転生省特典犯罪制圧課活動記録   作:蒼かえる

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ファイル16 準備期間

一学期も終わり、蒼兎達は今、渚、磯貝、志田と渚と一緒の中学から来た『倉橋陽菜乃』と『片岡メグ』と共にサバイバル生活で必要になる物を購入しにショッピングモールへ訪れていた。

 

『サバイバル生活なのに必要な物を持って行っていいとはこれ如何に?』

 

「(まぁそうでなきゃ学生は生きていけねぇよ。)」

 

蒼兎も持っていないので水着を購入しに仕方なく来ている。

 

「よろしくねー!みんな!」

 

「よし、それじゃあ12時にここで待ち合わせだな!」

 

磯貝に言われそのまま自由行動となった。

 

「蒼兎、お前どうする?」

 

「水着見れればいい、お前は?」

 

「俺は特にないからなぁ……付いてっていいか?」

 

蒼兎は龍斗と共に回ることとなった。

 

「そういえば蒼兎、俺のドライバーどうなった?」

 

「治るとは思うが……まだ時間がいる。少なくともサバイバル生活には持っていけないな……。」

 

「え?ドライバーとか持ってった方がいいの?」

 

「当たり前だ、どうやって霊夢と咲夜を護衛するつもりだ?それに他のクラスメート達が襲われるかもしれないんだぞ?」

 

「そ、そうか……確かに……。」

 

ウエットスーツとサーフパンツを買った蒼兎は龍斗と目的無くブラブラ歩いていた。渚達が龍斗を見つけて話しかける。龍斗が渚達の方へ向かう。蒼兎は人を避けるように歩いていく人物を見て怪しんでいた。

 

「渚、どうした?」

 

「みんなで回ってたんだけど倉橋さんと片岡さんがどこかに行っちゃったんだよ。」

 

「えぇ?誘拐とか?」

 

「烏間先生に護身術も教わってるハズだから大丈夫だとは思うけど……。」

 

「(転生者だったら間違い無く叶わないな。)」

 

「(どうする蒼兎?)」

 

「(そりゃ救出するさ、だが……。)」

 

蒼兎は周囲を見回す。夏休みのショッピングモールでその上ここは学園島。住人の八割が学生であるため、混雑を極める。

 

「(ここじゃ人が多過ぎる。)」

 

「分かった、結衣達にも伝えて探してもらおう。もしかしたらはぐれてるだけかもしれないしな。」

 

「う、うん、ありがとう。」

 

「でも転生者が能力を行使したら上司が黙ってないと思うんだがな。」

 

「とりあえず探そうぜ?」

 

 

 

 

 

蒼兎達は手当り次第ショッピングモールを巡ったが倉橋と片岡を見つけることは出来なかった。

 

「流石におかしいな……。」

 

「渚が言ってた通り全然見つかんねぇ……。」

 

「蒼兎!龍斗!」

 

風華と雷華が呼びかけてくる。

 

「見つかったか?」

 

「ダメね、見つからないわ。」

 

「うぅ……どこいっちゃったんだろ……。」

 

「(どういうことだ?こういう特典なのか?それでも上司から連絡は来ねぇしな。)」

 

『相棒……この近くにクラック空いてるぜ……。』

 

「(なんで分かるんだ相棒?)」

 

『俺もよく分からんが……感じ取れるっていうか読み取れるっていうか……特典同士だからか……?』

 

蒼兎が周囲を見回すと確かにヘルヘイムの森の蔦が絡みついている場所を見つけた。

 

「三人とも、来い。」

 

「「「??」」」

 

『クラック』インベスが生息するヘルヘイムの森へと通ずる裂け目のこと。クラックが開けば周囲は森の浸食によって植物が生えてくる。

 

またクラックの中にある果実は人間が食べるとインベスと化す。並大抵の人間は果実のフェロモンでインベスになる。

 

そのクラックが現れているであろう関係者専用扉。扉の間から蔦が伸びている。近くに人工観葉植物が置いてあるため一瞬見分けがつかない。

 

「蒼兎……これは?」

 

「インベスが棲息するヘルヘイムの森に通じてる裂け目、クラックだ。」

 

「インベスって前戦ったヤツ……!?」

 

「それって不味いんじゃないの?」

 

「ああ、倉橋や片岡が入っていったら間違いなく死ぬ。」

 

「行って確かめるぞ。」

 

関係者専用扉を通ると出たのは森だった。学園島に存在しない、木や葉が光を邪魔する森。近くから明らかに人間の知るものでは無い生き物の鳴き声がしてくる。

 

「ヤベェな……ここ……。」

 

「私、ここあんまし居たくない……。」

 

「同感ね……。」

 

森の中を進んでいくと人の声が聞こえてきた。

 

「こいつはすげぇな、これは持ってていいのか?」

 

「ええ、そういう取引なので。」

 

「仮面ライダーと同じ力か……対抗できるのか?」

 

「対抗はできませんが軽減は確実にできます。」

 

転生者と龍玄がヘルヘイムの森の中でなにやら話している。詳しく聞くとどうやら転生者にクラックを開けることができるロックシードを渡しているようだった。

 

