絶望していた響にフォーゼの主人公みたいな熱い人物が助けてくれたらどうなるのかと思い筆を取りました。
では、どうぞ。
少女は再会する、自身を絶望から救ってくれた青年に。
青年は再会する、自身が助けてあげた少女に。
――響視点――
――二年前――
「テメーら、たった一人の女の子になにしてやがんだ!」
当時、世の中に絶望していた私を偶然通りすがった男子高校生が助けてくれた。
「お前らまとめてタイマンはらせてもらうぜ!」
そう言った後、彼はたった一人で私を囲っていた複数の人達に大立ち回りを繰り広げ、顔を痣だらけになりながらも私を絶望から救ってくれた。
「よう、大丈夫か?」
「大丈夫って、……どうして私を助けてくれたのですか?」
私はどうして助けてくれたのか彼に質問すると彼は――
「なんでって……困っていたら、助けてやるのは当たり前だろ?なに言っているんだ?」
それがどうしたとその人は笑いながら答えてくれた。
その後、家に送ってくれている間に自己紹介をした私は、どうして街の人達に虐げられている理由を彼―如月 弦太郎さん―に伝えると弦太郎さんは――
「おかしいだろそれ!?お前は頑張ってノイズから生き延びただけなのに、それなのに生きる事が悪いなんて間違っているだろっ!」
――と、私の両肩を掴んで正面を向くようにすると悲しそうな表情で怒った後、涙を流してくれた。
「辛かったよなぁ……!悲しかったよなぁ……!ごめんなっ!お前がこんな目にあっているのに俺は今日まで知らずに呑気に過ごして本当にごめんなぁっ!」
弦太郎さんの言葉を聞いた私は今まで我慢していた感情が一気に溢れでて、弦太郎さんの胸に顔を
「っ!?うぐ、うあぁァァァァァっ!辛かったよぉ!悲しかったよぉっ!こんな目に会うのなら死んじゃえばよかったと思ってた!でも…それでも……!」
――『生きるのを諦めるな!』――
「それでも……生きるのを、諦めるなって言ってくれたから生きようと頑張ったんだ!だから、助けてくれてありがとう……うぅぅぁぁぁ!」
「ああ、わかった。お前はよく頑張った!だから今は好きなだけ泣け!お前が泣き止むまで俺は側にいてやるからな!」
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しばらくして泣き止んだ私は、弦太郎さんの赤いシャツが私の涙と鼻水で汚れてしまい申し訳なくなり謝ったけど、弦太郎さんは「気にするな、涙は心の洗濯だ。たっぷり泣いたお前の心は真っ白になっているぜ」と気にする事もなく笑顔で答えてくれた。
それから弦太郎さんは私がリディアン音楽院に入学する為にこの街を出るまで、できる限り私の側にいてくれた。
ある時は弦太郎さんの友達の人達を紹介してもらって未来と一緒に楽しく過ごした。
またある時は、弦太郎さんの友達が作ったフードロイドと呼ばれるロボットを見せてくれたり、またある時は弦太郎さんのバイクに乗せてもらって夕焼けの海を見に行ったりと楽しい思い出をくれた。
そして、生まれ育った街を離れる際に私は「また会えますか?」と質問すると弦太郎さんは「安心しろ響!例えどんなに離れていようが、俺とお前には固い絆で繋がっているぜ!だから俺達はまた会えるさ!」と右手で左胸を二回叩いてから右腕を前に伸ばした後ニカッと笑顔を見せてくれた。
それに釣られて私も思わず笑顔になってしまうけど、不思議と悪い気はしなくて、むしろ心地いい気分になった。
そして、私がリディアン音楽院に入学して一ヶ月近く経ったある日弦太郎さんと再会した。
ノイズが現れた最悪の状況の中で……。
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学校の帰りにノイズに遭遇した私は母親とはぐれた女の子を連れて逃げ続けている内に工場区域に入り込み、その最中に不思議な鎧を纏って困惑していると視界の端に見覚えのある白いバイクが私の前に現れ、乗っていた人はヘルメットを取ると……。
「弦太郎……さん?」
「おう!大丈夫か響?その格好カッコいいな!」
現れたのは二年前私を助けてくれた恩人、如月 弦太郎さんがあの時と変わらない笑顔を向けてくれた。
「もう大丈夫だ、後は俺に任せろ」
「えっ!?駄目ですよ!生身でノイズに触れたら死んじゃいますよ!」
「へ、心配すんな」
弦太郎さんはそう言うとどこから出したのか4つのスイッチと赤い4つのレバーが付いた蒼い色をした大きな箱みたいなのを取り出すと、それを自身のお腹に当てると銀色の帯が伸びて弦太郎さんですお腹を一周すると蒼い箱に繋がるとベルトに変わった。
弦太郎さんはまず左手で右側の2つの赤いレバーを下ろして、次に右手で左側の2つの赤いレバーを下ろした後右手をベルトの右側に付いてある黒いレバーを掴み左腕を顔の前に翳すとベルトから機械的な音声によるカウントダウンが聞こえてきた。
―3!―
―2!―
―1!―
「変身!」
その言葉の後、弦太郎さんはレバーを引いて右腕を上に上げると彼の頭上から二本の輪っかが現れ、そこから光が照射され、弦太郎さんの身体が光に包まれた。
「シャアッ!」
光が収まると弦太郎さんの姿が大きく変わっていた!
「宇宙………キターーーーーッ!!!」
弦太郎さんは身体をちぢこませた後、両手両足を大きく伸ばして、大声で本当に宇宙まで届きそうな声で叫びました。
叫び終わった後、弦太郎さんは右手で左胸を叩いてから右腕をノイズ達に向けて聞き慣れたあの言葉を口にした。
「仮面ライダーフォーゼ!タイマン、はらせてもらうぜ!」
――響視点、終了――
またまた新作です。クロトダンです。
一話目から駆け出し気味ですが、いかがでしょうか?
そして、前半の響の気持ちに思わず泣いてしまいました。
それで、何故シンフォギアに仮面ライダーフォーゼを選んだというと……
シンフォギアGを視聴して過去の響に、未来以外に一人位は助けてくれる人はいなかったのかと何度も考えた時、ちょうどテレビ台に置いていた仮面ライダーフォーゼの映画のDVDが目に入り、フォーゼの主人公のような熱い人間がいたら響は救われたのではないかと頭によぎり、この作品が生まれました。
次の投稿はまだ未定ですが、完結目指して頑張ります。