今回はちょっとギャグに走ってみました。
タカユキ2199さん誤字報告ありがとうございます!
タイトルの意味はそのままです。
青年は背中を押す、片翼の少女が夢を再び掴む為に……。
片翼の少女は答えを得る、自分の事を思ってくれた仲間達のおかげで……。
――三人称視点――
――弦太郎達が通う大学――
クリスが再び目の前から去り、響と未来の絆が元に戻った日から翌日の夕方。大学にある使われてない教室で弦太郎、賢吾、ユウキの三人が集まって話していた。
「それじゃ未来ちゃん仲直り出来たんだ!あの二人が喧嘩してるのなんて悲しかったけど、仲直りできて本当によかった~~」
「しかし、ノイズの他にまたダスタードがいたなんてな……。そのフィーネという女、財団Xと繋がりがあるのか?」
弦太郎から二人の仲が元に戻ったと聞いたユウキが安心したのか大きなため息を吐き、その隣で賢吾が顎に手を当てフィーネが彼らと因縁がある財団Xと関わりがあるのか考えていた。
【財団X】
それは彼ら仮面ライダー達と何度も対立した闇の組織。表向きは科学研究財団の看板を掲げ、知名度も高いがその実態は強力な兵士を手にするために様々な悪の組織や個人に援助を行う死の商人。
彼らは援助をする見返りに″協力者からその研究成果を吸い上げ″、組織の戦力に加えている。
しかも組織が持つ無尽蔵の資金と世界中に張り巡らした巨大なネットワークを駆使して、最終的に壮大な計画を成し遂げようとしているらしい。仮面ライダーWを初めとした仮面ライダー達が財団の野望を何度も阻止し続けてきたが、その巨大な組織力で何度も仮面ライダー達の前に現れた。
だが、二年前に起きた【レム・カンナギ】の反乱よって有力な幹部数名が殺害され、そしてカンナギの野望に気付いたフォーゼと仮面ライダーオーズ、そして未来からきた仮面ライダーアクアと栄光の七人ライダー達の活躍によりカンナギの野望を阻止し、酷い痛手を負った財団は活動を縮小、しばらく表舞台から姿を消していた。
だが、前回と昨日の現場でフィーネと名乗る女がホロスコープスの駒であるダスタードを使役したのを弦太郎から聞いた賢吾は今回の事件に再び財団Xが関わっているではないかと警戒していた。
「財団の目的がわからないがもし本当に奴らが関わっているとしたら厄介だな。弦太郎この事は風鳴司令には?」
「ああ、もう伝えた。弦十郎さんも警戒してるみたいだけど、あいつらの神出鬼没ぶりは厄介だからな……。弦十郎さんはできる限り調べてみるって言ってたぜ」
「そうか、今の所は二課の情報収集力に期待するしかないな。俺達も出来る限り警戒しておこう」
「おう!……ん、響?」
賢吾の慎重な意見を聞いた弦太郎は力強く返事をした直後、彼の胸ポケットに入れてあるNSマグフォンから着信音に気付き、画面を見ると妹分の名前が書かれてあった。
「おう、どうした響?何かあったのか?」
『あ、弦太郎さん!次の日曜日空いてますか?』
「日曜?ああ、一応空いてるけど……それがどうした?」
『その日、私達とデートしましょう!』
妹分の突然の提案を聞いた弦太郎は驚きのあまり大きな声をあげてしまったのは言うまでもない。
◇◇◇
――日曜日、都内の公園――
「ほ、ほ、本物の風鳴 翼さんだぁ!」
「ユウキ、声がデカイ!」
「あわわ、ゴメンね。でも、あの有名な翼さんが目の前にいるなんて夢じゃないかなっ!?」
「あはは……夢じゃないですから安心してください」
弦太郎達が響から指定された公園に到着するとユウキが先に到着していた翼の姿を見て感激のあまり大きな声をあげてしまい、それを賢吾が注意すると慌てて声を押抑えて謝罪してもう一度翼の姿を見て夢じゃないかと自分の頬を引っ張っていた。
翼の事を知っている弦太郎と賢吾を除いて美羽、隼、JK、友子もユウキほどではないが有名なトップアーティストである彼女が自分達の前にいる事に驚いていた。
数日前、あの後混乱してる弦太郎からNSマグフォンを取って電話を代わった賢吾が同じく説明を省いた親友から電話を代わった未来に詳しい話を聞いた。
