエローに知り合いはいるから範囲は狭められない。
………まぁ良いや。どんな人が好きなのか、本人に聞いてみるか。
そう思ったが、予定外のお客さんが来ていた。
その人は頭から黒いフードをかぶっているため顔が分からない。ただ、体つきやしなやかな手から、その人が女であることはわかる。その人は、変わった形のデュエルディスクを起動させた。どうやらデュエルを申し込みに来たらしい。
十代じゃないが、挑まれたデュエルを逃げる気はない。立ち上がるとデュエルディスクを起動させた。
『対戦相手 の ターン です。』
デュエルディスクから聞こえる声に彼女はプレイを開始した。まず、場に出たのはハーピィ・レディー。そして、カードをセットして手を差し出した。ターンエンドと言いたいらしい。
???ライフ4000手札4枚
伏せ1枚
ハーピィ・レディー1ATK1300
「俺のターン! ドロー!
バトルフェイズ! ファイアリィ・ガールでハーピィ・レディーを攻撃! バーンスラッシュ!」
ファイアリィ・ガールの攻撃がハーピィ・レディーとフレアランスも破壊した。
何で? そう思ったら、相手の場の魔法カードが発動している事に気づいた。
そのカードの効果でハーピィ・レディーの攻撃力が800アップさせて、相討ちにさせるつもりだったが、フレアランスは破壊の身代わりになる効果を持っているからファイアリィ・ガールの代わりにこのカードが破壊されたのだろう。
「カードを1枚セットしてターンエンド!」
???ライフ4000手札4枚
伏せ
伏せ モンスター
ファイアリィ・ガールATK1300
伏せ1枚
一ライフ4000手札3枚
無言でドローする女。その手から死者蘇生が発動される。効果により、ハーピィ・レディーが甦る。そして、ハーピィ・レディー1を召喚する。そして、魔法を発動させ、ファイアリィ・ガールとミラーフォースを破壊した。
ハーピィ・レディー達の追撃が俺のライフを大幅に削った。
「グァァッ!!!!」
攻撃された瞬間激痛がして腹部を押さえた俺の手を真紅に染める。
「………このデュエルはダメージを実体化するからね。」
フードをかぶった女がそう言う。
「………その声、まさか。」
「フードの下が気になるんだ。見せてあげるね。」
そう言って、フードを外す。
「………あ。」
信じられない。活発なその瞳は白目と黒目が反転してて、豊満なその肢体にはカーリーが来てた服を着ていた。そして、その腕には、蒼い蜂鳥のアザが浮かんでいた。
「………つ………ば………さ………。」