「(自分の変身アイテム売ってやがるぞ……?)」

 

「(実際いくらでもあるようなもんだからな……。)」

 

『転生者にロックシードが渡ったら厄介だぞ?』

 

「(ああ、もちろん止める……だかあの二人のことも気になる。)」

 

「(ねぇ蒼兎!あれ!)」

 

雷華が指さした方を見ると気を失い口に布を結ばれている倉橋と片岡を見つける。

 

「(誘拐してたなんて……最低ね……。)」

 

「(アイツらも倒して二人を救出する、分断するところだったがやることが一つになって助かった)」

 

「「変身……!(!)」」

「「潤動!」」

 

その声に反応する転生者と龍玄。

 

「仮面ライダー!?なぜここに!?」

 

「ここを嗅ぎつけられるような証拠を残したつもりはないのですが……。」

 

「そこの二人を救出しに来た。」

 

「ああ、クラスメートを助けに来たのですか?貴方にそんな感情があるとは。」

 

「この世界の住人に危害が及ばないように転生者を消してんだ、助けるに決まってんだろ。」

 

「そうですか……では、早速頼めますか?」

 

「ああ、いいぜ。契約だからな。」

 

そう言って転生者が龍玄の前へ出る。

 

「お前に用はない、退け。」

 

「そうもいかねぇんだわ、契約なんでね。」

 

「チッ、先に転生者か……。」

 

「では。」

 

「おう、行け。」

 

転生者はロックシードを構える。すると近くのコウモリのような特徴を持ったインベスが転生者の前へ出る。

 

「風華、雷華。インベス頼めるか?」

 

「任せて。」

 

「蒼兎と龍斗が転生者でしょ?」

 

「よし、やるか!」

 

 

 

 

 

龍斗がビートクローザーで転生者へ斬り掛かる。転生者に手出しをさせないように蒼兎はブレイカーのビームモードで牽制する。転生者は蒼兎のエネルギー弾を避けるのに必死だった。

 

「うらぁぁぁ!!!」

 

そのまま転生者が切り裂かれると思われたが何かの詠唱をしたあと龍斗は足を滑らせて転んだ。

 

「は?」

 

「痛ってぇ……。」

 

龍斗が立ち上がろうとするとまた滑って転び立ち上がれない。地面は植物に覆われ滑ることはないはずなのに。だというのにまるで地面から摩擦が無くなったように龍斗は転んでいる。

 

「なんだこれ!?」

 

「はははは!『スリップ』!」

 

「うーわ。」

 

「ちょっ、蒼兎!?」

 

蒼兎はレンチを下げて足にエネルギーを纏う。

 

『スクラップフィニッシュ!』

 

肩アーマーからゼリーを噴出し、推進力で威力が上がる。龍斗に夢中の転生者は蒼兎が迫ってきている時に気づいた時には遅く胸部にキックがはいりヘルヘイムの木々をなぎ倒しながら吹き飛ばされた。

 

「何やってんだお前?」

 

「違ぇよ!なんか床が滑って……。」

 

「いや、それでも抜け出す方法はあったろ。」

 

「………。」

 

「まぁともかくまだ仕留めきれてるかわからん、気を抜くなよ。」

 

 

 

 

 

風華と雷華は転生者に操られている『コウモリインベス』の空中からの奇襲を凌いでいた。コウモリインベスはその名の通りコウモリの特徴を持っており空中から風華と雷華を襲っていた。

 

しかし急降下と共に鉤爪で攻撃を加えようとするが風華は攻撃が来る前にネビュラスチームガンの射撃で攻撃が来ないようにし、雷華はスチームブレードで鉤爪を防いでいた。

 

「ああもう!キリがないじゃん!」

 

「ライフルモードにすれば何とかなるかもだけど……雷華が攻撃を受けるのは嫌だわ……。」

 

「じゃあどうするの?」

 

風華は蒼兎から借りているフルボトルでどうにかできないか思考する。しかしコウモリインベスはそんな余裕を与えない。また急降下の鉤爪が迫る。風華はローリングで避けて雷華はブレードで対応する。

 

「雷華、合図したら伏せてくれない?」

 

「ん?よくわかんないけど分かった!」

 

「(あんまりいい考えじゃないけど切り抜けるにはこれしか……!)」

 

風華は雷華の後ろに隠れてコウモリインベスが急降下してくる。

 

「雷華今!」

 

雷華が伏せて風華が立ち上がる。向かってくるコウモリインベスにガトリングフルボトルを装填したネビュラスチームガンの銃口を向ける。

 

「私に雷華を盾にさせたことを後悔しながら死ね!」

 

『ファンキーアタック!』

 

無数のエネルギー弾がコウモリインベスに殺到する。勢いを付けて向かっているのですぐさま回避に転じることができず何発も直撃しコウモリインベスは空中で爆散した。

 

「雷華、大丈夫?」

 

「お姉ちゃん、なんか凄かった……っていうかかっこよかったよ!」

 

「あ、ありがとう、でも蒼兎達を助けに行くわよ!」

 

風華と雷華は木々がなぎ倒されている方へ向かった。

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