転生省特典犯罪制圧課活動記録   作:蒼かえる

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ファイル13 疑惑のmaster

地図に書かれた印の元へ向かう龍斗達。やがて蒼兎と四人の人影が見える距離まで来た。四体一で拮抗状態、蒼兎は攻めていなかったが攻撃の全て軽微なダメージで済ませていた。

 

「蒼兎!」

 

「……ああ、龍斗達か。」

 

名前を呼ばれた蒼兎は目を離さずに後退して龍斗達の元へ行く。

 

「なんで一人で行ってんだよ!?」

 

「転生者が出たからな。」

 

「蒼兎は重症だって言われてたでしょ!?」

 

「とにかく殺るぞ。」

 

「クソ!今ここで増援かよ!?」

 

「撤退だ!」

 

『主!体借りるね!』

 

「え!?」

 

結衣と意識を交代したエボルトは右手から凝縮したエネルギー弾を作り、転生者に向かって投げる。

 

「逃がすかぁ!!」

 

魔力供給源のマスターへ迫るエネルギー弾をルーラーと呼ばれた聖女が旗で弾き返そうとする。しかし威力に負けてそのまま吹き飛ばされる。

 

龍斗が走って転生者へ向かうがランサーが足止めする。セイバーが加勢しようとするが風華と雷華が割って入る。

 

結衣はアサシンと呼ばれていた片目を隠したくノ一と対峙する。蒼兎は体を慣らしながら男二人の元へ向かう。

 

「サーヴァント任せの転生者共、お前らの魂を回収する………!」

 

「クソ!令呪をもって命ずる!」

 

片方の男が令呪がある右手を突き出し、叫ぶ。

 

「ルーラー!来い!」

 

吹っ飛ばされた筈のルーラーが現れ、自身のマスターへ向かう。

 

「重ねて令呪をもって命ずる!ルーラー!宝具を解h「させるか。」」

 

『スクラップフィニッシュ!』

 

既にレンチを下げていた蒼兎は拳にロボットアーム型のエネルギーを纏っていた。その拳は令呪を使おうとしていたマスターの腹を貫通していた。

 

「う、ぐふ……。」

 

「令呪をもって命ず……る、マスターの権限を……お前に譲る……。」

 

「クソ!マジかよ!」

 

片方の転生者は指を指された方向が自分であると思い込み、増えた二人のサーヴァントを使役しようとする。しかし指を指している方向は

 

「あっつ!あっついんすけど!?あ、蒼兎!?なんか右手の甲が凄い熱い!」

 

「マジかよ……?」

 

「何!?」

 

「龍斗!もうルーラーとアサシンはお前の仲間になった!攻撃するな!」

 

「クソ!令呪をもって命ずる!セイバー!宝具を解放しろ!」

 

「チッ!」

 

「全員!集まれ!防御技を使え!なんでもいい!」

 

蒼兎達は近くに集まり各々フルボトルをセットする。

 

「早く来い!」

 

蒼兎は先程まで敵対していたルーラーとアサシンも引っ張って自分が守れる位置まで来させる。

 

『タンク!』

『ダイヤモンド!』

『スクラップフィニッシュ!』

『ツインフィニッシュ!』

 

『ロック!』

『ロボット!』

『『ファンキーアタック!フルボトル!』』

 

『イレーサー!』

『クリエイション!』

 

「ダメだ!防ぐことはできない!」

 

「クソが!やったらァ!」

 

セイバーの手元の剣が顕になり、剣が光を纏い束ねる。

 

「………約束された勝利の剣(エクスカリバー)!!」

 

極大の光の柱が蒼兎達を襲う。全員で作り出した防御壁で耐えようとするが数秒で砕けそうになる。

 

「っうう!!」

 

「熱っっ!!」

 

「(判断ミスだ!!集めるんじゃなくて離散するべきだった!!)」

 

「(俺の判断ミスでコイツらを死なす訳にはいかない!)」

 

「相棒!!」

 

『なんだ!?』

 

「死ぬ気で使う!最大出力だ!」

 

蒼兎はレンチを下げた後、ブレイカーにロボットスクラッシュゼリーとアイテムである相棒をセットする。

 

『スクラップフィニッシュ!』

『ツインフィニッシュ!』

 

「うぉぉぁぁ!!」

 

光の奔流が収まり、蒼兎の後ろを除いた周辺は全て焼き尽くされていた。しかし蒼兎より後ろにいた龍斗達は何とか無事だった。

 

「た、助かったの……?」

 

「や、やったな!?蒼兎!?」

 

「……………。」

 

蒼兎は変身が解除し地面に倒れ込む。

 

「え?蒼兎!?」

 

龍斗が蒼兎の体を起こすと身体中に痛々しい傷ができていた。治りかけていた前回の傷からも出血し火傷も酷く、何よりブレイカーを持っていた左腕からの出血が一番酷かった。

 

「蒼兎!?しっかりしろ!」

 

「お兄ちゃん!」

 

「い、今のうちに……ランサー!俺を運べ!」

 

転生者が逃げようとした時、アサシンが苦無を投げて転生者を足止めする。

 

「行かせません!」

 

