授業中にも拘らず、殺気の籠った視線が俺に集中していた。
原因はわかっている。
「明日香。「イヤ。」マナ。「ヤ。」皆が見て「見られてもいいからヤダ。」るから離れてくれると一は一ですごく「こっちは嬉しくないからイヤ。」嬉しいのですが。って、最後まで言わせろよ!」
俺の両側に張りつく明日香とマナのせいである。男としては嬉しいんだ。明日香もマナも気になる異性だし。だが、周囲の殺気が重くなっていくのがわかる。
「諦めなさい。人様に心配させたんだし、コのぐらいはやっても問題ないと思うわよ?」
「何処が?」
雪乃の言葉に反論するが、麗華が反論する。
「約束違反した罰です。」
グサッ!
その言葉に、胸にナイフが刺さったのような痛みを覚えた。
「そうよねぇ。戻って来るって言ってたのに、意識不明になってみんなに迷惑をかけているわけだし。」
グサグサ!
「………好きなだけ抱きついててください。」
「やった♪」
その言葉に、嬉しそうに抱きつく力を強める。その瞬間、周囲の殺気が重くなる。
「シニョール達!授業はちゃんと受けるノーネ!」
『あぁ?』
クロノスの言葉に、皆が一斉にクロノス先生を見た。
「ヒィィッ!!!!ぼ、暴力は反対なノーネ!」
その視線に悲鳴をあげるクロノス。そこに、チャイムが鳴り響く。
「で、デーはこれで午前の授業は終了するノーネ!」
あ。逃げていった。
「さてと、お昼になりましたし、お昼御飯にしましょう。」
麗華はそう言って、嬉々とした表情で弁当箱を開ける。その中身を箸で取り、俺に差し出す。
「あ、あのですね、麗華さん。「あーん♪」こういうのは、「あーん♪」こんな大勢の前ですべきことではないと、「あーん♪」一は一で至極真面目にお願いしてみたりしているんですが聞いてるかな?」
「聞いてますから、はい、あーん♪」
………さいですか。聞いてはいたが、やめる気はないと?
トントン。
「うん?ンムッ!!」
肩をたたかれたので振り向くと雪乃が俺の唇をふさいだ。しかも、口の中の何かを俺の舌に塗り付けながら。俺は、されるがままになっていて雪乃が唇を解放した時、
「諸君!ここはどこだ!」
俺は赤いフードの群れに囲まれていた。
『最後の審判を下す法廷だ!』
赤いフードをかぶった須藤の声にみんなが唱和する。
「漢とは!」
『愛を捨て!哀に生きるもの!』
「よし!異端審問を開始する!」
『イエッサ!』
須藤の言葉に慌ててこの場を脱出した。
「逃げたぞ!追え!」
『オォッ!!!!』
須藤の命令に追いかけるRRR団を背に走り続けるのだった。
「鮎川先生!保護プリーズ!」
慌てて逃げ出し、手近な保健室に駆け込んだ。
「え?ちょ、ちょっと!」
慌てる鮎川先生を無視して、鮎川先生がいる机の下に潜り込んだ。そこに、
「鮎川先生!斎藤一ひ見ませんでしたか?」
赤フードを被った男の声に鮎川先生は首を横に降った。
「いいえ。斎藤君なら、ここに隠れていると伝えてって言って外に駆け出していったわ。」
と俺が隠れている所を指差して言う鮎川先生に赤フード達は駆け出していったらしい。
「もういいわよ?」
RRR団が皆出ていったのを確認した鮎川先生が俺に声をかけた。
「ありがとうございます。」
お礼を言って机の下から抜け出る。
「それはいいけど、この騒ぎってやっぱり、明日香さん達の事で?」
「えぇ。まあ。」
俺が答えると、お茶をいれてくれた。
「少しゆっくりしていった方が良いんじゃないかしら?」
「えっと、それじゃ遠慮なく。」
お茶を一口すすり、
「所で、さっきの騒動ってやっぱり、天上院さん達が告白したことが原因かしら?」
ブバッ!!!!!!
鮎川先生が放ったその言葉に俺は飲みかけたお茶を盛大に鮎川先生にかけてしまった。
「きゃっ!き、汚いわよ!」
「ご!ごべ!」
鮎川先生の苦情に咳き込みながらも謝罪する。
「ごめんなさい。
それで、鮎川先生は何でそれを知ってるんですか?」
「何でって、天上院さん達が斉藤君に好意を抱いてるのは皆知っているわよ?」
………ハイ?
「何で皆知ってるんですか?俺なんて言われるまで全然気づかなかったんですけど?」
その言葉に鮎川先生は凍りついた。
「え、えっと、冗談よね?」
「いえ。本気ですが?」
「………冗談抜きで本当に鈍感だったのね。あれだけ好意を丸出しにしてたのに気づかなかったなんて、」
眉間を指でグリグリやりながら、呟いていた。
「それで、答えは出たのかしら?」
「えぇ。一応出ました。ですが、それを皆が受け入れるかわからなくて。」
「大丈夫じゃないかしら?斎藤君が必死に悩んで出た答えなら、皆きっと受け入れてくれるわよ。」
鮎川先生の言葉にちょっとだけ軽くなった気がした。持っていたお茶を飲み干すと鮎川先生にお礼を言ってその場を後にした。
俺が灯台に到着した時には既に呼び出した5人とも、そろっていた。
「悪い。呼び出したのに遅くなって。」
「ううん。気にしなくても良いよ。それより、ボク達にどんな用なの?」
「あ、あぁ。それなんだけどさ、」
すごい言いづらい。緊張で口の中がカラカラに乾いてる気がする。
「………俺さ、意識不明だった時、皆が必死になって看病してくれた光景を見たんだ。そんな姿を見て哀しく想ったよ。あんな姿二度と見たくない。」
俺の言葉を翼もマナも明日香も麗華も雪乃もただ黙って聞いている。
「誰かを選べば他の皆を傷つける。だから選べない。そんな最低な男だけど、
俺と付き合って下さい!」
勢い任せに言ってギュッと目を閉じる。そこに、
ギュッ
温かくて柔らかいものに包まれるような感触があった。そっと目を開けると、麗華達が抱き締めてくれていた。
「ふふふ。私が好きになった人は本当に欲張りね♪」
「一人だけじゃ飽きたらず皆を幸せにしたいなんて言うんですから。」
雪乃の言葉に麗華が補足する。
「まぁ、一ならそんなことを言うんじゃないかなとは思ってたよ?」
「ボクは一のそばに居たいだけだし。」
マナと翼はニコニコと笑顔で言う。
「私達で良ければ、彼女にしてください。」
「こ、こちらこそ。」
明日香の言葉に嬉しくなり、彼女達を抱き締めて、答えた。