SIDE 万丈目
………明日香君。俺は、あの何もない空間でただ、君だけを見ていた。
「…それって、ただのストーカーって言わない?
明日香に嫌われるぞ? 準。」
「ガフッグゥッ!!」
後ろから囁かれた言葉に言葉のボディーブローをくらい胸を押さえていた。
「い、いや、しかしだな、俺の愛は純粋だ。だから問題ない。」
「…ストーカーの言い分だな。」
「ガハァッ!!」
一に見えない刃物で胸をえぐられるような痛みに思わず砂浜に膝まずいてしまう。
「で、準。一人で何を黄昏てたんだ? 呟いていた内容から察するに明日香に関することだろうけど。」
「………まぁ、そういう事だ。どうすれば明日香君を振り向かせられるかと思ってな。」
「あ~。わかる。明日香は男勝りなで優しいしスタイルいいし可愛いし飯上手いし何で好きになってくれたか、不思議に感じるぐらいだよ。」
「だが、手放す気などさらさら無いのだろう?」
「当然。」
俺の言葉に一はグッと胸を答えた。チッ。爆発しろ。俺の殺気に気つかず、一は俺に言葉を投げ掛ける。
「今はどうあれ、デュエルアカデミア入学時点では印象最悪だったみたいだからな。」
「明日香は回りくどいことは好まないし、ノーとは言えない雰囲気で迫っていくのがベターだと思う。」
「貴様は明日香君を俺と付き合ってくれるかもしれないことが怖くないのか?」
「もちろん、怖いさ。でも、俺には明日香達は俺を選んでくれるって確信があるからな。」
その言葉に俺はこう言い返した。
「貴様のそれは確信じゃなくて妄想だ。その幻想がつぶされるのを指をくわえて眺めているんだな。」
SIDE 一
「一さん。起きて。」
「起きて。一。朝よ?」
微睡みを揺さぶる声に目を覚ます。
「………明日香? …麗華?」
眼が覚めた俺は、麗華と明日香をギュッと抱き締めながらそっと目を閉じていた。
「ちょっと一。起きて。」
「やだ。もうちょっと明日香と麗華の温かくてやわらかな温もりを堪能したい。」
その言葉に頭を擽られるような感触があった。
「一さんさえよければ皆と一緒の時にいくらでも抱き締めても良いですから学校に行きましょう。」
その言葉にしぶしぶ着替えようとするまさにその時、
「はじめちゃん! 大変っすよ! 万丈目君が!」
ものすごい勢いで翔がドアを開けたのだが、ドアの向こうの俺達が全裸でいたことに硬直する。
「オ、オジャマシマシタ。」
なんとかそれだけを返した翔に耳すら真っ赤になった俺達は急いでたたんである制服を着る。
○ ○ ○
「万丈目君!!!! 何を考えているのよ!」
砂浜で7精門の鍵を首にぶら下げた準に明日香が怒りの声を上げた。その準は明日香の怒りの声をものともせず明日香に声をかける。
「明日香君! 俺とデュエルだ! 俺に勝ったら7精門の鍵を返却しよう! しかし、俺が勝ったら俺とこ「ごめんなさい。その条件ではデュエルできないわ。」うさいしてって、何ぃっ!!!!」
断られるとは想像してなかったらしい準が驚きの声をあげる。
「何故だ! アスリン! こんな漢らしい万丈目君に惚れない!」
準の後ろから、アロハシャツにウクレレ装備の吹雪さんが声をあげる。
「ハァ。それは万丈目はそれなりに整った顔だと思うし、性格だって悪くないとは思うわよ。
でも、私は1人の異性が大好きなの。」
そう言って、明日香は翼とマナに抱き締められている俺を見てうっすらと紅色に染めていた。
「その人は私の他にも素敵な女性と付き合う欲張りな人だけど、私はその人が大好き。だから、万丈目君とは付き合えません。ごめんなさい。」
誠意を込めた明日香の謝罪にしかし、準は視線を俺に向けて、
「斎藤一! 俺とデュエルだ! 俺が勝ったら明日香君から身を引け!」
俺にデュエルを申し込んできた。それにたいして俺はデュエルディスクを装着する。明日香達が好きだからこそ、万丈目の気持ちに真正面から向き合う為に。
○ ○ ○
『
俺と準は宣言してカードをドローする。
『万丈目 の ターン です。』
「俺のターン! ドロー! おジャマ・ブルーを守備表示で召喚! カードを2枚セットしてターンエンド!」
万丈目ライフ4000 手札3枚
伏せカード2枚
おジャマ・ブルーDEF1000
「俺のターン! ドロー!
