聖グロから帰った翌日には俺の高校に聖グロから抗議の電話があった。内容は至ってシンプルで「謝罪に来い」との事だった。学校から「謝罪して来い!」という圧力もあったため、渋々聖グロに向かった。
聖グロに到着した瞬間、周りを風紀委員?警備?の女子生徒に囲まれ、学校に連行された。勿論持ち物検査等も実施され、連行中には
「貴様が・・・」
「良くも男の分際で」等の暴言も吐かれ、仕舞には連行途中にトイレにも行かせてくれないときた。勿論これらはこっそり忍ばせた眼鏡型ビデオで記録し、歩兵道と試合する際のいい交渉材料となってくれるだろう。
そして聖グロに到着し、会議室のような所に通されたが、勿論そこにダージリンの姿は無く、パイプ椅子が一つだけ置かれていた。「しばらくお待ちください」と女子生徒が言い放ち、会議室を出て行ってから約2時間経過した時点で俺は気付いた。
「これはあれだ・・・嫌がらせだ」
それからしばらくして、あまりにも腹が空いてしまい我慢したが、三大欲求の一つである、食欲に逆らえず、謝罪時に渡すようにと校長から手渡された御菓子を食べてしまった。一つだけと思っていたが、思いのほか美味しく、気付いた時には全ての御菓子を食べつくしてしまっていた。移動途中に購入した御茶を飲み干し、スマホで御菓子の値段を検索した結果、結構な値段の御菓子であった。そして俺は重要な事に気付いた。
「今から御菓子を買いに行く事は出来ないな」
それからさらに1時間近くスマホで暇を潰していた時、「しばらくお待ちください」と言って出て行った女子生徒が入ってきた。そして「こちらへ」と愛そうなく言い放った。殺風景な会議室を移動し、案内された場所はまたしても会議室的な場所であったが、先ほどと違い中にはダージリン及び2名の女子生徒が座っていた。
「お待たせして申し訳ありませんね。戦車道の練習があったもので」
「そうですか」
「それで、本日はどういった件でこちらに」
「この度は私の行動により皆さまにご迷惑をお掛けしました。といいたいところですが、どうですか?私と勝負しませんか?」
「「「はぁ?」」」
「いえね、最初は素直に自分の軽はずみな行動がそちらに迷惑を掛けたと思いましたが、聖グロに着いた途端犯罪者のような扱い、事前に連絡しているにも関わらず会議室で3時間も監禁・・・これ歴とした犯罪ですよ?」
「アッサム!!」
「至急確認致します!」
アッサムと呼ばれた女子生徒は血相を変えて会議室から出ていった。恐らくダージリンの知らない所で行われた行為であろう。まぁそんな事、こちらは知った事ではない。寧ろ都合がいい。
「まぁ、こちらも悪い事をしたので、ある程度は覚悟していましたが、3時間も監禁されるとは思いませんでしたよ。後、色々暴言も吐かれ、トイレも行かせてくれない・・・」
「「・・・」」
「そういう事で試合しましょう」
「こちらが試合を受ける理由は、あなたが受けた仕打ちをなかった事にすると?」
「まぁそういう事です。勿論御受けしなくてもいいですよ?その時は・・・」
「これは脅迫という立派な犯罪ですわよ?」
「脅迫?いえいえ、これは選択ですよ。貴方の不手際が原因で生じた事態に対して、こちらは解決策を提示しています。例えるなら、そちらに暴行をされたので、示談金として300万と提示し、拒否する場合は裁判を行う。どうですか?同じでしょ?そちらに長時間監禁されたので、示談として試合を行いましょうと提示し、拒否するなら警察に行く。ね?同じでしょ?」
そこへ
「失礼します」
先ほど出て行ったアッサムという女子生徒が帰ってきた。そしてダージリンとコソコソ話し、
「分かりましたわ。歩兵道との試合、お受けいたします」
「ありがとうございます。事を大きくするのは、互いにデメリットですからね」
「ええ」
「それではダージリンさんと他2名、ごきげんよう」
こうして、俺達は聖グロと試合をする事になった。しかし翌日聖グロから連絡があり、事態は思わぬ方向へと向かった。当初はダージリンとの試合でったが、あちら側から、最初はダージリンとは別のレギュラーメンバーと試合を行い、それに勝てばダージリンと試合を行うという案を再提示された。勿論当初の約束通りといきたいところだが、恐らくダージリンが試合をする事に全生徒が猛反対したのであろう。まぁ普通そうなるような。
しかし事情はどうであれ、約束を反故にした時点で、許す事は出来ない。恐らく自信のあるレギュラーが出てくるのだろう。その自信満々の綺麗な顔が、醜く変わる姿を想像して、今夜も一発抜いた。当日は想像よりもいい顔が見れるだろう。約束を守らない人間へ俺は容赦はしない。二度と戦車に乗れない強烈なトラウマを植え付けてやろう。