友情絶唱 宇宙、キターーーーーッ!!!   作:クロトダン

6 / 16
おおぉぉぉぉ待たせしましたぁぁぁぁーーっ!(←背中にロケットを背負って大気圏を離脱中)



少女は強くなる、自身が護りたいものが傷つけない為に。

青年は思い出す、かつての自分が抱いていた思いを。




6:撃、槍、修、行!

――三人称視点――

 

 

――二課直轄の医療施設――

 

 

 完全聖遺物ネフシュタンの鎧を纏った少女との戦闘から数時間後、響達は絶唱を唄い重症を負った翼が運ばれた私立リディアン音楽院高等科に隣接する表向きは総合病院の体裁をもつ二課直轄の医療施設にいた。

 

 本来の歴史なら翼は一命を取り留めまだ予断の許されない状態になる筈だが、倒れた直後の翼にフォーゼが出した【アストロスイッチ24:メディカルスイッチ】によるコズミックエネルギーが凝縮した傷薬によって回復したが、絶唱の影響かメディカルスイッチでも完全には回復する事が出来なかったが、なんとか重症から遠ざける状態までに回復し手術は無事に成功。

 後は本人の意識が回復するのを待つのみですと手術した医者から聞いたいつもの赤いシャツから白いスーツに身に纏った風鳴 弦十郎は医者に頭を下げた後、背後に控えた部下を引き連れ行方を眩ませたネフシュタンの鎧の捜索をしにこの場を跡にした。

 

 弦十郎達が去って行く中、手術室に繋がる通路の脇にあるベンチに座っていた立花 響は顔を俯かせて悲しい表情を浮かべていた。

 

「響……」

 

「お二人が気に病む必要はありませんよ」

 

 彼女の隣に座っていた弦太郎はなんて声をかけるか迷っていると小川 慎二が二人に声をかけながらベンチの側にある自販機からコーヒーを購入した後、空いている椅子に座った。

 

「翼さんが自ら意思で唄ったのですから……」

 

「小川さん……」

 

「(コク……)ご存知と思いますが以前翼さんはアーティストユニットを組んでいました」

 

 コーヒーを一口飲んだ後、小川は二人に翼の過去を話し出した。

 二年前かつて彼女が組んでいたアーティストユニット【ツヴァイウィング】の初ライヴの出来事や絶唱を唄い命を燃やし尽くした翼の片翼である【天羽 奏】の事、彼女を亡くした後の翼が奏の失った穴を埋めるべくがむしゃらに戦い、恋愛や青春を犠牲にして自身を殺し、一振りの剣としてこの二年間を過ごしてきたこと。

 

 そして今回の戦いで命を賭して自らの使命を果たそうと絶唱を唄った事……。

 

「グスッ……そんなの……酷すぎます……」

 

 それを聞いた響は涙を流しながら自らが翼に発した言葉の意味にようやく気づき、自分のせいで翼を苦しめていたと自身を恥じていた。

 弦太郎も声に出してなかったが翼の抱えていた過去を知り、それを知ろうとせず彼女と友達になろうとしていた自分自身を許せないと拳を握りしめていた。

 

「お二人共。僕のお願いを聞いてもらえますか?」

 

 その問いに二人は顔を上げ、彼の顔を見ると小川は優しい表情を向けてある言葉を二人に言った。

 

「翼さんの事嫌いにならないでください。翼さんを世界で一人ぼっちにさせないでください」

 

「「……はい!」」

 

 小川からの願いを聞いた二人は涙を拭い力強く返事を返した。

 

 

 

 

――――

 

 

「内通者、か……確かに気になるな」

 

 それから時が飛んで弦太郎が通う大学にある中庭の片隅で彼の親友である歌星 賢吾は弦太郎が二課本部で話した内容を聞いた後、顎に手を添えて話の内容を整理していた。

 敵は響という個人と弦太郎がもつアストロスイッチを狙っていた事は二課の情報を流した内通者について考えていた。

 

「(しかしアストロスイッチは分かるが、何故立花を狙っていた?シンフォギア装者であるなら同じ装者である風鳴 翼を拐えば済む事なのに敵は彼女ではなく立花を指名していた。何故立花を狙う?敵は何を考えている?)ん?」

