『Are you ready?』
「できてるよ……!」
『激凍心火!グリスブリザード!』
『ガキガキガキガキガッキーン!』
ナックルが全身の氷を破壊するように突き出ると現れたのは黄金ではないグリスだった。
ボディはメタリックブルーを基調にゼリー状だったクリア部分はメタリックなアーマーに変化している。脚部などはひび割れた氷のようなモールドが入っている。
肩アーマーの形状はグリスと同じだが右肩にはグリスのライダーズクレストが描かれ、左肩には龍斗達4人のクレストが重なるように描かれていた。
「色が変わっただけですか?」
「そうかな?」
蒼兎が踏み込むと一瞬で龍玄に肉薄し戟を右ストレートで折る。そのまま龍玄の胴体にパンチが突き刺さり、龍玄は大きく後退する。
「なるほど……いいでしょう!」
常人では目で追うことが出来ないスピードで動き、蒼兎と龍玄は互いに拳や脚をぶつけ合う。至る所で衝撃波が生まれ、目視できるスピードまで落ちた時、二人は各々必殺の一撃を与えようとしていた。
『ボトルキーン!』
『ヨモツヘグリスカッシュ!』
蒼兎はナックルを構え、龍玄は拳にエネルギーを纏っていく。
『グレイシャルナックル!』
『カチカチカチカチカチーン!』
互いに走り、射程距離内に入り拳とナックルをぶつけ合う。2つのエネルギーのぶつかり合いはその衝撃波で校舎内の窓ガラスを全て破壊する程だった。
ナックルをドライバーに戻した蒼兎はドライバーのレバーを回す。
『ジングルアイス!』
『READY GO!』
『グレイシャルアタック!』
龍玄もカッティングブレードを2回倒し右足にエネルギーを纏わせる。
『ヨモツヘグリオーレ!』
二人が動作を終えた直後苦しむような声を上げる。片膝を地面について倒れそうになる。しかし二人は立ち上がり相手に向けて回し蹴りを放つ。二人の蹴りは拮抗し互いに押される。
「蒼兎!」
「お兄ちゃん!」
「もういいよ!これ以上はもう!」
「アンタ死ぬつもりなの!?そんなの許さないわよ!!」
「私はまだ蒼兎くんに恩を返せてないんです!」
『相棒!』
「フフフ……幸せ者ですね……あんなに仲間に呼び止められて……。」
「ああ、全くだよ。」
蒼兎はドライバーのレバーを回し、龍玄はドライバーのカッティングブレードを3回倒す。
『シングルアイス!』
『ツインアイス!』
『ヨモツヘグリスパーキング!』
苦しむ声を上げながら、ドライバーの動作を終える二人。そこに突然魔方陣から伸びた鎖が二人を拘束する。
「そこまでだ、ここからは攻魔官、いや、この学校の教師としてこれ以上の行動を許さない。」
南宮那月、攻魔官として彼女の能力は魔方陣から伸びる鎖『戒めの鎖』。かなりの強度があるこの鎖によって拘束されれば逃れることはほぼできない。しかし蒼兎と龍玄は
「全く、せっかくの決着に水を差さないで頂きたい……こんなもの……!」
「こんな鎖は……!」
ギリギリと音を立て始める二人のライダーを拘束している鎖。二人が力を入れて鎖が千切れ始める。
「「うぉぉぉ!!!」」
拘束していた鎖を完全に破壊し二人は駆け出し飛び上がる。
『READY GO!』
『グレイシャルフィニッシュ!』
「「はぁぁぁあ!」」
空中でライダーキック、その衝突は今までのどの衝撃波よりも強く眩いものだった。ほぼ互角、威力も体力もほぼ同じ。しかし最後の最後。
決死の覚悟に応えるように攻撃の威力が上昇するグリスブリザードの性能によって龍玄を押し込んだ。競り負けた龍玄の胸部に蒼炎のキックが突き刺さる。
龍玄は落下し、蒼兎は着地する。龍玄は自身の消えゆく体を見て改めて負けたことを確認してしまう。
「ああ、皆さん……すみません……負けてしまいました……。」
消えるように消滅した龍玄を見届けた蒼兎は変身を解除する。自身の手足を見ると金の粒子が散っていた。
「蒼兎……。」
「…………」
「蒼兎、やったな……転生者ライダーを倒したぜ……?」
「「………」」
「これで次は主神だけなんだぜ?」
「……ああ、そうだな。」
「なんだよ、もっと喜べよ……なぁ?」
『龍斗……。』
龍斗達は蒼兎を見てどんどん体が消えかかっている様子に涙を流す。
「なぁ!嘘なんだろ!?お前が消えるなんてよ!?」
「お兄……ちゃん……また、私は……私は………。」
蒼兎は膝に力が入らなくなり倒れる。すぐに龍斗が支えるが蒼兎の体はほぼ消えかかっていた。
「蒼兎!!」
「龍斗……これをお前に託す、有効活用してみせろ。」
蒼兎は自身のスクラッシュドライバーを龍斗を渡す。
「何言ってんだよ!お前がいないでどうすんだよ!」
「風華、雷華、エボルト。結衣を頼む。」
「ふざけないで!アナタの妹でしょう!?最後まで自分で面倒見なさいよ!」
『主には蒼兎が必要不可欠なんだよ!そんな死に際みたいなセリフ言わないでよ!』
「ジャンヌ、他のサーヴァント達に、あとは頼むと、伝えてくれ。」
「………!」
「結衣」
「お兄ちゃん!!」
「俺がお前を避けてるように感じてたかもしれないが……俺はお前のことは、お前だけは、生前、唯一信頼していた妹なんだ。避けてるんじゃなくて、信じてるから、なんだ。」
「!!」
「柄にもなくペラペラと喋っちまった……あとは頼んだ………