内容は響、未来、そして怪我から完全に復帰した翼と一緒に買い物しようとのお誘いの電話だった。その内容をユウキと混乱から落ち着いた弦太郎に伝えるとそれを聞いたユウキがどうせなら他の四人も一緒にいかないかと提案、それを未来が翼に聞いてみると本人から大丈夫だと返事をもらうとユウキは直ぐに四人のスマフォにメールを送ると四人共に肯定の返事が着て、一緒に買い物にいくことになったのだ。
ユウキが落ち着いてから改めて弦太郎と賢吾を除いたメンバーが翼と自己紹介を終えて、待ち合わせの時間になっても未だ来ない二人の少女を待っていた。
「来ないな」
「また響が寝坊したかもね」
「高校生になっても相変わらずッスねー」
「あの、立花が遅刻するのは前からですか?」
隼が未だ来ない二人について発言すると美羽が響が寝坊したのではないかと言うと両手を頭に回したJKが笑いながら喋っていると翼が響について質問した。
「うん、そうだよ。元気になって遊びに行く時は何度もあったしねー。よくみんなで迎えにいってたなー」
「ま、それを言ったら弦太郎も負けてはなかったがな」
「もしかしたら弦太郎さんの遅刻癖が移ったかもしれないッスね」
「うん、確かにそうかも」
「そうそう……って、おい!それはどういう意味だよ!」
弦太郎のノリツッコミするとみんなは笑みを浮かべ笑い合い、そんなみんなの笑い声に釣られて翼も思わず笑っていると公園の入り口から響と未来がようやく到着し、美羽の推測通り響が寝坊した事謝罪した後、一行は目的地に向かっていった。
――複合商業施設――
目的地である商業施設に到着した一行はまず生活雑貨店に向かい小物を買ったり、次にぬいぐるみが売っている店に向かうとはやぶさ君のぬいぐるみを見つけたユウキが暴走したり、服屋さんに向かえば美羽が提案したファッション大会が始まり、男性陣は女性陣が購入した荷物持ちになっていた。
ゲームコーナーのUFOキャッチャーで響が奇声を放ち景品を取ろうしたが失敗しUFOキャッチャーを壊そうとしたり、未来の提案でカラオケ屋に移動しそこで翼の生歌が披露され、一同は盛り上がり楽しい時間を過ごしていた。
◇◇◇
「どう?隼」
「駄目だ。入り口より数が少ないが何人かいるな」
美羽に問われた隼がカラオケ屋の裏口の扉の隙間から外の様子を伺うと店の裏口に数人の男達が裏口の扉が開くのを伺っていた。
「まさか、商業施設から付けられていたなんて……」
「それにSNSでこの場所に入ったのを見たって投稿がどんどん拡散されてる」
賢吾が店内の通路の片隅に転がって気絶している男を見て頭を抱え、友子がタブレットからSNSに投稿された内容を見て顔をしかめていた。
事の発端は商業施設からカラオケ店に向かう最中に翼の熱烈なファンが変装していた彼女の姿をみて翼だと見抜き跡を追いかけ、カラオケ店で翼がトイレに行った帰りに男が現れ翼に迫ろうとしたが、騒ぎに気付いた隼と弦太郎が男を取り押さえ気絶させて、急いで店を出ようとしたが他にも目撃した人物がSNSに投稿した内容をみた人達が入り口に集まっていた。
外の人達の様子のおかしさに気付き、店員に入り口を締めるよう指示をしたカラオケ店の店長に謝罪と事情を説明するとそれを聞いた店長の計らいに気絶させた男を任せ一同は裏口に行ったがそこにも数人の人が裏口を陣取っていた。
「すみません私のせいで……」
「いや、君のせいではない。気にするな」
「そうですよ!翼さんは悪くありません!」
「それにバレないと思ってたこっちが油断してたから、貴女に責はないわ」
「ですが……」
「安心なさい。私達に任せて。もしかすると思って用意してよかったわ、隼」
「ああ」
気にやむ翼に美羽がウインクをすると隼に目配せすると彼が背負っていたリュックを床に置き中身を皆に見せるように開くと、それを見た弦太郎達は驚きの声をあげる。
「天高の元クイーンの
皆の驚く顔をみた美羽はリュックからあるものを取り出して、ニヤリと悪い笑みを浮かべた。
◇◇◇
「本当なのか?ここを張ってれば風鳴 翼が現れるのか?」