 

 アストロスイッチを狙っていた理由はある程度予想できるが何故響を狙っているのかと天才的な頭脳をもつ賢吾でもシンフォギア装者である事以外の理由が思い付かないでいる中、弦太郎はいつもの明るさがなく更に表情を暗くしていた。

 

「どうした何か考えごとか?」

 

「ああいや。その……俺、本当に駄目だなぁって思ってた」

 

「どういう事だ?」

 

 弦太郎は賢吾に小川から聞いた翼が抱えていた過去、そして二課本部で涙を流した響の気持ちを伝えた。

 

「俺、仮面ライダーになってから色々あって沢山のダチと出会ってきたけどさ、翼が抱えている気持ちや響が抱えている気持ちを知ろうとしないでなんとかしてやろうとしてさ……俺が足を引っ張ったせいで翼が傷ついて、響が言った言葉の意味をもっと早く気付いておけばあいつをあそこまで傷つけずにすんだのに空回りをしていた俺は本当に駄目だなぁって……」

 

「…………フゥ。まったく、君は大学生になってそんな事を考えていたのか?」

 

「……なんだと?」

 

 そう言葉を口にした弦太郎は悲しそうな表情を浮かべていると賢吾はため息を吐いた後、肩を竦めながら話すとそれを聞いた弦太郎は目付きを鋭くして彼を睨み付ける。

 

「そんな事だと?賢吾お前……どうしてそう言えんだよ!」 

 

 弦太郎は賢吾の胸倉を掴んで怒鳴りつけると賢吾はそれを気にせず、弦太郎に声をかける。

 

「それはこちらのセリフだ。君は昔立花を助けた時に俺達に言った言葉を忘れたのか?」

 

「俺が言った言葉……?」

 

 賢吾の言葉を聞いて彼の胸倉から手を放すと賢吾は少し服装を直した後、弦太郎に昔彼自身が言った言葉を口にした。

 

「ああ、あの時JKが言っただろう――

『彼女を助けてもそれは一時しのぎに過ぎないッスよ!あまり深く関わると今度は弦太郎さんに矛先が向けられるだけですよ!』

――と、だが君それを聞いても考えを変えず俺達にこう言ったんだ」

 

『何言ってやがる!ただ生き残っただけの女の子に理不尽な理由で虐げられるのを黙って見てろ?ふざけるなよ!例え矛先が俺に向けられて、それで命を落としそうになっても……それでも俺は響を助ける!』

『あいつは生きるのを諦めるなと言われたんだ!ここであいつを見捨てたら、その言葉を言ってくれた奴の気持ちを踏みにじる事になる!それをしなかったら一生後悔する。たった一人の女の子を救えなかったら俺は……俺自身を許せねー!』

 

「君が言ったその言葉のおかげで今の俺達はここにいるんだ。だから彼女達を傷つけ泣かせたから悩んでいる?そうじゃないだろう!俺達が知る如月 弦太郎はどんな厄介事でも頭を突っ込んだり、時には頭を抱える出来事を起こすバカだが……その勘の良さと人に対する観察眼。そして君自身がもつ人を惹き付け友情を結んできた力があるだろう!あの時の俺に気持ちをぶつけてきたように正面から彼女達と向き合って改めて友情を結んでみせろ!」

 

「っ!!」

 

 賢吾の言葉を聞いた弦太郎は目を見開き、自分もいつの間にか精神的に参っていた事に気付いた。賢吾の言う通り昔の自分なら例え悩んでいても自分はゾディアーツやそのスイッチャーであった学園の生徒を相手に正面からぶつかって友達になった。

 それに目の前の親友の命を一度奪った【十二星座の使徒】(ホロスコープス)のリーダーである射手座のゾディアーツ(サジタリウス・ゾディアーツ)――かつて自分達が通っていた今は亡き学園高校の理事長、《我望光明》も賢吾が残した手紙のおかげで敵討ちをするではなく友達になるという選択を選び、仮面ライダー部全員の思いをぶつけることで友達になることができ、仮面ライダー部の気持ちを受け取り改心した我望がその命が消える前にアクエリアス・ゾディアーツの能力で賢吾を人間として復活させた。

 