「な、何するアサシン!セイバー!ランサー!助けろ!」

 

「もうお前に令呪はない、殺す理由はあっても助ける理由はないね。」

 

「う、嘘だろ?ガフッ……は?なんだよこれ……。」

 

転生者が逃げようとした時、蒼兎が撃ったエネルギー弾が転生者の心臓を撃ち抜く。顔を真っ青にしながら倒れ込み絶命した。マスターを失い、魔力供給源を失ったセイバーとランサーは消滅が始まる。

 

「ふぅ……クソッタレが……。」

 

「蒼兎!!大丈夫か!?」

 

「大丈夫に見えんのかよ……?」

 

「それより消えるのか、お前ら?」

 

全員がセイバーとランサーを見てみる。

 

「ああ、今回はクソみてぇなマスターだったが次からはアンタらみてぇな奴がいいね。」

 

「生憎俺は一人の方が気楽なんでね……。」

 

「マスター。」

 

ルーラーが龍斗に話しかける。

 

「えーっと、ルーラー……でいいのかな?」

 

「はい、マスター。あの二人をマスターのサーヴァントにしてみれば良いのではないですか?」

 

「へぁっ!?俺はルーラーとアサシン?のマスターなんだろ?」

 

「マスターからは唯ならぬ魔力を感じます……あの二人が来ても問題ないかと……。」

 

「やり方分かんないんだけど……。」

 

「お任せ下さい!」

 

右手の甲が光り、龍斗は意識の中で明確にサーヴァントが四人になったことを感じた。

 

「うわぁ……こんな感じなのか……。」

 

「龍斗!蒼兎運ぶの手伝って!」

 

「あ、おう!」

 

「私も手伝います!」

 

アサシンがやって来て蒼兎に肩を貸す。蒼兎は支えられていないとほぼ動けない状態だった。

 

「ああ、クソ。また霊夢に小言言われる……。」

 

「お兄ちゃんを心配してるからだよ……?」

 

「住人も四人増えたわよ?」

 

「ああ?お前らこんな重症患者になにしろって?」

 

そんな軽口を言い合いながらシェアハウスへ帰っていった。しかし蒼兎は霊夢に一時間説教された。

 

 

 

 

 

「では、マスター。私はルーラー、改めてご挨拶を。」

 

「サーヴァント セイバー これより私は貴方の剣です。」

 

「サーヴァント ランサー まぁ喜楽にやろうや、マスター?」

 

「サーヴァント アサシン 彼らから私達を救ってくれたこの恩義に報います。」

 

「あ、あのさ?俺はサーヴァントってよく分かってないんだけど?」

 

「サーヴァントは過去の英雄の魂の分霊みたいなもんだ。魔力があれば存在し続けられる、あればあるほど強い、けどないと死ぬ。」

 

「おお、分かりやすい説明ありがと。」

 

「じゃあランサーとか、ルーラーってなに?」

 

「役職みたいなもんだ。英雄は強いと同時に弱点もあるから名前が知られてたら弱点さらけ出しと同じだからな。」

 

「なるほど……。」

 

「てか、蒼兎、アンタは寝なさい?」

 

「あのな霊夢、仕事で負ってくる怪我は許してくれって言ってるだろ?」

 

「怪我してくるのと怪我してくるの治すのは違うでしょ?寝 な さ い ?」

 

「はぁ……はいはい。」

 

蒼兎が自室へ戻る中、アサシンが駆け寄ってくる。

 

「あの、お館様!」

 

「? 俺はマスターじゃないぞ?」

 

「いえ、私を助けてくださったのはお館様です!私のようなものでも命をかけて助けようとしてくれました……。」

 

「あれは………気にするな。」

 

夕食の時間、蒼兎が眠っていた所を無理やり起こされ霊夢と咲夜が用意した夕食をとる。食事が必要ないサーヴァントでも龍斗は遠慮なく促した。

 

「じゃあみんなの名前を聞こうかな?」

 

「そっか、役職だもんね、みんな。」

 

「わ、私は別に大丈夫ですよ?」

 

「いやいや、もう仲間になったし聞いておかないと?」

 

「マスターがそう仰るなら。」

 

先にセイバーから名乗る。

 

「私はアーサー王、アルトリア・ペンドラゴンです。」

 

「あれ?アーサー王って男じゃ………?」

 

「騎士様かぁ……。」

 

「え?スルーなの?」

 

続けてランサー。

 

「俺はクー・フーリン、まぁせいぜい上手く使ってくれ。」

 

「私聞いた事ない。」

 

「おいマジかよ、正直だねぇ?」

 

「ルーラーは?」

 

「私はジャンヌ・ダルクです。」

 

「救国の聖女様!?」

 

「有名な!?」

 

「私はそんな大層な人間ではありませんよ?」

 

「私は望月千代女です。」

 

「くノ一っていいよね!?」

 

「なんだよ急に……。」

 

「だってだって可愛いでしょ!?キュートでしょ!?最高でしょ!?」

 

「風華、雷華を黙らせろ。」

 

「今は無理よ。」

 

どんどん増えていくシェアハウスの住人達の喧騒を蒼兎は心地よく感じていた。

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