遊戯王GX~とある少年の転生記   作:0・The Fool

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このお話を読んでくださる皆様ありがとうございます。


デュエル32 哀しき決着

 コンコン。

 

 宿題も済ませ、寝ようかと思った所で、ノックされた。

深夜に誰だろう?

そう思いながらドアを開けたけど、誰もいない。イタズラか?と思った時に足下に紙切れが置いてあることに気づいた。

 

「誰ですか?」

 

 パジャマ姿の麗華が眠そうに答えた。

 

「わからない。俺に何かの用事があったんだろうけど。」

 

 麗華にそう返して足元の紙切れを拾い上げる。その紙切れには女の子らしい丸みを帯びた字で書かれていた。『裏切り者へ

後、1時間後にライディングデュエルを申し込む。D・ホイールとデッキを所持して新設デュエルフィールドまで来られたし。』

 

 差出人が書かれていないが、翼だとすぐにわかった。

 

「皆。ちょっと急用出来たから、先に寝ててくれ。物騒だし戸締まりはちゃんとしててくれよ?」

 

 俺はマナ達にそう言って出ようとした所で、

 

ギュッ

 

「え、えっとマナサン?「ヤ。」そんなにギュッと「却下。」抱きしめられる「イヤ。」と嬉しいけど「ならこのままでも良いでしょ?」出るに出られないから離して「ノー。」頂ける「ダメ。」と一は一ですごく嬉しい「私は嬉しくないからヤダ。」のですが。ってか言い切る前に7回も否定するな!せめて最後まで言わせろ!」

 

「論外ね。

どうせ、あの女からの物でしょ?」

 

 ギクッ

 

「さ、さ、さて、な、なな、何のことやら?」

 

 思わず雪乃から視線をそらすとマナが怒った。

 

「誤魔化さないの!!一が何かを誤魔化したいときはそうやって目線をそらすんだよ!」

 

 マナの指摘に心の中で呻いた。

 

「………ハァ。何でそんなに鋭いんだか?」

 

「やっぱり、あの女なのね?」

 

 明日香の言葉に頷いた。

 

「あぁ。翼からの挑戦状だよ。」

 

「私達も行きます!」

 

 麗華の言葉に首を横に振って否定した。

 

「ダメだ。アイツに申し込まれたのはライディングデュエル。D・ホイールをもってない皆には出る余地がないよ。」

 

「でも、間近で見ておきたいんです!」

 

「悪いがそれもダメ。D・Sには地縛神というカードがある。そのカードはモンスターの生け贄以外にもゲームに参加していない人の生け贄も必要だ。地縛神を倒せば、生け贄になった人達は戻ってくるけどそれに巻き込みたくない。」

 

 麗華の言葉に地縛神の特性を教えた。

それでも、心配そうにしているマナに軽く頭を撫でて言う。

 

「大丈夫だって。デュエルするだけだから。」

 

「わかったよ。でも、ちゃんと戻って来てよ?」

 

 心配そうに言うマナに約束を交わして、人目を盗んで出掛けた。

 

 

 

 俺がデュエルフィールドに辿りついた時、1台のD・ホイールが置いてあるだけだった。

 

「翼!言われた通り来たぞ!」

 

「よく来たね?」

 

 俺が声をあげると、すぐそばの木ノ上から翼が声をかける。

そのまま、降りてD・ホイールに跨がる。

 

「ついてきなよ?ボクがちゃんと潰してあげるからさ。」

 

 

 

 俺達がスタートラインに並ぶと、デュエルフィールドに明かりがついた。

 

「Libra。ライディングデュエル、マニュアル発進モードに移行。」

 

『了解。スピードワールドは?』

 

「スピードワールド1の方で。」

 

『了解。スピードワールド1をセットします。カウント開始。』

 

 Libraはそう言いながらカウントを数え始め、0を言ったとき俺と翼は同時に言った。

 

「Ridding Duel Acceleration!!」

 

 その言葉に、自分のD・ホイールを発進させる。

 

 ダァン

 

互いに相手にぶつかり合いながら、良い位置を取ろうとする。

そして、

 

「ボクのターン!ドロー!」

 

 先攻を取ったのは翼だった。

その瞬間、自分のスピードワールドにスピードカウンターが1つ乗る。

 

「手札からハーピィ・レディ1を召喚!そして、カードを1枚セットしてターンエンド!」

 

