東の海《イーストブルー》とある街。
ここでは沢山の人で賑わっている。
「さぁさぁ買った買った!今なら通常価格の5割で販売するよー!」
「食料に生活品なんでも揃ってるよー!」
誰もが自分の店の商売の売上を伸ばそうと活気になっていた。
「お!そこの白髪の兄ちゃん!リンゴ1つどうだい!?」
店員の声に振り向くとその青年の見た目は白色と言うには輝きが強くしかし銀色とは違う輝きの、ライオンのように逆立った髪で、赤眼の中性的な青年がいた。
「ひとつ頂きます!これから旅に出るので!」
「旅?もしかして船出でもするのかい!?」
その店員の言葉に青年は笑顔で
「はい!」
そう言いながらリンゴを1つ買って走り去って行った。
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「東の海も今日でおさらばかなあ…まずは仲間が欲しいなあ。剣士に、航海士は必要でしょ…それに料理人も!あ、船大工に音楽家もいいし、医者も大事だし…あ!狙撃手も…楽しみだなあ、この2年間ずっと鍛えていたからどれだけ自分の実力が通用するか、楽しみだ!」
少年は笑顔で3人程度は乗れそうな小さな小舟で旅に向かう。
すると海から大きな赤色の獰猛な魚が青年の前に現れる。
それを見た青年はニヤリと笑い、指の骨を鳴らす。
「2年間の地獄のような修行の成果見せてやる!」
そう言うと青年は小舟を踏み台にして飛ぶと10メートルはある魚を拳ひとつで殴りたおすのであった。
その光景を見て青年は自分の実力に驚きそして喜ぶ。
「や、やったー!これぐらい力があれば旅に出てもきっと大丈夫だ!…あ、でも海も克服したのに結局悪魔の実を食べてカナヅチになったんだっけ…」
そう言いながら青年はオールを漕いで旅に出るのであった。
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東の海 シェルズタウン
「………なに、これ?」
街の少女は砂浜にいた白髪の青年が倒れ込んでいるのを見て、不思議に思うのであった。
というのも、青年はあれだけ元気に船出をしたのは良いもののどこに行けばいいのか全くわからず、ただひたすらにグルグルと海を小舟で進んでいたわけなのだが、そこで運悪く、悪天候にあい、小舟が沈没してしまいこの街に流れ着いたのであった。
「海兵さーん!ここに人が倒れていまーす!」
「なに!?本当か!!私が行こう!」
少女の声に元気よく走りながら声の元まで来る。
そして海兵は青年を背負うと、海軍の駐屯地まで走り去っていくのであった。
「死ぬなよー!少年ー!!」
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「……中佐!頼みますよ本当に…」
「……ている!私に全て……っ!」
青年は大きな声のやりとりに目を覚ます。
「……んっ、ここは…」
青年の声に反応した1人の海兵は声を掛ける。
「おお!起きたか少年!君は一体どこから来たんだ!」
「え、あっ…えっ?」
「中佐!さっき目覚めた人にゼロ距離で質問はよろしくないです!」
「むっ、そうか?」
そばにいた女海兵に男はなるほど…と感心する。
そして青年の様子を確かめた後女海兵は青年に質問する。
「きみ、体は悪くない?名前とか分かる?」
「あ、はい…僕の名前はイース・D・ホワイト…です。……って海兵ー!?」
青年、ホワイトはその現実に驚き、辺りを見渡す。
周りにいるのは1人の男海兵と、1人の女海兵の2人。
これはやばい。
出航してわずかという時間で海兵に遭遇するという不運。
ホワイトは冷や汗が止まらなかった。
「海兵だと何か問題でも…もしかして君…」
女海兵はじっとホワイトを見つめると、それに被るように男海兵が
「私の名前はサウス・ブラックだ!一応海軍の中佐だ!気軽にブラ中佐と呼んで…」
「その略称いつもやめてくださいと言ってるでしょ!」
女海兵の回し蹴りが男海兵、ブラックの後頭部を直撃する。
その光景を見たホワイトは唖然とする。
なんだか色々とやばい人達に捕まった…ホワイトは思った。
「コホン…失礼しました。改めましてこちらの倒れてる男海兵」
「え、貴女が蹴っ」
「た・お・れ・て・る」
「……」
「男海兵が私の上司でもあるサウス中佐です。そして私はランドルフ・リリカ大尉です。よろしくお願いします」
「は、はあ…」
ホワイトはブラックと名乗る海軍の大佐とリリカと名乗る大尉を見る。
ホワイトは考えていた。
これはダメだ…すごく幸先が悪いと。
というのも、ホワイトはまだ航海して1週間も経っていないのにも関わらず、海軍のしかも大佐クラスの人間達に出会うのだから。
「(うーん、これはきっと知らぬ存ぜぬでいった方がいいよね…)…あ、あの!海軍の、偉い人?の貴方達がなぜここに?いるんですか?」
「………嘘は良くないぞ少年」
「え」
ホワイトはブラックの言葉にぎょっとする。
自分の言葉の嘘が一瞬で見抜かれたことに…
「あー、ホワイトくん?だよね。この人に嘘偽りは通じないの。まあ色々と理由はあるんだけど…なによりどーして嘘なんかついたの?」
「…じ、実は僕、海賊になろうとして…」
「海賊!?」
ホワイトの言葉にリリカはつい大声を出す。
その後自分の行為が恥ずかしがったのか、咳払いをして話題を戻す。
「な、なんで海賊…なんかに?」
「なんかじゃないです!僕は、僕はあの人のように…白ひげの様に強くありたくて!」
「強く…か。少年、お前…」
殴られる!
