「ふぁ……っ、んっ……えっ、えっ……んんっ」
「あはは、よかったねマツリちゃんっ」
「よかったな、マツリ」
放心状態のマツリを湯船に放り込み、俺は千夏に背中を流してもらう。そんな時間が続いて、気持ちよくなってきた頃。
まともな意識を取り戻したマツリが、湯船の中から真っ赤になって抗議してきた。
「信っじられないっ! トモヤあんた、なんてことするのっ!」
「いや、だって……」
「だってなに! どんな理由があったら幼なじみのおっぱいにあんなことするのよっ!」
さっきとは違った色の真っ赤な顔でマツリが吠える。湯船の中で地団駄を踏むから、中のお湯が目に見えて減っている。
でもそうかぁ、あんなことをしたんだもんな。確かに理由が必要だ、と一人納得する。
そこで、俺は理由をちゃんと説明してやることにした。
「はい、これが理由」
「……え、なに……? ……これって……!」
俺が渡したのは、防水のスマートフォン。
ディスプレイにはバッチリと物欲しそうなマツリの表情が収められている。
「……これが理由だけど……大丈夫?」
「な、なに撮ってんのよっ! ほんっと信じられないっ!」
言いながら、さっきよりも格段に真っ赤になるマツリ。プイっと湯船の中で反対側を向いたかと思うと。
「私もう、恥ずかしいからこっち向いてるね? 見てない間にはやく洗っちゃって」
なんて、ぶっきらぼうに言ってきた。
長い付き合いだというのに、俺のモノを見るのも恥ずかしいらしい。
それを聞いた俺は、しめたとばかりにガッツポーズをする。
マツリの恥ずかしがることが分かったということは、マツリのおしっこを引き出すチャンスを得たということと同義だ。
俺は体をササッと洗い終えると、千夏にシャワーを手渡して、その隙にマツリに近づく。
「……もう終わった?」
「ああ、もうこっち向いていいぞ」
「……うん、わかった」
湯船の中で振り向いたマツリの鼻先に……俺は、洗ったばかりのちんちんを突きつけた!
「ちょっと! トモヤ……えっ、えっ!」
「ほーれ、ちんちんだ! ちんちん! ちんちんだぞー! ちんちんだ!」
茹だったかのように真っ赤になっていくマツリの顔の前で、ちんちんをぶらぶらと振り回す。すると、マツリは案の定恥ずかしがって……。
「……ちょっ、やめ……」
「あははー! ちんちん! ちんちんだー!」
「……ほんと、ちょ、やめ……」
ぷっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ……
勢いよくおしっこを噴出した。
それを見た俺は、焦りを覚える。
湯船がおしっこで汚れてしまうことに対する焦り? いや、違う。
俺が危機を覚えてるのはそんなどうでもいいことなんかじゃない。
今この瞬間、俺が危惧している最悪の事態は……っ!
「……立て! マツリぃぃぃぃ!」
「え! なんで! ちょっと、え!」
「立て、マツリ! おしっこがお湯で薄まっちゃう!」
「ばか! なんてこと……っ」
「やれ立て! それ立て! もったいないだろっ!」
貴重な幼なじみの美味しいおしっこが、お風呂のお湯で薄まってしまうことだった!