蒼兎と龍斗がなぎ倒された木々の方へ行くと転生者が横たわっている。かろうじて生きてるようで体を抑えてうずくまっている。蒼兎と龍斗に気づくとすぐに体を起こし二人を見据える。
「タフな野郎だぜ……」
「本気で打ち込んだらアイツと何話してたか聞けないからな。」
「…コフッ……クソォ……!」
転生者は懐からチューリップの装飾のロックシードを取り出して解錠する。それを投げるとチューリップのロックシードは変形し巨大化する。装飾部分が門のように開きアームが伸びて足となる。
機体前面に機銃が搭載されていた。転生者は痛む体を無理矢理起こしてそのロックビークル『チューリップホッパー』に乗り、操る。機銃からエネルギー弾が放たれ、蒼兎と龍斗、そしてインベスを倒した風華と雷華を襲う。
向かってくるエネルギー弾に反応した蒼兎と龍斗は二手に別れて攻撃から逃れる。風華と雷華も木々に隠れて身を守る。別れた龍斗に狙いを決めた転生者はホッパーから赤いレーザーを発射する。
龍斗はローリングで避けるがレーザーは龍斗を狙っていた訳でなく後ろにクラックが作られる。ホッパーの機体から強風を発生させ、龍斗はクラックの外、元の世界へ放り出された。
「龍斗!!」
「チッ……威力を抑えたとはいえ必殺食らってんのになんで動けんだ……!?」
「…ゴフッ……へへ、来いよ仮面ライダー……!」
クラックの外へ強制的に放り出された龍斗は数メートル上から落下して変身解除した。
「痛って〜!!」
「龍斗くん!?」
「あ、結衣ちゃん!?」
龍斗が落ちた先はあまり人がいない休憩スペース。結衣はいなくなった倉橋と片岡を探している時に偶然クラックから現れた龍斗を見かけたようだった。
「大丈夫ですか?なぜ上から?」
「転生者のロボット?みたいなヤツにやられた……結衣ちゃんは?」
「私は倉橋さんと片岡さんを探してる最中なんですけど……。」
「それなら大丈夫……じゃないけど、見つけたから!」
「本当ですか!?」
「転生者に捕まってて、結衣ちゃんも来てくれない?」
「分かりました!行きましょう!」
龍斗は先程見つけたクラックがある関係者専用扉へ向かう。扉を開けると見つけたのはクラックを閉めていた龍玄だった。
「おや?なぜアナタがここに?もしや転生者の方はもうチューリップホッパーを使っているのですか?」
「んなことどうだっていい!蒼兎達がまだ森にいるんだ!クラックを開けてもらうぞ!」
龍斗はビルドドライバーを取り出し腰にまく。結衣もエボルトに体を預けて腰にエボルドライバーをまく。
『クローズドラゴン!』
『コブラ!ライダーシステム!』
「「変身!」」
龍玄も仕方ないといった様子で戦極ドライバーを腰にまき、ブドウロックシードを解錠する。
『ブドウ!』
「やれやれ、野蛮な人達だな!」
「変身!」
『龍・砲!ハッハッハッ!』
すぐさまドライバーにロックシードをセットしカッティングブレードを倒す。アームズが龍斗とエボルトの行く手を阻んだあとアームズが龍玄の姿を仮面の戦士に変える。
手元に現れたブドウ龍砲で牽制程度に周囲に撃ち二人を下がらせる。
「ここでは思う存分戦えませんよね、こちらへどうぞ?」
龍玄がドングリの装飾のロックシードを解錠し、クラックを出現させる。逃げ込むように入っていくのに対し、罠だと分かりきっているが二人は龍玄を追って入っていった。
チューリップホッパーの機銃に対して散らばることで被弾を防いでいる蒼兎と風華、雷華の三人。龍斗の安否を心配しながらも風華はネビュラスチームガンで転生者を狙う。
しかしエネルギー弾はホッパーのジャンプで転生者に当たることはなく蒼兎も近づこうとするが機銃によって思うように近づけない。雷華が後ろから切りつけようと接近するもホッパーがまたジャンプし、攻撃が届かない。
