「いま病院から連絡があって、霊夢ちゃんが起きたって!」
「本当か!?」
「だかその意識はまた消える」
「「!?」」
突然聞こえてきた声に龍斗達が警戒を強める。
「アーチャー……!」
霊体化を解除して現れたアーチャーは隊員に守られている真藤に近づいていく。
「止まれ!」
ショットライザーを構えて隊員たちのと間に割り込む。
「今の発言……どういう意味だ!」
「言葉通りの意味だ、その真藤という女の中にあるアナザーウォッチを起動させれば霊夢という女の意識はまた消える。」
「なに!?」
「アナザーウォッチを埋め込んだのですか!?」
詩音がアーチャーに問い詰める。
「そうだ、マスターがウォッチをそのように改変して作った。そこにいる女は『試験体2』という訳だ。」
「試験体2…てことは1は……!」
「そろそろその1も、完全に力を手に入れるだろう。」
「まさか……騒ぎに便乗して殺せんせーを!?」
「ああ、試験体1を完成させ、試験体2をテストするためにこうしている。」
「喋りすぎたな、まぁいい。もうすぐ試験体1もやってくる、そうなればお前を全滅させることも容易い。」
「そんなことはさせない!」
風華と雷華がネビュラスチームガンを構え、アーチャーと対峙する。しかし
「龍斗さん!今の私達に勝ち目はありません!」
詩音の発言に龍斗達は困惑する。
「なぜだ!?この戦力であれば大丈夫だろ!?」
「ウォッチによってできた仮称アナザーキャラクターは、同じ力でなければウォッチを破壊できず倒せません、仮に倒すことができたとしてもそれは停止状態に入っただけ!また起動されて戦うことになります!」
「はぁ!?」
場所は変わり病室、ベッドに横たわっていた霊夢は目を開けて周囲を見回す。
「ここは……?」
ぼんやりとした頭の中で何故こうなっているのか記憶を辿る。入口付近で看護婦らしき人が霊夢を見かけた途端急いでどこかへ走っていった。窓を見ると既に日は落ちて真夜中である。段々の記憶を思い出してきた。
「そうだ私、写真の奴になにかされて……!」
ベッドから降りて点滴を杖代わりに病室を出る。
「みんなはどこ?」
「霊夢さん!」
連絡を受けた結衣がエボルの瞬間移動を駆使して駆けつけた。
「霊夢さん!起きたんですね!」
「結衣ちゃん……?」
結衣は霊夢に抱きついて涙を流す。
「良かった……私がもっと早くみんなと一緒に動いていれば……霊夢さんは……!」
「大丈夫よ、それよりも結衣ちゃんか来てくれて嬉しいわ……他のみんなは?」
「龍斗くん達は治安部隊の施設に行っちゃいました、なんだか急いでいる様子で……。」
「そうなの?」
「そういえば、その手に持ってるのはなんですか?」
「手?何も持ってな……なにこれ?」
結衣に言われ、何も持って居ないはずの手には白と赤のデバイスが握られていた。
「なにこれ?」
「龍斗くんが使っているものと似てますね?」
「っつ!?」
霊夢は突然頭痛と共に流れてきた記憶に顔をしかめる。
「大丈夫ですか!?」
「心配しないで、大丈夫よ。」
「それより、これは多分、龍斗達にとって重要なものになると思う。」
「え、どうしてそんなことを……?」
「なんでかは分からない、けど……そうね、これは私の直感よ。」
「うぅぅ、うわぁぁ!」
気絶していた真藤が突然、身悶え始める。
「ウォッチが再起動したか。」
「クソ!」
龍斗は隊員たちを退かして、真藤から離れさせる。
「どうしたんですか!?」
隊員たちが龍斗の行動に顔を歪める。
「離れてくれ!」
「うわぁぁ!!」
『レイムゥ……!』
またあの怪人と化した真藤に隊員たちが驚く。
「なっ……!」
怪人、アナザーキャラクターは御札を手に出現させ、それを龍斗達に投げつける。変身していない風華と雷華や隊員たちの間に割り込む龍斗。腕でガードするも御札はかなりの数が投げられていた。
ガードしていた龍斗に着弾する。大爆発が起き、龍斗の変身は解除されてしまった。
「ぐぅぅ……!!」
「龍斗!」
雷華が駆け寄る。風華はネビュラスチームガンにギアエンジン、ギアリモコンを装填する。