「間違いねーよ、入り口があんなに人がいれば裏口から逃げるに決まってる」
カラオケ店の裏口に続く路地裏の前で三人の男が話し合っていた。彼らもSNSの投稿をみて翼を一目見ようとやって来たが、入り口には大勢の人達が集まっていて諦めようとしたが三人の内一人が裏口に回って待ち伏せしようと提案し、他の二人もそれに乗り入り口に集まる人達に気付かれない内にこうして待ち伏せしていた。
「あー、もし翼さんと会ったらサインとか貰えないかなー」
「オレは握手して一緒に写真を撮りたいな。あわよくば連絡先を交換出来たらいいけど……」
「おいおい、何羨ましい事言ってんだよ。ここを教えた俺にも教えろよ?」
「ああ、わかってるよ」
男達はニヤニヤとゲスな笑みを浮かべながら、今か今かと裏口の扉が開くのを待っているとゆっくりと扉が開くのが目に入った。それを見た一人の男が他の二人に声をかけて、裏口の扉から翼が出てくるのを待っているとそこには……。
「「「…………はっ?」」」
「お、俺は……」
男達は目の前にいる女装した隼を見て思考が停止する。そんな男達をよそに顔を俯かせていた隼は覚悟を決めたのか、顔を上げると血涙を流して叫びながら男達に向かって行った。
「俺は……風鳴 翼だぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
「「「ギャアァァァァァァァッ!!!???化物ぉぉぉぉぉっ!!!???!?」」」
自分達に迫ってくる隼に恐怖を感じた男達は悲鳴を上げながら、路地裏から飛び出して逃げて行った。
大げさかと思うが想像してみてくれ。君の目の前にフルメイクでトップアーティストの女装をした大男が血涙を流しながら迫ってきたら、平然としていられると思うか?
「プックク……み、見事な名演技だったわよ隼。あ、あなたをメイクして上げたかいがあったわ……くくっ」
男達を追い払った隼の後ろから髪型以外隼と同じ格好をした美羽が笑いを堪えつつ隼の背中を叩きながら、労いの言葉をかける。
「フ……そうか、君が喜んでくれるなら身体を張ったかいがあったさ……」
と、かっこいい言葉を口にする隼だったが、それと引き替えに大事なものが失ったを感じていた。御愁傷様としか言えない……。
「さあ、あんた達も早く出てきなさい。作戦はまだ始まったばかりよ?」
何とか笑いが治まると美羽は扉の中にいる残りのメンバーに声をかけると扉から隼と同じ格好をした賢吾、ユウキ、JK、友子が現れた。
「何で、俺がこんな格好を……」
「ま、まあまあ賢吾君。ここは翼さんの為だと思って!それに似合ってるよその格好」
「ユウキ、それを言われても素直に喜べないぞ……」
翼と同じ格好をした賢吾が頭を抑えて文句を言うと同じく変装したユウキがずれたフォローをして、更に気が滅入ってしまう賢吾。
「いやいや、これはないっショ。誰得ッスかこれ?」
「……これ、流星さんに見せたら驚くかな?」
こちらも同じく翼の格好をしたJKが服の上着を摘まみ苦笑いになる。友子は自前の手鏡で自分の姿を見て、留学している思い人である流星の事を呟いていた。
そんな美羽の手腕を間近で見た響と未来はその腕前に感嘆の声をあげていた。
「美羽さん凄い……あっという間に賢吾さん達をメイクするなんて……」
「うん、それにあの時買った大量の服はこれの為だったんだ……」
そう、これが美羽が提案した秘策。リュックの中には商業施設で購入した大量の女性用の衣服と翼と同じ髪型の青いウィッグが入っていており、それを弦太郎と響、未来を除いたライダー部のメンバーを変装させた陽動作戦だ。
「すみません皆さん。私の為に辛い役目を押し付けてしまって……」
「何言ってるのよ?」
「あいったぁ……っ!」
「このくらい別に大したことないわよ。ねぇみんな?」
翼が賢吾達に謝罪するとそれを見た美羽は翼の額をデコピンして、腰な手を当て自身たっぷりに言うと賢吾達に声をかける。
「ま、確かにゾディアーツと比べたらそこまで危険ではないしな」
「まぁ、これくらいが俺ららしいですしね」