「させん! リバースカードオープン! おジャマトリオ! お前のフィールドにおジャマトリオトークンを特殊召喚!」
やるな。バットマンの効果にチェーン出来ないって制約はない。せいぜいこのカードにトラップの効果を受けないだけだ。
「伏せカードがトラップだった為破壊される。」
「しかし、発動した通常トラップは効果を処理したら墓地におかれる。無駄うちだったな。」
「だな。
バトルフェイズ!
バットマンでおジャマ・ブルーを攻撃!
バットスクラッチ!」
俺の攻撃宣言にバットマンが呼び出したコウモリがおジャマ・ブルーに襲いかかる直前、
「リバースカードオープン! マジカルシルクハット!」
準が2枚のマジックかトラップのカードを選びおジャマ・ブルーとシャッフルした。
…どうする? 多分、あの2枚の伏せカードはあの2枚だ。だとするなら、墓地におかれたら危険だ。どうする? いや、攻撃しないでも危険。攻撃しても危険なら、可能性に賭ける!
「バットマンで真ん中のシルクハットモンスターを攻撃!」
コウモリが真ん中のシルクハットを引き裂いた。その下から出たカードは、
「おジャマ・ブルーが破壊された事により、デッキから、おジャマ・カントリーと、おジャマ・デルタハリケーンを手札に加える!」
「バトルフェイズ終了する事によりマジカルシルクハットにより疑似モンスターになったモンスターは破壊される!」
その言葉によりシルクハットモンスターがガラス細工のように砕けちり、その下のカードを見せた。
「2枚のシルクハットモンスターはどちらもおジャマジック。よって、おジャマ・イエロー、おジャマ・グリーン、おジャマ・ブラックを2枚ずつ手札に加える!」
まずいな。すでにあのカードがあるなら、次のターンで1キルされかねない。予防線張っておくか。
「カードを1枚ずつ伏せてターンエンド!」
万丈目ライフ4000 手札11枚
伏せカード0枚
伏せモンスター0枚
バットマンATK1900 おジャマトリオトークンDEF1000×3
伏せカード1枚
一ライフ4000 手札3枚
「俺のターン! ドロー! おジャマ・レッドを攻撃表示で召喚! 召喚成功により、おジャマ達を特殊召喚する!!」
『イエーイ♪』
準の言葉にフィールドにポーズを決めながら姿を現すおジャマ達。
「俺のフィールドにおジャマ・イエロー、おジャマ・ブラック、おジャマ・グリーンがいることにより、手札から、おジャマ・デルタハリケーンを発動!! 斎藤一のフィールドのカードを全て破壊する!!」
その言葉におジャマ達はお尻をくっつけ高速回転を始め、バットマンも、俺のフィールドで翻ったカードも、おジャマトリオトークンも全て破壊された。
「さらに、おジャマ・カントリーを発動!! 俺のフィールドにおジャマ達がいることにより、モンスターの元々の攻守が逆転する! これで終わりだ!
おジャマ達の総攻撃!」
準の攻撃宣言にしかしおジャマ達は動こうとしない。
「な、何があったんだ。」
「こいつさ。」
そう言いながら和睦の使者を見せた。おジャマ・デルタハリケーンにチェーンで発動していたんだ。
「くそ! 俺は1枚伏せてターンエンド!」
万丈目ライフ4000 手札11枚
伏せカード0枚
伏せモンスター0枚 おジャマ・レッドATK1000 おジャマ・イエローATK1000×2 おジャマ・グリーンATK1000 おジャマ・ブラックATK1000
おジャマ・カントリー(おジャマがフィールドがいる限り攻守が入れ替わる)
伏せカード0枚
一ライフ3100 手札3枚
「俺のターン! ドロー! 手札からA―アタックメントコールを起動! 手札の
ブレイクウィングシザー!」
俺の言葉にウィンドマンの羽ばたきがおジャマ・カントリーを破壊する。
「手札から二重進化―ダブルエヴォリューション起動! ウィンドマンを生け贄に、
準! 俺は女性として、明日香が好きだ!! 雪乃も麗華も翼もマナも好きだ!! だから俺は絶対放さない!」
俺のその言葉に準は俺に決意を示す。
「斎藤一! 今回は俺の敗けだ! だが、いずれは勝つ!!」
「バトルフェイズ!
トルネードガイで準のおジャマ達全てに攻撃! トルネードバースト!」
トルネードガイが集めた暴風の塊がおジャマ達を襲う。(準ライフ4000-5×(2300+4×300)=4000-5×3500=4000-17500=-13500)
○ ○ ○
俺が準のライフを0にした瞬間、地震がその場を支配した。