オレンジペコが放った砲弾は俺の横を掠めて一つの建物に着弾した。恐らく持ち主は戦車道連盟が保障してくれるので嘆きはしていないだろう。いつもであれば、建物は崩落や破損程度で終わる・・・しかし今回は違った。崩落した建物から火の手が上がった。
それは誰も予期しなかった出来事だった。火の勢いはまだ弱いが時間が経つにつれて勢いをますだろう。しかしそれを俺が許すはずもない。戦車に攻撃を行うようにみせかけ、ウインチを駆使して空中を駆け抜ける。もしくは瓦礫、民家の中を駆け抜ける。そんな状況でいつまでも装填手のオレンジペコを砲手にしておく訳にはいかない。一刻も早く俺を倒さなければ、ここら一帯が火の手により焼け野原になってしまう。
俺の遅延行動を見抜いたのか、砲撃の精度が格段に上昇した。間違いなくアッサムに砲手が変更したのだろう。しかし遅すぎる。もしも俺を本当に殺したい、もしくは再起不能にしたのであれば、オレンジペコではなく、アッサムに砲手にすべきであり、早々に決着を着けるべきである。だがダージリン、君はそれを怠った。それによりこの開催地となった地域の建物は灰になるだとう。
勿論俺は懸命に戦う歩兵道選手として見られるだろう。観客達はそんな俺よりも、火の手が拡大していく町並みを絶望な眼差しで見つめているだろう。あるものは自分の家が燃えている様子を、またあるものは、これから来る請求書の金額に絶望しているだろう。しかし俺には罪はない。そう俺はただ、ルール通り「敗北条件は双方戦闘継続が困難となった場合(敗北宣言は無効とする)もしくは白旗での降伏とする」に従っているだけなのだから。
しかしアッサムの砲撃を無傷で避けるのは困難を極める。辛うじで直撃は間逃れているが、至近弾が多く、既に俺の体は満身創痍の状態だ。そして装備の幾つかも至近弾の影響でダメージが入っている。そろそろ勝負を決めなければ此方が負けてしまう。近くに落ちていた鉄パイプを手に持ち、ウインチを使い戦車に張り付こうとするが、機銃が直撃した影響で建物に突っ込んでしまう。そこにアッサムの砲撃が直撃した。
砲撃が直撃した衝撃で空中に放り出された俺は、運よく戦車の上に落下した。勿論落下した際のダメージは受身ができず背中を強打した。何とか戦車の入り口を鉄パイプで固定し、そのまま戦車の上で動けなくなった。ダージリンは戦車を左右に振るように指示したのだろう、戦車は蛇行運転を開始した。何とか戦車にしがみ付いているが、そう長くは持たない。背中を強打したダメージは少しだが回復してきているが、まだ満足に動くことは出来ない。だが回復を待つことは出来ない。気力を振り絞り、戦車にしがみ付いた状態で大型拳銃で戦車を撃った。
撃った弾は戦車の薄い装甲を貫通した。急に戦車が停止した事で一瞬だが戦車の上で体勢を立て直し、穴を鋏で広げ中を覗き込んだ。そこから見えた光景は絶景であった。俺の放った弾は戦車の装甲を貫通し、ダージリンが座っている座席の数cm横に大穴を空けていた。なるほど、それで戦車が一瞬停止したわけか。ダージリンの横に着弾したのだ、そりゃ心配で操縦どころではないだろう。
なんという、幸運!!俺は特等席から、ダージリンが絶望する顔を拝む事ができるのか!!
あ~~神よ!!
でも亀って水中では、かなり泳ぐの早い。亀更新ではないな