翼 ライフ4000 手札4枚

SPC1

伏せカード1枚

ハーピィ・レディ1ATK1300+300

 

 

SPC1

一 ライフ4000 手札5枚

 

「俺のターン!ドロー!手札からA(エンジェリック)HERO(ヒーロー) トタルスを守備表示で召喚!カードを1枚セットしてターンエンド!」

 

翼 ライフ4000 手札4枚

SPC2

伏せカード1枚

ハーピィ・レディ1ATK1300+300

トタルス

伏せ1枚

SPC2

一 ライフ4000 手札4枚

 

「ボクのターン!ドロー!ハーピィ・レディ2を守備!バトル!ハーピィ・レディ2でトタルスを攻撃!」

 

「トラップ起動!くず鉄のかかし!」

 

 扇情的な姿をした鳥の攻撃をくず鉄で出来たかかしが受け止めた。そして、くず鉄のかかしはセットされる。

 

「それじゃ、ハーピィ・レディ1で攻撃!」

 

「トタルスの効果起動!デッキトップを墓地に送る事で戦闘での破壊は免れる!」

 

 ハーピィ・レディ1の攻撃をトタルスはかわしながらデッキの一番上のカードを墓地に送った。

 

「しぶといね?ボクのターンは終了するよ?」

 

翼 ライフ4000 手札4枚

SPC3

伏せカード1枚

ハーピィ・レディ1ATK1300+300 ハーピィ・レディ2ATK1300+300

トタルス

伏せ1枚

SPC3

一 ライフ4000 手札4枚

 

「俺のターン!ドロー!カードを2枚セットしてターンエンド!」

 

翼 ライフ4000 手札4枚

SPC4

伏せカード1枚

ハーピィ・レディ1ATK1300+300 ハーピィ・レディ2ATK1300+300

トタルス

伏せ3枚

SPC4

一 ライフ4000 手札3枚

 

「ボクのターン!ドロー!ハーピィ・レディ1をリリースしてDT(ダークチューナー)ヘルウィングレディを召喚!そして、ヘルウィングレディの効果で手札を2枚捨てて、レベルを2上げる!」

 

 ヘルウィングレディのレベルが12になった。来るか?

 

「レベル4ハーピィ・レディ2にハーピィ・レディをレベル12DT(ダークチューナー)ヘルウィングレディを召喚!」

 

 ヘルウィングレディは12の暗い星となりハーピィ・レディの星を飲み込み8の星になった。

 

「闇と風交わりしとき、冥府の扉は開かれる。災い呼びし黒風よ。吹き荒れろ!

ハーピィ・ディザスター・エンプレス!

ハーピィ・ディザスター・エンプレスの効果でハーピィ・レディ達を特殊召喚!」

 

 翼の場を埋めるハーピィ・レディ達。

 

「バトル!ハーピィ・レディ1でトタルスを攻撃!」

 

「させるか!リバース起動!攻撃の無力化!相手の攻撃を無効にしてバトルフェイズをスキップする!」

 

 ハーピィ・レディ1、ハーピィ・レディ2、ハーピィ・クィーン2体、ハーピィ・ディザスター・エンプレスの攻撃を時空の渦が飲み込んだ。

 

「ホントにしぶといね?ターンエンド!」

 

 

翼 ライフ4000 手札4枚

SPC5

伏せカード1枚

ハーピィ・レディ1ATK1300+300 ハーピィ・レディ2ATK1300+300 ハーピィ・クィーン×2ATK1900+300 ハーピィ・ディザスター・エンプレスATK2400+300+800

トタルス

伏せ1枚

SPC6

一 ライフ4000 手札4枚

 

「俺のターン!ドロー!手札からチューナーモンスターA(エンジェリック)HERO(ヒーロー) ライラを召喚!効果でA(エンジェリック)HERO(ヒーロー) ガードナーを召喚!」

 

「チューナーとチューナー以外が来たということは、来るんだね?」

 

「レベル4ガードナーにレベル2ライラをチューニング!

集いし星が邪悪を焼き焦がす天界の戦士を呼び覚ます!

光差す道となれ!