そう思ったホワイトは咄嗟に体を守ろうと飛び上がろうとするとブラックはホワイトの肩を叩くと…
「なっははははは!良いじゃないか!強さを求める!理由は人それぞれだよな!」
「……え?」
「いやいや大佐!この子海賊になろうとしてるんですよ!?止めないと!」
「ふむ何故だ?」
リリカの言葉にブラックは頭をかしげる。
ホワイトもその光景を見て唖然とする。
それもそのはず、この大海賊時代…ましてや頂上戦争から2年、海賊達の凶行は未だ止むことがなく、むしろ白ひげという抑止力が無くなり悪化した所もあるこの時代。
その時代で海賊の芽がまた増えるという事態を海軍が見逃すというのだから。
「貴方という人は…今の言葉知りませんよ?」
「心配するな。もしもの時は私がその芽を摘む。それでいいだろう?」
「っ!勝手にしてください!」
そう言うとリリカはドアをガチャンッと勢いよく閉めて出ていくのであった。
「……あの、ブラックさんはなんで止めないんですか?」
「ん?あー、私は別に海賊反対!って言う程でもないんだ。というのも、私もあの頂上戦争の時にいてね…」
「ほんとですか!?」
頂上戦争の言葉に飛びつくホワイト。
それはまるで子供のように目を輝かせながらブラックの話を聞く。
「そうだ。かくいう私も2年前までは海賊は悪!と決めつけていた…」
「そ、そうなんですか…」
「ああ、しかしとある海賊を見てそして同期でもあった1人の海兵の行動を見て、正義とは何か。悪とは何か分からなくなってしまってね」
「海賊?…海兵?」
「ああ、海賊の名はモンキー・D・ルフィ。知ってるだろ?頂上戦争でそれはもうあの戦争を引っ掻き回した1人さ」
「は、はい名前ぐらいは」
「彼は兄であるポートガス・D・エースを助ける為に必死で戦い、兄の死を見るとそれはもう泣いていた。私はその光景を見て海賊は家族の為に涙を流す。私たちと同じ、人間なんだと思った」
「それは…そうですね…」
ホワイトは家族という言葉に少し俯く。
それでも尚ブラックは話を続ける。
「私は海賊は悪!許されない存在!そう思い行動していたが、目的を果たしてそれでも尚海賊を根絶やしにという当時大将だった赤犬元帥の言葉に疑問を持ってしまった。しかしそれでも上の命令は絶対だと行動はとめなかった」
「それで、どうなったんですか?」
「ああ、この後にでてきたのが私の同期で友人のコビーさ」
「コビー?」
ホワイトはブラックの言葉に首を傾げる。
「ああ、今は大佐でね、彼の言葉に私は自分が恥ずかしくなった。目的を果たしたのに欲をかいて海賊という悪を根絶やしにするために死んでいく海兵はまるで馬鹿じゃないか?と戦争の中大将の赤犬さんにだよ?笑えるだろ?」
ブラックはそう言うと椅子から立つと歩きながらドアの方に向かう。
「私はそれを見て正義とは何か?そして自分の強さを見失わないためにどうすればいいかを考え今に至るという訳だ。だから私は強さを求めるという君の言葉を信じる」
そう言うとブラックはドアを閉め、どこかへと行くのであった。
「強さ…か」
ぎゅっとベッドの毛布を握りしめながら1人つぶやくホワイトであった。
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夜。住民達が寝静まった頃。
周りには人がいない中足音が1つ、2つ、3つ。
どんどんと増えていく。
そして100人は上陸したであろう男達は雄叫びを上げる。
『うおおおおおおおっ!!』
大きな声に住民達は目を覚ますと、そこには武器を持った男達が街を荒らそうとしていた。
「お前ら!街の食料!そして金!女はとったもん勝ちだ!奪え奪え!!」
「ひゃっはー!」
汚い笑いと共に男達は街に火をつける。
「ぐわぁぁあ!」
「や、やめて!」
「ママー!!」
沢山の家が燃え、海賊達は残虐の限りをつくす。
「貴様ら!何をしている!」
ブラックは海兵達を連れ街を救う為海賊達と戦う。
「貴様は…懸賞金1億2000万ベリーの紫牛《しぎゅう》のザガン!か!」
