「斉藤君! 今日こそきっちりお話を聞いてもらいますからね!」
目の前で握り拳を作ってそう言っているのはオベリスク・ブルー女子の
「さぁ、斉藤君!早く構えてください!」
原はそう言いながら、デッキをセットしてデュエルディスクを起動させる。
「はぁ。頼むぞ。
そう言いながら、デュエルディスクを起動させる。…はぁ。どうしてこうなったのだろうか?
「斉藤君。ちょっと、お願いがあるから、放課後女子寮まで来てくれないかしら?」
昼飯時になり、食堂まで行く途中、女子寮の寮長の鮎川先生に呼び止められた。
「別に良いですよ。何をすればいいんですか?」
「ありがとう。実はね、お部屋の模様替えと、倉庫にしまってある炬燵を取り出したいのよ。」
「はいはい。りょーかい。」
「ふう。終わりっと。」
「ご苦労様。随分埃っぽくなっちゃったわね。」
あー。あの炬燵倉庫の隅っこでかなり埃被ってたからな。一人で持ち上げようとしたら、服にその埃を被っちゃったからな。
「その服は私が洗濯してあげるから、お風呂で暖まるのはどう?」
その言葉に思わず問いかけてしまった。
「え?良いんですか?」
「ええ。でも、誰もいない時にしてね?」
あー。そりゃ当然かな?
「いいですよ。それで。」
鮎川先生の言葉に甘えてしまった。今思えば、断って、寮に帰ってしまえばこんな事態にならなかっただろうに。
「………よし、誰もいないようだな。」
脱衣所の籠の中に何もない事を確認して、脱衣所の入り口に、清掃中の立て札を置いて、入浴する。
女子風呂に浸かって寛いでいると、入口の方から誰かが入って来たらしい。
「アラ? 随分大胆な変質者なのね?」
「な! 何で入って来たんだよ!清掃中の立て札をおいてあるはずなんだけど!」
「落ち着きなさい。坊や。」
紫色の髪の女の子の言葉に深呼吸して落ち着かせようとした。
「悪い。入浴に関しては鮎川先生から許可をもらっている。それで清掃中の札を見なかったのか?」
「いつもはアレが置いてなかったから、手違いか何かかなと思ったのよ。私は藤原雪乃よ。坊やは?」
「ああ。俺は斉藤一だ。」
俺達が自己紹介しているとき、ドアがもう一度開かれた。
「あら。藤原さんも入ってたのですね。」
ゲ!! 原だ!! 驚いて硬直している間に原は俺のすぐ横に入浴した。
「アラ? 転入生ですか? 私は原麗華と申します。」
!! ひょっとして原は俺のことがしっかりと見えてない? ならチャンス! 適当にごまかして外に出れば覗き扱いにはならないんじゃ…?
「あら。委員長。その坊やは転入生じゃないわよ?」
藤原のその言葉が俺の淡い希望を討ち砕いた。
「???」
その言葉に疑問を覚えた原はメガネをかけて、俺の顔を凝視した。
「や、やあ。原。」
挨拶をした俺の顔はかなり引き攣っているだろう。次の瞬間、原の悲鳴が響き渡った。
「何を考えているんですか!! 覗きなんて!!」
「わ、悪い。原。でも、鮎川先生の許可はもらっているし、それに入口に清掃中につき立ち入り禁止の立札は置いたぞ。」
「嘘は言わないでください!! そんなもの、」
「あったわよ?」
「?? なんですって?」
藤原の言葉に原は彼女のほうを振り返った。
「だから置いてあったわよ。」
その言葉に原は恥ずかしそうに顔を赤らめた。
「斉藤君! お風呂の入浴についてはもういいですが、言わせていただきたいことがあります!!」
?なんだろう?
「斉藤君は不真面目すぎます!! マナさんと天上院さんとふしだらな関係だというじゃないですか!!」
マナと明日香?