「(クソ、面倒だな……何か手は……。)」
「風華、お前に貸したフルボトル、今返せるか?」
「ええ、いいわよ。」
風華から返してもらったガトリングフルボトル、そして手元にある戦車の成分が入った『タンクフルボトル』とロケットの成分が入った『ロケットフルボトル』。
「(かなりゴリ押しだが、これなら行けるか……。)」
「風華、雷華。俺がヤツを暫く動けないようにする、しかし俺も動けなくなる。二人であのホッパーを破壊しろ。」
「分かったけど……動けなくなった蒼兎はどうするの?」
「お前らがあのホッパーぶっ壊せば問題無い、転生者も満身創痍だ、アレを壊されたら逃げることもできん。」
「分かったわ、やるわよ雷華!」
「OK!お姉ちゃん!」
蒼兎はドライバーのレンチを倒しブレイカーにガトリングとタンクのフルボトルをセットする。雷華に貸していたネビュラスチームガンを返してもらい、ロケットフルボトルをセットする。
隠れていた木から出てきた直後、ブレイカーとスチームガンの引き金を引き、最大火力でエネルギー弾と追尾型ミサイルを発射する。転生者はホッパーでジャンプして逃れようにも爆風で飛ばされ、それにより次々に被弾していき、ホッパーは爆散した。
爆散する前にホッパーから飛び降りた転生者はホッパーに守られたとはいえ爆風で満身創痍、そこに風華と雷華が現れる。
「蒼兎一人でやっちゃったじゃない……。」
「んじゃ私達が情報を聞き出すってことだね!」
「……ゴフッ……ウゥ……。」
龍斗がクラックに入るやいなや、頭に銃口を突きつけられ、それに気づいた瞬間直ぐに身を屈める。エネルギー弾が頭を上を通り過ぎ、屈んだ状態で足払い、転んだ龍玄に対しビートクローザーを突き立てる。
転がってそれを避ける龍玄、そして射撃する。クローザーを突き立てた事で動けずそのまま被弾する龍斗。追撃を与えようとするもエボルトの踵落としに気づきすぐさま起き上がる。
自身の元いた場所に軽くクレーターができていた。振るわれる拳に何とかかわし、至近距離で射撃する。しかしエボルトは高速移動で背後にまわり、龍玄を蹴り飛ばす。
飛ばされた龍玄は木々に衝突して止まる。追撃を与えるためエボルトは高速移動で背後にまわる。しかし龍玄はドライバーのカッティングブレードを倒し確認も振り向きもせずに銃口を後ろに向けて射撃した。
背後にまわっていたエボルトは高速移動した直後のため、回避できずに被弾し続ける。爆散し吹き飛ばされる。
「うわぁぁ!!」
「結衣ちゃん!!」
龍斗が駆け寄り、変身解除された結衣を木の後ろに隠す。どうやら痛みで体を上手く動かせないようだった。
「結衣ちゃんはここにいて、俺がアイツを……!」
龍玄の元へ行こうとする龍斗の腕を痛みを抑えて必死に掴む結衣。
「ダメです…よ……!一人じゃ…勝てま……せん!二人じゃない……と!」
「でも……!」
『主ごめん!私がミスしたばかりに……。』
「私は…大丈…夫だから…でも……相手は待って…くれそうに…ない……。」
『………(私のせいで……主がこれ以上傷つくのは嫌だ……!!)』
『(だったら……!)』
『龍斗!ごめん!体借りる!』
「「え?」」
結衣の体から赤い球体が飛び出し、龍斗の体に入っていく。馴染むように龍斗の全身に赤のエネルギーが伝わると変身が解除される。変身解除によって散っていったクローズの成分をエボルトは手元に集めて自身が使えるようにする。
龍斗の体の成分も借りて自らで『ドラゴンエボルボトル』生成する。
「………よし。」
ビルドドライバーを外し、エボルドライバーを腰にまく。ドラゴンエボルボトルのキャップを合わせてライダーエボルボトルと一緒にドライバーにセットする。
『ドラゴン!ライダーシステム!』
『エボリューション!』