シンクロ召喚!焼き尽くせA(エンジェリック)HERO(ヒーロー) ウリエル!」

 

 俺の場に焔を纏う戦士が現れる。

 

「ウリエルの効果起動!ハーピィ・ディザスター・エンプレスを破壊!ジャッジメントフレア!」

 

 ウリエルの放った一撃がハーピィ・ディザスター・エンプレスを破壊して翼のライフを削った。(翼 ライフ 4000-2400÷2=2800)

 

「クウゥッ!!やるね!裏切り者!!」

 

 俺は憎しみのこもった声に悲しみを覚えていた。

 

「………俺は、ターンを終了する………。」

 

翼 ライフ2800 手札4枚

SPC6

伏せカード1枚

ハーピィ・レディ1ATK1300+300 ハーピィ・レディ2ATK1300+300 ハーピィ・クィーン×2ATK1900+300

トタルス

伏せ1枚

SPC6

一 ライフ4000 手札4枚

 

 

 

 

Side 雪乃

 

「何をやってるんだ!あのバカは!」

 

 ライディングデュエルの状況をモニターで見ているとき、万丈目のボウヤがイラついたように吐き捨てた。

 

「万丈目君。ウリエルには破壊とダメージ効果をもっているけど、それを使ったターン、戦闘破壊は出来ないし、戦闘ダメージも半分になるのよ。」

 

 明日香が万丈目のボウヤに解説する。

 

「ウリエルの効果なら俺も理解している。だが、それを踏まえての発言だ!そもそも、ウリエルには戦闘ダメージが半分になるだけでダメージを無効になるとは書いていない!」

 

 万丈目のボウヤの反論に明日香は何も言えなくなる。

 

「それにあのバカは、攻めあぐねているより、攻撃するのを戸惑っているようだが、あの女とどんな関係なんだ?裏切り者とはどんな意味なのだ?」

 

 万丈目のボウヤの言葉に皆が沈黙し麗華が口を開いた。

 

「一君とあの人は昔恋人だったそうです。

一君は彼女の事を助けられなかった事を気にしているみたいです。」

 

 麗華の言葉に万丈目のボウヤは何も言えなかった。

一。絶対に勝ちなさいよ?

 

 

 

Side 翼

 

「………裏切り者か。確かに、そうかもな。」

 

 ボクの言葉に一はそう漏らしていた。

 

「俺があの時、デートの約束をしなかったら、翼は轢かれずにすんだかもしれない。」

 

 ………なんの話を?

 

「でもさ、翼と付き合えて俺は、幸せだったよ。ありがとな。」

 

 その言葉に、ボクは記憶を取り戻した。

そうだ。ボクは一に裏切られて死んだんじゃない。勝手に車に轢かれて死んだんだ。

 

「一!ボクは、記憶違いしていた!

これ以上デュエルしても意味ないから、サレンダーを………。」

 

 ーさせぬ!ー

 

 その言葉に、胸の内から黒い何かが沸き上がる。

ボクの意識は黒い何かに取り込まれてしまった。

 

 

 

Side 一

 

「いくぞ!我のターン!」

 

 サレンダーしようとしたとき翼が苦しみ始めた次の瞬間、全く別の人物がそこにいた。

 

「お前は地縛神だな!翼をどうした!」

 

「フン。この女の意識なら我が内にある我を倒さぬ限り元には戻らぬ!我はハーピィ・レディ1と2をリリースして地縛神 ASLLA《アスラ》 PISK《ピスク》を召喚!」

 

 その言葉に、心臓のように鼓動している何かに白い何かが吸い込まれて蜂鳥の地縛神が姿を現した。

 

「行くぞ!ASLLA PISKでダイレクトアタック!」

 

 地縛神の言葉にASLLA PISKは攻撃しようとする。

 

「和睦の使者を起動!「カウンタートラップ!神の宣告!和睦の使者を無効にする!」」

 

 俺の防御手段は、防がれてしまい、大きくライフを削られた。

(翼 ライフ 2800÷2=1400

一 ライフ 4000-2500=1500)

 

「我はターンエンド!」

 

翼 ライフ1400 手札5枚

SPC7

伏せカード枚

ハーピィ・レディ1ATK1300+300 ハーピィ・レディ2ATK1300+300 ハーピィ・クィーン×2ATK1900+300

トタルス

伏せ枚

SPC7

一 ライフ4000 手札4枚

 

「俺のターン!ドロー!チューナーモンスターA(エンジェリック)クリボーを召喚!

レベル6ウリエルとレベル1トタルスにレベル1A(エンジェリック)クリボーをチューニング!集いし星が永久に輝く太陽()となる!光差す道となれ!