「???? 悪い。原。言っている意味がよくわからないんだが?」
「とぼけるつもりですが! 原麗華の目が黒いうちは不純異性交遊なんてさせませんからね!!」
「とぼけるも何も、マナとは幼馴染だし、明日香とはただの友達で、別にふしだらな関係とも、不純異性交遊ともとれる仲じゃないぞ?」
「まだ誤魔化す気ですか! もういいです! デュエルで話をつけましょう!」
とまぁこんな感じで表に連れ出されてデュエルするわけだ。
「斉藤君! 私が勝ったら、不純異性交遊させませんからね!」
「あぁ。ただ、俺が勝ったら、俺と明日香とマナに謝ってもらうからな?『付き合ってもいないのに言いがかりでいちゃもんつけてごめんなさい。』と」
「苦労しているのね?あなた達は?」
「………うん。すごい大変だよ。」
「わ、私はそ、そんな関係じゃないわよ!」
何故かため息を吐きながらの藤原の言葉にマナは漫画で良くある滝のような涙を流し、明日香は怒りのあまり顔を紅く染めたらしい。
『
「私のターン。ドローします。手札から、ご隠居の猛毒薬を使います。効果で斉藤君にダメージを与えます。そして、モンスターをセットしてターンエンドします。」
麗華ライフ4000手札4枚
伏せモンスター
一ライフ3200手札5枚
「俺のターン!ドロー!」
麗華のデッキの特徴はまだわからない。
「手札から永続魔法黒蛇病を起動! さらにデスウォンバットを召喚!」
「そ、そのデッキは!」
そう、このデッキはデスウォンバットで効果ダメージを防いで、黒蛇病で焼くデッキだ。
「さらにカードを二枚セットしてターンエンド!」
麗華ライフ4000手札4枚
伏せモンスター
デスウォンバット
黒蛇病 伏せカード二枚
一ライフ3200手札3枚
「私のターン。ドローします。モンスターをセットしてターンエンドします。」
「………麗華に動きがないわね。」
「おそらく動くに動けないのよ。委員長はバーンデッキの使い手よ。デスウォンバットは効果ダメージを防ぐ効果を持っているわ。」
麗華ライフ4000手札4枚
伏せモンスター×2
デスウォンバット
黒蛇病 伏せカード二枚
一ライフ3200手札3枚
「俺のターン! ドロー! スタンバイフェイズ時に黒蛇病の効果起動! 互いに200ポイントのダメージを与える!」
その言葉に黒蛇病のカードから蛇が飛び出して、俺達を襲うのだが、俺の方はデスウォンバットに守られノーダメージだ。
「モンスターをセットしてターンエンド!」
麗華ライフ3800手札4枚
伏せモンスター×2
デスウォンバット 伏せモンスター
黒蛇病 伏せカード二枚
一ライフ3200手札3枚
「私のターン。ドローします。モンスターをセットしてターンエンドします。」
麗華ライフ3800手札4枚
伏せモンスター×2
デスウォンバット 伏せモンスター
黒蛇病 伏せカード二枚
一ライフ3200手札3枚
「俺のターン! ドロー! スタンバイフェイズ時に黒蛇病の効果起動! 1ターン経過しているからダメージが倍になる! 反転召喚ステルスバード!」
俺の場に翻ったカードが原のライフを更に削った。
「モンスターをセットして手札から強制転移を起動! 俺はセットモンスターをそちらに送る!」
「………私はこちらをそちらに送ります。」
俺は原からもらったカードを確認した。デスコアラか。
「バトルフェイズ! ステルスバードでジャイアントウイルスを攻撃!」
ステルスバードは原の場の俺のモンスターを破壊する。そして、ジャイアントウイルスがウイルスをまき散らして、ダメージを与える。(原ライフ1900)
「効果で2体のジャイアントウイルスを召喚して、メインフェイズに移行。ステルスバードをセットして、カードを一枚セットしてターンエンド。」
麗華ライフ1900手札4枚
伏せモンスター
デスウォンバット ジャイアントウイルス×2 伏せモンスター(ステルスバード デスコアラ)
黒蛇病 伏せカード二枚
一ライフ3200手札2枚
「私のターン。ドローします。カードを一枚セットして、ターンエンドします。」
麗華ライフ1900手札4枚
伏せカード
伏せモンスター
デスウォンバット ジャイアントウイルス×2 伏せモンスター(ステルスバード デスコアラ)
黒蛇病 伏せカード二枚
一ライフ3200手札2枚
「俺のターン!ドロー!スタンバイフェイズ時に黒蛇病の効果起動!(原ライフ1100)ステルスバードを反転召喚する!(原ライフ100)キャノンソルジャーを召喚して効果を起動!俺の場のモンスター一体を生け贄にして相手ライフに500ダメージを与える!(原ライフ-400)」
「キャアア!! …負けました。」
キャノンソルジャーの攻撃くらい原のライフが0になった。
「原。約束は覚えているな?」
原は俺に向かって謝ってから明日香と、マナに向かった。
「………天上院さん。マナさん。噂を真に受けてつまらない騒ぎを起こしてすみませんでした。」
「…わかればいいのよ。」
「…私の場合は、その噂が立ってくれた方がありがたいんだけどね。」
そして、原は今度はこちらに振り向いた。
「斉藤君もすみませんでした。」
「誤解だとわかればいいんだ。それに、こういったことも風紀維持だと思えばいいしな。」
「ですが、私は頭が固いといいますか、頑固といいますか、厳しく取り締まりすいて、皆に嫌われているみたいで、」
「肩に力入れすぎなんだよ。もうちょっと力を抜いて、余裕をもってみな。さしあたっては、」
そこまで言って、原の両頬を軽く引っ張った。
「ひょ、ひょっと、はひふるんれふふぁ?」
「やっぱりな、」
俺は納得してから原の頬を放した。
「原ってさ、怒ってる顔より笑ってる顔のほうがずっと可愛くて魅力的だぞ?」
俺の言葉に何故、顔を紅くする?原?そして、明日香にマナ。お前達は何故に不機嫌になる?
「な!! か、か、か、か、か、か、か、か、か、か、か、か、可愛い」
パニクッてどもってる。普段、クールだから、意外な一面を見れて可愛い。
「斉藤君!! そ、そんなことを言って誑かそうとしても無駄ですからね!!」
??熱でもあるのか?風邪ひくと大変だな?
「それに、斉藤君! あなたと藤原さんが一緒に入浴してたのは事実です!!」
「あのなあ、それは、藤原が勘違いしただけで…。」
そこまで、言いかけて俺の両肩に手が置かれたらしい。後ろを振り向くと、とてもいい笑顔を浮かべた明日香と、マナがいた。
「一………。そのお話を詳しく聞きたいのよね。」
「素直にはいた方が身のためよ?」
肩を握り砕かんばかりの迫力に恐怖を覚えた。無理やり二人を引きはがすと、全力で逃走した。
「待て!! はじめ!!」
「待ちなさい!! はじめ!!」
そう叫ぶ、二人をバッグに走り続けていた。
「不幸だ――――!!!!!!」
俺のその叫びが木霊していた。