「.......っ! ごぼっ.......ごくん.......っ」
「.......ど、どうだ.......!」
しばらく目を白黒させて戸惑ってたマツリだったが、しばらくすると黙って俯いたまま、動かなくなってしまった。
あの素晴らしいおしっこの味を勧めたかったからとはいえ、さすがに悪いことをしたかと思って、恐る恐る声をかける。
「えっと……大丈夫……か?」
するとマツリは身体をわなわなと徐々に震わせ、突然飛び起きたと思ったら「な、なにするのよ……」なんて、小さく伏し目がちに抗議の声を上げる。
だがそこにアキホのときみたいな恍惚の表情はなく、自我は保てているようだ。
そんなマツリの様子を見ながら、内心落胆する。
(やっぱり、本人はあの伝説のおしっこの感動に打ち震えないのか……?)
しかし、今は残念がっている場合じゃない。
今日この時は、俺がここ数日で募らせた思いの丈をマツリに打ち明ける絶好のチャンスだ。
「……と、ところでさ」
と、俺はその思いを伝えるべく、拙いながらも誠実な言葉を紡いでいく。
おしゃれな言葉なんて必要ない、飾りなんて必要ない。……正直に気持ちを伝えることが大切だって、伝えたいって、思ったから。
「……俺、ここ数日マツリと距離を置いてて……マツリの存在が俺にとってどれだけ大きかったかを改めて思い知らされたような気がする」
「……っ、そ、それは私も……っ」
「……だ、だからさ、ええと……その……」
勇気を振り絞って、伝える。
「……な、なに」
「……俺と、デートしてくれ」
.......さぁ、どうだ。
俺の今世紀最大の告白。
これまで想ってきた幼なじみへの、初めての大告白。
その返答を、固唾を飲んで見守る。
.......告白なんて初めての経験だが、やっぱりこんなに緊張するもんなんだな.......。
誤魔化せない本当の気持ちをダイレクトに伝えるって、こんなに怖いのか。
なんて客観的に自分の心情を見つめ直しながら目の前の幼なじみを眺めていると、告白を受けたマツリは「えっ、ちょっと、えっ.......」なんて一通り動揺していつもとは違った朱に染まったあと。
「夏休みはずっと暇なんだからっ!」
なんて、あいつらしい誤魔化しかたで俺の誘いを受け入れた。
でも、そんな態度では満足しないのがこの俺トモヤのいいところ。
「.......そっか」
と優しい笑みで部屋を立ち去っておきながら、帰り際に「.......デート先で小便漏らすなよ」と、小さい声で皮肉を言って、ドアを静かに閉めて帰った。
.......ただし、すぐに追いつかれて頬がおしりみたいに腫れるほどビンタをされました。