〜龍斗side〜
詩音は早速、記憶を失ったというキンジに質問する。
「記憶喪失と聞きましたけど、ホントに何も覚えてないんですか?」
「ああ、幼少期以外のことは何も覚えていないよ。」
「一番最初の記憶は?失った後の最初の記憶、覚えてないですか?」
「ぼんやりとだけど……自分は倒れていた、それで誰が目の前にいて……手に何か持っていたような……。」
「目の前にいた男というのは……彼のことですか?」
詩音が指さし龍斗が写真を見せる。
「ああ、そうだよ。彼が目の前にいたんだ。」
龍斗と詩音が考え込むと雷華が話しかける。
「えぇーとところで、そこのツインテールの人との関係は?」
「俺の武偵のパートナーだった……って話を聞いてるけどね、俺が武偵だなんて……。」
「……ホントに何も覚えてないのね……。」
「あの、お名前は?」
「神崎アリアよ、私からもなんでこいつが記憶を失ってるのか分からない、大方その監視カメラに写った男が関係してる筈だけどまだ見つかってない。」
「あ、ありがとうございます……。」
自己紹介と共に武偵として自身が捜査したことも簡潔に伝えるアリアと呼ばれた少女。龍斗と詩音は他のことについて聞いてみる。
「武偵とか知識面に関しては覚えてるんですね?」
「ああ、失ってる記憶はここ10年くらいの物のようでね。」
「うーん……。」
二人が悩んでいると龍斗がポケットに入れていたビルドフォンが鳴る。
「すみません、今日のところは失礼します。」
龍斗が立ち上がり詩音がそれについていく。龍斗は雷華に耳打ちする。
「近くで超能力者の強盗だって。南宮先生から向かうよう言われてる。」
「分かった、行こう。」
三人が部屋を出ていき指定された場所へ向かう。三人の様子を見ていたアリアはキンジの腕を掴み、引っ張る。
「キンジ、アイツらについて行くわよ。」
「え、えぇ?何故だい?」
「いいから!」
〜風華side〜
風華とエボルトは古城に記憶について慎重に聞いていく。
「覚えていること、何かありませんか?」
「本当に何も覚えてないんだ……自分はどこから来てどこにいたのか……自分が分からなくてたまらなく怖い……!」
「………」
「(風華、これ以上は悪い刺激しかしなさそうだ。)」
「(ええ、そうね。戻りましょうか。)」
「そうですか……では、私達はこれで。」
「何か思い出したら連絡してください。」
風華は自身の連絡先を書いた紙を机に置いて部屋から出ようとする。玄関まで行くと中等部の制服を来た少女に後ろから声をかけられた。
「あの!」
「アナタは……?」
「中等部の姫柊雪菜です!貴女達は…仮面ライダー…ですよね?」
「「!?」」
自分達が仮面ライダーであるということは龍玄が襲撃した際にいた約50名の生徒と教師だけである。その中に中等部の生徒は居ないはずであり、目の前の姫柊雪菜と名乗った少女が知る由はないはずである。
「どうしてそれを……?」
「私はとある人の監視のために獅子王機関から派遣された者です!獅子王機関は仮面ライダーである貴女達を危険視していました、その正体が判明し目の前にいる以上、見逃すわけには行きません!」
「え?これもしかして戦う流れ!?」
「いいえ!先輩を元に戻してください!」
「「?」」
「先輩から記憶を奪ったのは貴女達なのではないですか!?」
「いやいや違いますよ!」
「私達は記憶を取り戻してもらうためにこうして手がかりがないか来てるんですよ?」
「じゃあ誰が先輩から記憶を奪ったのですか!?」
「それはまだ……。」
「でも、ここで実力行使するよりも仮面ライダーに任せた方がいいんじゃない?」
「分かりました……。」
部屋を出た風華とエボルトはそれらしい手がかりを見つけられなかったことに戸惑う。