「おやおや、これはこれは海軍本部大佐のサウス・ブラック大佐じゃないですか〜。てめえみてえなやつに覚えてもらうとは有名になったもんだな!」
そう言うとザガンは人獣型の5メートル程度の大きさの紫色の牛人間になる。
「知ってるだろ?俺の能力は力!圧倒的な全てを壊す力だ!」
ザガンは右手に持っていた大斧でブラックを切ろうと薙ぎ払う。
ブラックはそれを剃で避けると空中を蹴りザガンの元へ移動する。
「はああああああ!!」
「ちっ!」
ザガンに目掛けて殴るがそれを間一髪でかわす。
地面には半径2メートル程度の小さなクレーターが出来る。
「ガッハッハッ!その程度か!?海軍の大佐はよお!」
「舐めるな。今のはほんの小手調べだ…」
ザガンとブラックは周りの異変に気づく。
そう、先程までは騒がしかったザガンの仲間達がいないのだ。
「ど、どうなってやがる!?貴様!何かしたのか!?」
「私は何も…!!」
ブラックは目の前の光景に目を見開く。
火の海になりかけていた街が元通りに、そしてその元通りになっていく中心には1人の白髪の男がいた。
「ホワイト…くん?」
ブラックの視線ににザガンも振り向くとそこにはホワイトが地面に手を当てて彼を中心に燃えていた家が直っていく。
そして燃えていた火だけが彼の頭上に上がっていく。
「き、貴様!何をしている!?」
「僕の名前はイース・D・ホワイト。海賊王になる人です。そして僕は今貴方の仲間を倒し、街を直したところです」
街が元通りになると頭上にあった大きな火の玉をザガンに向ける。
「き、貴様何をするつもりだ!?」
「ブラックさん、避けてください」
「わかった!」
そう言うとブラックは空中に飛ぶ。
そしてそれを確認したホワイトはザガンに向けて火の玉を放つ。
「リバースアタック」
燃え盛る豪炎がザガンを襲う。
「ぐわぁぁぁぁあ!!!??」
炎とともにザガンは砂浜まで飛ばされる。
「こ、小僧おおおおお」
砂浜までホワイトは移動するとザガンを見下ろす。
ザガンは持っていた右手の斧でホワイトを薙ぎ払う。
「死ねぇぇぇぇ!!」
しかし、ザガンの斧を左手で受け止める。
それを見たザガンは絶句する。
「な!?き、貴様は化け物か!?」
「化け物でもなんでも構いませんが、貴方はここから出ていってください!」
左手で受け止めていた斧が別の物へと"作り替えられる"と左手の斧は鉄の塊と木材だけになってしまう。
「な、俺の斧が!?」
「吹き飛べ!砂の反逆《サンドリベリオン》!!」
「ぐ、ぐわああああああああ!!!?」
砂の竜巻がホワイトの右手から発せられるのであった。
「噂には聞いていたが、まさか本当に実在していたのか…触れたものを自在に作り替える悪魔の実…メクメクの実が…」
ブラックはその光景を見て1人驚きを隠せないのであった。
■■■■
「本当に行くのかい?少年」
戦いの後ブラックが手配してくれた小さな小舟でホワイトと2人話していた。
「はい、 僕は海賊ですから!」
「ふっ、そうか…」
ホワイトは笑顔で返すとブラックは満足そうに後ろを振り返る。
「いつかまた、出会うかもしれないな。ホワイト」
「(名前!)はい!ブラックさん!」
「でもわかっているとは思うが次会うときは、」
「分かってます。次会うときは」
「 「敵同士(だ)(です)!!」」
そう言うと2人はお互いの道を歩き向かうのであった。
そしてこの2人がいずれまた出会う時、大きな戦いと共に互いの思いをぶつけ戦うことになるのだがそれはまだ先の話。
ここにまた1人、立派な海賊が生まれる。
その男は、ライオンのように逆立った白髪に両の目が赤く、その細い体からは考えられないような強靭な力を持ち、そして女性のような顔立ちをした1人の男の名は。
イース・D・ホワイト。
これはモンキー・D・ルフィではない男の物語。
初めまして!
ワンピース作品が書きたくてついに手を出してしまいました…
注意事項みたいな感じになるんですが作者はワンピースの漫画を一切持っていません…
なので完全にアニメなどの知識で頑張って書いていきたいと思います!