ドライバーのレバーを回し、ランナーが形成され、黒い霧がかかり、歯車も現れる。
『Are you ready?』
「変身……!」
『ドラゴン!ドラゴン!』
龍斗の体を借りたエボルトにランナーが挟み込むように合わさる。黒い霧が濃くなり、歯車が纏わる。
『エボルドラゴン!』
歯車が弾けて霧が晴れる。そこに現れたのはコブラの時のような天体模型のような肩と胸のアーマーではなくなり、シンプルになったアーマーを身に纏い、クローズのようにドラゴンを正面から見たような仮面。
『フッハッハッハッハッハ!』
「Phase2……完了……!」
ビートクローザーを持ち、龍玄と対峙する。
「おや、姿が合わさったような……合体でもしたんですか?」
「まぁある意味そうかもね、だから……私一人でアンタを倒す。」
「そうですか。」
ブドウ龍砲の引き金を引き、射撃する。エネルギー弾が迫り、被弾するギリギリの所でエボルトは高速移動を始める。コブラの時とは明らかに違う速さで龍玄に迫りビートクローザーで切りつける。
上段切り、外払い、そして蹴って後退させる。ダメージで腕が上がらず、エボルトにビートクローザーのチャージを許してしまう。ビートクローザーのグリップエンドを3回引くと刀身に蒼炎を纏う。
『ヒッパレー!ヒッパレー!ヒッパレー!』
『メガヒット!』
「はぁぁぁ!!」
龍玄を斬り上げて空中にいる間に更に追撃を与えるため、ドライバーのレバーを回す。
『READY GO!』
『エボルテックフィニッシュ!』
『CIAO!』
足に蒼炎が纏われ空中にいる龍玄に片足蹴りを食らわせる。木々を薙ぎ倒しながら飛ばされ変身解除して木と激突しようやく止まる。重症を負いながらもロックシードをなんとか解錠しクラックを通って逃げていった。
高速移動と蹴り飛ばした際にロックシードを何個か強奪しているため、脱出の問題は無い。エボルトは傷ついた結衣を背負って蒼兎達がいる場所へ向かう。
蒼兎も復活し転生者は銃口を向けられた状態で質問される。
「龍玄……さっきと奴とは何話してたの?」
「ちょっとした取引だよ。」
「どんな内容?」
「……力を与えるから我々の組織に協力しろってさ。」
「どういう意味だ?」
「お前ら仮面ライダーが俺らみたいなヤツを殺そうとしてるだろ?」
「だから、それから逃れるために同じ仮面ライダーから力を借りようってわけさ、代わりに俺らもアイツらに協力するって条件付きでな。」
「よくそんなに話せるな。」
「もう終わる人生だ、あんま役に立たねぇもん押し付けたアイツらへの復讐みたいなもんだ。」
「どうするの?蒼兎?」
「こいつは収容案件だな。」
「収容?」
「ああ、まだ人殺しねぇし、公正するチャンスがあるって訳だ。天界行きだな。」
「え?マジ?」
「しばらくそこにいろ、多分どこだろうが回収しに天界から遣いがくる。名前は?」
「日村だ。」
「一応覚えておく。」
しばらく話しているうちに龍斗から電話がかかってくる。森から出ることを伝えるが使った出口は使えないと知らされるが何とかすると答えて通話を切る。
「日村、ロックシードをくれ。」
「ん?ああ、やるよ。」
「風華、雷華、後ろの二人を担いでやってくれ。」
「OK」
「分かった。」
マンゴーの装飾があるロックシードを受け取り、解錠する。クラックが開き、風華と雷華が気絶している倉橋と片岡を担ぎ、蒼兎達は出ていった。しばらくするとクラックが開き黒いスーツに身を包んだ女性達が日村を回収していった。
「結衣ちゃん、俺らもここから出よう。」
『ロックシード奪ったから出れるよ。』
「ああ。」
龍斗もバナナの装飾があるロックシードを解錠し、森から出ていった。クラックが開いた場所は元いたショッピングモールから比較的近いコンビニの裏だった。