「(そうだ……俺はどんな時でも相手の気持ちもまとめて正面からぶつかって友達になってきたんだ。それを俺はいつの間にか忘れていたんだな……)ありがとう賢吾、おかげで思い出したぜ」

 

「まったく相変わらず世話をかける奴だな君は?なら、答えは決まったか?」

 

「ああ!俺は翼を一人ぼっちにさせないし、響の悩みも一緒に考える。それを全部まとめてもう一度ダチになってやる!」

 

 賢吾の言葉を聞いた弦太郎は先ほどまで落ち込んでいたのが嘘のように元気になり、拳を空に向けて突き上げた。

 

――ピピピ!ピピピ!――

 

 そのタイミングで弦太郎のポケットに入れていた【NSマグフォン】から通話を知らせる音楽が流れてきた。

 

「はい。ああ、響か。ちょうど連絡しようと思ったんだ。どうした?」

 

『弦太郎さん、お話ししたい事があります』

 

「……なんだ?俺で良ければ言ってみな?」

 

 電話に出ると響が今朝まで二課本部で落ち込んでいたとは思えないほど声に力が込められていた事に気付き、話しを聞く姿勢をとる。

 

『私、強くなりたいです。護りたいものの為に、もう誰も傷つけずに済むように私は……私のまま強くなりたいです!』

 

 それは弦太郎にとって昔から知っていた少女が初めて言った願いだった。初めて会った時から現在に至るまで響は弦太郎達と関わって元気になってきたが、自分達に遠慮してたのか今まで一度も彼女自身からお願いを言わなかった。

 そんな妹分の力強い願いを聞いた弦太郎は口元に笑みを浮かべ、嬉しくなりそんな彼女の願いを一緒に叶えようと口を開いた。

 

「響……ああ、いいぜ。お前がそれを選ぶんなら俺もそれに付き合うぜ!」

 

『弦太郎さん……!ありがとうございます!』

 

 その言葉を聞いた響は通話越しでもわかるほどの元気な声で礼を言った。

 

 

――翌日、風鳴 弦十郎の邸宅――

 

 

「「頼もーうっ!」」

 

「うおっ!?なんだいきなり?」

 

 その翌日の朝、弦十郎が日課のトレーニングをしようとした時に突然聞き覚えのある声に驚き、なんだと思い自宅の門に向かうとそこには制服姿の響と私服姿の弦太郎がそこに立っていた。

 

「おはようございます!弦十郎さん!あんたに頼みたいことがあるんだ!」

 

「頼みたい事?」

 

「はい!私に戦い方を教えてください!」

 

「俺が君に……?」

 

「弦十郎さんならきっとすごい武術を知っているんじゃないかと思って!」

 

 響の言葉を聞いた弦十郎は腕を組んで思考した後、響の隣に立つ弦太郎に視線を向け声をかける。

 

「……弦太郎君もか?」

 

「いや、俺はもう自分の戦い方が決まっているから大丈夫だ。だけど、もう二度とあんな事が起きないように自分を鍛え直したいんだ」

 

 弦太郎の眼を見た弦十郎はその力強い意思を感じ取り、一度目を閉じて思考した後、目を開いて二人。願いを聞く事にした。

 

「……わかった。俺のやり方は厳しいぞ?」

 

「はい!」「押す!」

 

 二人は力強く返事を返すとそれを聞いた弦十郎は頷いた後、二人に修行の前にある質問をした。

 

「ところで二人はアクション映画とか嗜むか?」

 

「「へ?」」

 

 

――三人称視点、終了――

 

 




どうも皆様、クロトダンです。(←大気圏離脱に失敗して地面に頭からめり込んでいる)

ようやく、よーうやく続きを投稿できました。
もうあまりこの作品を覚えている人はいないと思いますが、本当にお待たせしてすみません。(通常営業)

今回は原作4話に後半にあたる弦十郎に弟子入り回とフォーゼサイドの話でした。

次回はデュランダル輸送回で遂に雷電野郎にステイツチェンジします!
お楽しみに!




エレキステイツの好きな必殺技は?

  • ライダー100億ボルトブレイク
  • ライダー100億ボルトシュート
  • ライダー100億ボルトバースト
  • ライダー電光ドリルキック(ダイザー無し)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。