「ダイザーの操縦より簡単だしな」
「だから気にしないでください」
「誰も翼さんの事を迷惑に思ってないですから!」
「皆さん、ありがとうございます……!」
賢吾達の言葉を聞いた翼は感極まって涙をこらえると頭を下げて、心からの感謝の言葉を口にした。それを見た美羽は頷いた後、弦太郎に声をかける。
「よろしい。それと……弦太郎。あなたはしっかりとあの娘達を護ってあげるのよ?彼女達に傷なんか付けたら承知しないわよ?」
「ああ!任せろ!翼達は俺は護ってやる!」
「言ったわね?それじゃ終わったらあの公園に待ち合わせね。みんな、手筈通りにいくわよ!」
「「「「はい!(ああ!)」」」」
ウィッグを被った美羽が合図すると六人は二人一組になって一斉に路地裏から飛び出し、出来る限り追っかけ達を惹き付けながら走り出した。
それに遅れて弦太郎は路地裏から顔を出して誰もいない事を確認して翼、響、未来を連れて人目を避けながら目的地である公園に向かって走り出した。
◇◇◇
「ふぅ……ここまでくればもう安心だな」
「はぁ……はぁ……はぁ……、こんなに走って、ノイズと戦った時より疲れるなんて……」
「うひぃぃ……こんなに走ったの久しぶりだよ~」
「私なんてノイズに追いかけられた時くらいに疲れたよぉ……」
夕暮れに照らされた空の下。街を一望できる高台の公園に到着した弦太郎は汗を拭い、翼達は乱れた息を整えながらベンチに座り込んでいた。
「むぅぅぅ~~同じくらい走ったのになんで弦太郎さんは疲れてないの?」
「ん?なんでって言われてもなぁ……まあ、走るより戦うほうが体力使うからなー。気付いたら自然とこうなったし、要するに慣れってやつだな、うん」
「もう、答えになってなーい!」
弦太郎の答えに響がムキーッ!と抗議するとそれを見た翼は堪えきれず吹き出してしまい、それを見た三人も釣られて笑い出した。
「あはははっ……ふぅ。でもこんなに清々しいのは久しぶり。防人であるこの身は常に戦場にありましたから、こんなに楽しかったのは初めてだ……」
「翼さん……」
翼の憂いを帯びた横顔を見た響はベンチから立ち上がると翼の手を取った。
「翼さん!ちょっと着いてきてください!」
「えっ?立花どこに連れていくんだっ?」
「いいからいいから!」
戸惑う翼に笑顔を向けて目的の場所に向かい、その後を弦太郎と未来が着いていく。
「着きました!見てください翼さん!」
「何をって、これは……!」
階段を登って響が案内したのは街を一望できる場所だった。響は指を指して街の景色に驚いている翼に説明する。
最初に待ち合わせした公園。みんなで買い物をして遊んだ商業施設。先ほどまで歌っていたカラオケ店に指を指した響は笑顔で翼が戦ってくれたから、今を生きる人達が暮らせる世界を護っているんだと伝えていく。
「だから、知らないなんて言わないでください」
響の言葉に続くように歩いてきた弦太郎が翼の隣に立つと翼に自身の想いを伝える。
「そうだぜ翼、お前がしたことは間違ってないんだ。お前は一人で背負いこんで戦った。でもな、お前はもう一人じゃない。俺達がいる。だから、お前は自分でやりたい事をやればいいんだ」
「あぁ……そうか、これが奏が見てきた世界なんだ……」
二人の言葉を聞いた翼は顔を俯かせてると、かつて奏が話してくれた言葉の意味を理解すると、顔をあげ心からの笑みを二人に向ける。
翼の晴れやかな笑みを見た二人はそれに釣られて笑みを浮かべると展望台に繋がる階段から囮を買って出た賢吾達が無事に姿を現した。
それを見た弦太郎は響達を連れて賢吾達と合流しようと駆けていった。
――三人称視点、終了――
ヌオおぉぉぉぉ~疲れた~。どうもクロトダンです。
シンフォギアの映像を観ながら書いているんですが、他の作品と被ってないか不安になります。
そして賢吾達の女装回。隼の女装した姿を想像しながら楽しんで書きました(笑)
次回は青春磁力が登場します。
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