幼なじみのおしっこが最高に美味い。   作:雨宮照

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プレゼント。

「いや、そうじゃなくてだな……えっと、順を追って説明させてくれ」

 

勘違いしたマツリが場の雰囲気をもぶっ壊して俺への不満をぶちまけて来そうだったので、切られそうになっていた堰と逸れかけていた話を元に戻す。

 

「まず、俺は二つお前に謝らないといけないことがある」

「……私のおしっこを盗もうと……!」

「……その話は置いといてくれよ……」

 

完全に堰を止めたと思っていたが、思っていたより水の勢いが強かったようだ。

溜まっている水の量が多いらしい。

おしっこだったら大歓迎だったのに。

話を逸らそうとするマツリを制して、俺は話を続ける。

 

「えーと、まず一つなんだが……マツリを疑ってしまったことを謝らせて欲しい」

「……え、私を? ……なんで?」

「実は……俺、マツリがショッピングモールに行った日、お前を尾行してたんだ」

「……はっ! なにそれ気持ち悪い!」

「いや尾行自体は割りとよくしてるぞ」

「なにそれ気持ち悪い詳しく」

 

またも詰め寄るマツリだったが、無視して話を続ける。なぜならこのままシリアスな雰囲気のうちに思ってることを言えないと、モヤモヤした胸の内をズルズルと引きずってしまいそうだったから。

……いや、それもあるけど失言したと思ったからですすいません。

 

「……でだな、そのときにお前が約束してた友達ってのと全然待ち合わせてる様子がなかったから、嘘をつかれたと思って……」

「……うぅ。そ、それは……」

「ああ。今はもう分かってるからいいんだ。マツリは……俺の、誕生日プレゼントを買いに行ってくれてたんだよな」

「……そ、それは……うん。そう」

「だけど、俺は問題の表面だけを見てマツリを嘘吐きだと思ってしまった。だから……疑っちゃって、すまなかった」

「…………」

 

二人の間に数秒間の沈黙が流れる。

しかしその沈黙も束の間。

斬り裂いたのはマツリだった。

 

「……謝らなくちゃなのは、私もおんなじだよ」

 

弱々しくて、それでいてどこか嬉しそうな声。そんな彼女の代名詞のような優しい声を耳にしていると、元に戻れるんだなぁって、こっちも幸せな気持ちになってくる。

 

「私も、トモヤが無理して笑ってるって気付いてたのに、無理してないって言われて、納得したフリしちゃった」

「……それは、俺を思ってくれてることの表れじゃないか」

「……トモヤだって、嫉妬してくれたんでしょ」

 

くすぐったい空気が流れる。

思春期の男女の、甘酸っぱいそれ。

長年幼なじみをやってきた俺たちだが、マツリとの間にこんな空気が漂ったのは初めてだ。

今まで幼なじみとしてお互いを意識しないようにしてたが、ここ数日会ってなかったことで何かが変わり始めた。

そんな予感がする。

 

「……えと、トモヤの謝りたいこと、もう一つって、なに?」

「……っ、それはだな……っ」

 

小っ恥ずかしい空気のまま、予め用意しておいたキザな台詞を吐くことに少し躊躇うが、二つあると言ってしまった手前仕方ない。

もう一つの謝罪を口にする。

 

「……俺から仲直りを言い出せなくて、すまなかった」

「…………そんなこと、いいんだよ……」

 

マツリがまた、優しい顔になる。

それから。

 

「そんなことより……早く、プレゼント開けて……?」

 

マツリが、俺のために買ってくれたプレゼントを早く開封しろと催促してくる。

そりゃそうか。

俺は、マツリがこのプレゼントにかける想いを知ってる。

なぜなら、マツリが雑貨屋でどれだけ商品をじっくり吟味してたか、見てたから。

……マツリ、真剣だったもんなぁ。

あんなに長い時間をかけて悩んでくれた誕生日プレゼントだ。

純粋に気になるし、俺はマツリの言葉通り早く開封することにした。

 

黄色の包装紙を剥いで、赤色のリボンを取って。すると表れる、今度は薄青色の包装紙を剥いで。

そして、だんだんとプレゼントの形がわかってきたあたりで、俺は察した。

……これって、もしかして……。

 

瞬間、隣の人影がガサッと音を立てて立ち上がる。

驚いて見上げると、そこにはーー。

 

スカートをたくしあげてパンツを膝下まで下ろしたマツリが、顔を沸騰させて立っていた。

……えろっ。

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