シンクロ召喚!

照らせ!サンライト・ドラゴン!」

 

 サンライト・ドラゴンの輝きでASLLA PISKの力が弱まる。ただし、効果までは干渉出来ないので、地縛神を攻撃対象には出来ないけど。

 

「バトル!

サンライト・ドラゴンでハーピィ・クィーンを………。」

 

「そうやってこの娘を殺す気か?裏切り者?」

 

 く。地縛神の言葉に何も言えなくなる。

 

「………カードを2枚セットしてターンエンド………。」

 

翼 ライフ1400 手札5枚

SPC7

伏せカード枚

ハーピィ・クィーン×2ATK1900 地縛神 ASLLA PISKATK2500÷2

サンライト・ドラゴン

伏せ2枚

SPC7

一 ライフ4000 手札4枚

 

「我のターン!ドロー!ハーピィ・クィーンを守備表示に変更してバトル!ASLLA PISKでダイレクトアタック!」

 

 ASLLA PISKの攻撃を止められずにダメージを負う。(一 ライフ 1500-2500÷2=250)

 

「我はターンエンド!」

 

翼 ライフ1400 手札5枚

SPC8

伏せカード枚

ハーピィ・クィーン×2ATK1900 地縛神 ASLLA PISKATK2500÷2

サンライト・ドラゴン

伏せ2枚

SPC8

一 ライフ250 手札4枚

 

(このままじゃ、負ける!頼む!力を貸してくれ!)

 

 デッキトップのカードが光っているようにも見えた。

 

「俺のターン!ドロー!」

 

 俺がドローしたカードは俺が入れたハズの無いものだった。だがこれなら、地縛神を倒せる!

 

「俺はチューナーモンスター、救世竜―セイヴァードラゴンを召喚!」

 

 俺の場に妖精のような羽の生えた竜が現れる。

 

「リバース起動!リミットリバース!墓地にある、攻撃力1000以下のモンスターを攻撃表示で召喚!この効果で呼び出したモンスターが表示形式を変更したときそのモンスターを破壊する!蘇れトタルス!行くよ!

レベル8サンライト・ドラゴンとレベル1A(エンジェリック)HERO(ヒーロー) トタルスにレベル1救世竜―セイヴァードラゴンをチューニング!

集いし星が未来を照らす輝き《星》となる!

光差す道となれ!

シンクロ召喚!

セイヴァー・サン・ドラゴン!」

 

 俺の場に光輝く翼を生やした竜が現れる。

 

「セイヴァー・サン・ドラゴンの効果起動!相手フィールド上のモンスター効果を無効にしてそのモンスターの元々の攻撃力の半分をえる!」

 

 セイヴァー・サン・ドラゴンはその力で地縛神 ASLLA PISKを弱らせ、より強い輝きを得る。(セイヴァー・サン・ドラゴンATK3800+1250=5050)

 

「こ、攻撃力5050だと?だ、だが、裏切り者に我を倒せ………。」

 

 言い切る前に衝撃波がASLLA PISKを打ち倒した。

 

「確かに、俺に翼は殺せない。でもさ、俺のライフを0にするなら話は別だぜ?

ショックウェーブを起動させてもらった。

効果は、自分のライフが相手より低い時、フィールド上のモンスターを破壊して互いにそのモンスターの攻撃力のダメージを受ける。」

 

「ば、バカな!我が倒されるだと?」

 

 その言葉に、ASLLA PISKは砕けちり、互いにダメージを負う。

(翼 ライフ 1400-2500=-1100

一 ライフ 250-2500=-2250)

 

「キャアァァァァーーーー!!」

 

 ASLLA PISKが破壊されるとD・ホイールも大破する。そのせいで中空に放り投げられる。

 

「翼!」

 

 D・ホイールを翼が地面に叩きつけられるだろう所先回りして翼を抱き止める。

 

「………一?」

 

「良かった。今度は助けられたな?」

 

 俺はそう言って、翼を下ろし、自分も下りる。そして、D・ホイールに収納しておいた帽子を翼の頭に乗せる。

 

「ゴメン。いつの間にか、ボクは一がボクを死に追いやったと思い込まされていたみたい。」

 

「いいんだ。気にするな。それより、帽子は返すよ………。」

 

 そう言った俺の意識は遠くなる。

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