「自分に関する記憶どころかその他もそれなりに失ってるわね……」
「手がかりはこの写真以外なし……か。」
〜龍斗side〜
超能力者の強盗があったという場所まで到着した龍斗達。コンビ二から煙が出ていることから間違いなくここであると確信する。煙の中からは三人の男が現れる。
ATMを肩に担いだ筋肉質な男、ガスマスクを付けた細身の男、二人に指示を出すリーダー格と思われる顔に火傷のあとがあるマントを羽織った男。三人は近くに止めてあったバンに乗り込もうとするが雷華が道を塞ぐ。
「邪魔だ小娘!死にたいのか!?」
ATMを担いだ大男が叫び、その巨腕を雷華に向かって振り下ろす。雷華は後ろに飛んで回避するがマントを羽織った男がその下からアサルトライフルを取り出し、雷華に向けて乱射する。
「嘘!?」
雷華に向かってくる銃弾は割り込んできた一人の槍兵によって全て弾かれた。
「すまねぇなマスター!遅くなった!」
「全然!むしろナイスタイミング!」
ランサー、クー・フーリンがマスターである龍斗の指示を受けてこちらに向かっていた。雷華に向かっていた銃弾を弾き、自身の『ゲイ・ボルグ』を三人の男に向けて構える。
「よし雷華、行くぞ!」
「OK!」
龍斗がエイムズショットライザーを腰に巻き付けようとすると詩音がそれを止めて、いつの間にか持っていたアタッシュケースからアイテムとバックルを取り出す。
「龍斗さん、今回はこちらを使ってもらえますか?」
そう言って詩音が差し出した時計型のアイテムと蛍光グリーンのレバーが付いた黒く大きな画面がある『ビヨンドライバー』を受け取る龍斗。
「よし……?」
ビヨンドライバーを腰に巻き付け、そこで動きが止まる。
「ごめん、これどうやって使うの?」
「じゃあそのミライドウォッチの上のボタンを押してください!」
「……こうか?」
『FATE!』
「ドライバーのレバーにセット!」
「お、おう!」
『アクション!』
詩音に言われるがままに操作していく龍斗。ドライバーにウォッチをセットした瞬間、龍斗の背後にスマートウォッチを思わせるエネルギー体が現れ、周辺に光の線が浮かび近未来的な待機音が辺りに響き渡る。
「最後に、もう一度ウォッチのボタンを押してレバーを横に閉じる!」
「おう!」
詩音に言われた通りにウォッチをもう一度押すとカバーが開く。レバーを横に閉じると黒く大きな画面に表示されていた人型の顔が『ライダー』と書かれた仮面の戦士に変わる。
『投影!』
『フューチャータイム!』
『英雄!聖杯!願望!』
龍斗の背後に浮かんでいたスマートウォッチを思わせるエネルギー体から『ライダー』の文字が飛び出し、周囲に光の円が龍斗を囲いスーツを形成しアーマーを空中に形作る。
アーマーが龍斗に装着され、ライダーの文字が頭部のバイザーにぴったり嵌る。
『仮面ライダーFATE!FATE!』
白を基調にしたライダースーツにスマートウォッチをベルトを模した銀のアーマー、頭部のバイザーには青く『ライダー』の文字があり、黒い角は時計の針を思わせ、針の中心である額には『カメン』と描かれたライダーズクレストがある。
合わせて読めば『仮面ライダー』と顔に書かれた仮面の戦士に変身した龍斗。その姿に雷華は驚愕し詩音は何故か拍手をしていた。三人の男達は全員が仮面ライダーの登場に気圧されつつもその姿に笑う。
「ハッハッハッ!」
「なんだその姿は!?」
「そんなんでどうやって俺達を止めんだ!?」
「え、なにこれ、どうなってんの?」
クー・フーリンに続いてやってきたルーラー、ジャンヌは自身のマスターと思われる仮面ライダーに変身した龍斗を見て驚愕する。
「マスターから……サーヴァントの反応が!?」