デートという言葉を聴いて、俺の首筋に一筋の汗が流れる。
いつも俺のそばにいて、明るく笑顔とおしっこを振り撒いてくれたマツリ。
そんな最高の幼なじみが遠くへ行ってしまう。
単なる推測にすぎないとは分かっていても、その感覚にどうしても脳みそがついて行かない。
と、俺が大人になってしまう幼なじみに思いを馳せて頭を悩ませていると。
……ぺろっ。
首筋を、なんだか暖かくて柔らかい、しっとりと濡れたなにかが触れた。
横を見ると、舌先をかわいらしくちろっと出したアキホがこっちを向いて目をキラキラとさせていた。
それから舌をしまってゴクッとなにかを飲み干すと、さっきと変わらない輝いた表情でこう言った。
「……ぷはぁっ。やっぱり先輩の汗は最高に美味しいですねっ」
「舐めるんじゃねえ味わうんじゃねえ感想言うんじゃねえ」
「……幻の花の蜜を吸ったチョウの気分ですっ」
「……だから感想を言うなと……」
その後も一滴一滴と滴る滴を舌で受け止めては幸せそうにするアキホを隣に感じつつ、俺は、そんなこともあるのかもなぁと一人納得していた。
前提として、マツリのおしっこは最高に美味い。それはもう一度口にしたらやめられず、どんな禁忌を犯しても手に入れたいと思うほどに。
……そんなマツリの極上のおしっこを独占し、飲み続けていた者がいたとしよう。
マツリのおしっこから成るといっても申し分ないそいつから出た汗は、マツリのおしっこの遺伝子を引き継いだ、言わば子どものようなもんだ。
そんなハイパー遺伝子を受け継いだ俺の汗が美味いのは必然なのかもしれない。
……なんて、考え事をしている間にマツリは大型のショッピングモールへと到着する。
女の子の生活を全く知らない俺には分からないが、最近の女子高生はこういった施設で遊ぶものなんだろう。
そう思って、他の二人に聴いてみたのだが。
「……千夏、まだ小学生だから知らない……」
「……私も家で一人で過ごすだけなので……」
役に立たなかった。
そうこうしている間に、マツリは雑貨屋へと足を運ぶ。そしてなにやら物色しているようだが、待ち合わせ相手への手土産かなにかだろうか。
「……先輩、やっぱりアレ、デートなんじゃ……ぺろっ」
「やい、いつまで汗舐めてんだ」
「……ぺろっ……いいじゃないですか、減るもんじゃないですし」
「変態は理論が謎で困るな」
「それお兄ちゃんがいうの……?」
常識人側から意見したらドン引きされてしまった。俺の普段の行いがどこか悪かったんだろうか。
兎にも角にもマツリの尾行を続けてみることにする。