「十代。N○ck○ut fighterやろうぜ! 」
十代の部屋に入ると、十代と翔、準の他に見知らぬラー・イエローの生徒がいるのに気づいた。
「君は?」
「そういうあんたは誰だドン?」
俺の問いにラー・イエローの生徒が警戒しながら問いかける。
「俺は斎藤一だが、君は?」
「俺はティラノ剣山ザウルス。………斎藤一って、
「どの、斎藤一だか知らないけど、デュエルアカデミアには斎藤一は一人しかいないよ。」
剣山の言葉に首を傾げながら肯定していた。
「斎藤一。………デュエルアカデミアの女の敵。」
「ちょっと待て! そんな2つ名がついてるんかい!」
ついててもおかしくないかなとは思ってたけどさ! チクショオ!
剣山の言葉に十代達の肩が震えているのが腹立つ。
「美女5人を食い物にしている等と、最低な事をしているとはいえ、その腕前は十代のアニキと同等とも言われているデュエリスト。
すごいザウルス! こんなデュエリストに出会えるなんて! よし! アンタ、俺とデュエルザウルス!」
いきなり熱く捲し立てる剣山。
「俺は十代のアニキみたいな男になりたいんだドン! そのために、センパイを倒して、ビックな男になるんだドン!」
人を踏み台扱いか。その勝負受けた!
『
俺と剣山はそう宣言してカードをドローした。
『一の ターン です。』
「俺のターン! ドロー!
Kーナイツコールを発動! デッキから
一ライフ4000手札0枚
伏せカード3枚
伏せモンスター0枚 ブリザレスATK1700 ダークナイトATK1900
伏せモンスター0枚
伏せカード0枚
剣山ライフ4000手札5枚
「なるほどな。」
俺のプレイングを見ていた十代が呟いていた。
「あ。俊足のギラザウルス対策ッスかね?」
普通にそう思うよね。でも違う。
「俺のターン! ドロー!」
「その瞬間、リバースカード起動! ギブ&テイク 俺の墓地にあるモンスターを相手フィールドに特殊召喚する代わりにそのモンスターのレベル分俺のフィールドのモンスターのレベルをアップする!」
まあ、レベルをアップしてもチューナーがないこのデッキには意味ないけどね。必要なのはウォーターガールを召喚したこと。俺は剣山のフィールドにウォーターガールを守備表示で置いた。
「んげ。」
ウォーターガールの効果を知っている十代が露骨に嫌そうな表情をする。
「ウォーターガールの効果起動! 召喚した時、コントローラーの手札が4枚以上の時、2枚になるようにデッキに戻す!」
その言葉と共に流水が剣山の手札を弾き飛ばしデッキに戻した。
「お、俺の手札が! ウォーターガールを生け贄に、
暗黒トリケラトプスでブリザレスを攻撃!」
その選択で良いのかな?(一ライフ4000-2400+1700=3300)
「カードを1枚伏せてターンエン………「エンドフェイズ時にリバースカード起動! HERO復活! 全てのプレイヤーは墓地からHEROと名のつくモンスターを特殊召喚する! 俺の墓地にあるウォーターガールを呼ばせてもらう!」
………お、俺のデッキにはHEROがない当然墓地にはないから召喚は出来ないザウルス! ターンエン………「あ。ウォーターガールは手札が2枚以下の時にこのカードを召喚したから4枚になるようにドローするぞ。」
今度こそターンエンドザウルス!」
一ライフ3300手札4枚
伏せカード1枚
伏せモンスター0枚 ダークナイトATK1900 ウォーターガールATK200
伏せモンスター0枚 暗黒トリケラトプスATK2400
伏せカード1枚
剣山ライフ4000手札0枚
「俺のターン! ドロー! リバースカード起動! 強制転移!
俺はウォーターガールを選ぶ! 剣山は暗黒トリケラトプスしかいないからそれをこちらに移してもらう!」
俺の言葉に互いに相手のフィールドに移るウォーターガールと暗黒トリケラトプス。
「お、俺の恐竜さんがぁ!」
「さらに、進化の魔薬を起動! ダークナイトを生け贄に
俺のフィールドにいる闇の騎士が薬を飲んだ瞬間、蝙蝠を使役するHEROになった。
「バットマンの効果起動! フィールド場の伏せカードを確認してそれが、トラップだった場合、破壊する! ソナーサーチ!」
その効果で確認したカードは聖なるバリアミラーフォース。当然破壊される。
「バトルフェイズ! バットマンでウォーターガールを攻撃! バットスクラッチ!」
攻撃宣言にバットマンが無数の蝙蝠にウォーターガールと剣山を襲った。(剣山ライフ4000-1900+200=2300)
「暗黒トリケラトプスでダイレクトアタック!」
暗黒トリケラトプスの突進が剣山のライフを削りきった。(剣山ライフ2300-2400=-100)
「ま、負けたザウルス。どこから弾が狙い撃ちしてくるかわからなかったザウルス。
でも、センパイはカードの扱いが酷いザウルス!」
………どうゆうこと?
「わざわざ蘇らせたモンスターを相手に送りつけて倒すなんてそれでもアニキのライバルと呼ばれた男ザウルス!」
剣山の言葉に俺は肩をすくめて問いかけた。
「聞くけど、剣山は大事に使われれば満足なのか?」
俺の言葉に剣山は俺を見つめていた。
「大事にされ、それが原因で負けたとしてもか?」
その言葉に剣山は驚いた表情になっていた。
「俺の手札にウォーターガールをフィールドに残して勝つ手段はない。次のドローに賭ければ話は別かもしれないがそれをすると、剣山に攻撃をくらい負ける可能性もある。だからこそ、俺はウォーターガール相手に送りつけたんだよ。」
正直、これが正しい選択かはわからない。でも、俺がウォーターガールなら主の敗因になるぐらいなら、我が身を犠牲にしてでも勝利に貢献していたと思う。
その言葉に剣山は肩を震わせていた。
「で、デカイザウルス! アンタ懐が大きいザウルス! 十代やセンパイの元でなら俺はビックな男になれそうザウルス! よろしくお願いだドン!」
「あ、あぁ。よろしくな。」
剣山が熱く語り差し出す両手を思わず握りながら答えていた。