「潤動!」
ヘルブロスに潤動して真藤が変身した怪人に迫る。
「(不味い状況です……我々が撤退しても治安部隊の方々が危うい……しかしあの怪人を倒す手段がない……!!)」
「龍斗!立てる!?」
「ああ、大丈夫だ……まだやれる!」
雷華が龍斗を支えて立たせる。龍斗はビヨンドライバーを腰に巻いてウォッチを取り出す。
「!? そんな体じゃもう無理だよ!あの女神と戦った傷だって治ってないのに!」
「それでも……やるしかないだろ……!」
雷華に支えられながらも変身しようとする龍斗。そんな隙だらけの相手をアーチャーは見逃すはずもなく。銃剣を出現させて銃口を2人に向ける。
「(不味い!)」
引き金を引かれて銃弾が2人に迫る。しかし突然、銃弾は弾かれて2人に届くことは無かった。エボルに変身した結衣と病院にいるはずの霊夢が現れる。
「龍斗くん!」
「結衣ちゃん! って霊夢も!?」
ここにいるはずの無い人物の登場に龍斗と雷華は驚く。霊夢は頭を抱えて辛そうにしていた。結衣はアーチャーに手出しさせないために接近していく。
「おい霊夢!大丈夫なのか!?」
「ええ大丈夫よ……そんなことよりこれを……!」
「それは……?」
霊夢が龍斗に差し出したのはいつの間にか手に持っていたデバイスだった。どことなく龍斗が持っているミライドウォッチと酷似したそのアイテムを受け取り、それを見た詩音が声を上げる。
「龍斗さん!!それならあの怪人を倒すことができるかもしれません!」
「どういうことだよ!?」
「そこのアーチャーの発言が全て本当なら真藤さんが変身しているアナザーキャラクターの元は霊夢さんです!そして今霊夢さんに渡されたウォッチであれば倒すことができるかもしれません!」
「ああ!もう!倒せるのか倒せないのか分からん!ようするにやってみればいいんだろ!?」
FATEミライドウォッチを起動してドライバーに装着する。
『FATE!』
『アクション!』
ドライバーからの待機音とともに龍斗の周辺には光の線、背後にはスマートウォッチを思わせるエネルギー体から『ライダー』の文字が浮かび上がる。
ドライバーを閉じてウォッチのエネルギーを解放する。
『投影!』
『フューチャータイム!』
『英雄!聖杯!願望!』
『仮面ライダーFATE!FATE!』
背後のスマートウォッチからライダーの文字が飛び出し光の円が龍斗を囲ってスーツを形成する。アーマーが空中に生成されスーツにピッタリと合わさる。
頭部の仮面に飛び出した文字が嵌り変身シークエンスは完了した。ドライバーからFATEセイバーが飛び出し、掴む。
風華はアナザーキャラクターへ両腕の歯車を回転させてその肉体を削っていくが、有効打になっているような気がしなかった。スチームガンの引き金を引いて歯車のエネルギーを出現させる。
『ファンキーフィニッシュ!』
「ハァァ!!」
腕を振り下ろして白と緑の歯車のエネルギーを射出する。地面を削りながらアナザーキャラクターへ進み体を削りながら爆破した。
「ハァ…ハァ……!」
息を切らして爆煙を見つめる風華。しかし爆煙の中はアナザーキャラクターが健在だった。
「ウソでしょ……!」
再びアナザーキャラクターに向かおうとした風華だがそろそろ体力が限界に近い。どうするか考えていると頭上から何かが通り過ぎて相手を切りつけた。
「龍斗?」
「風華!雷華と霊夢を頼む!」
「大丈夫なの!?真藤さん全然倒せないけど!?」
「詩音がいうにはこれで大丈夫らしい……。」
腕のホルダーに取り付けられたウォッチをチラつかせてそういう龍斗。
「ともかく2人と隊員の人たちを頼む!」
「分かったわ……!」
切りつけた相手は手に御札を出して龍斗に向かって放つ。龍斗はセイバーの針を動かして引き金を引く。
『ガヴェイン!デュアルタイムブレーク!』
刀身に炎を纏わせて斬撃として放つ。龍斗に向かっていた御札はその斬撃で焼き尽くされ、さらにその余波がアナザーキャラクターを襲う。ホルダーから霊夢に渡されたウォッチを起動し、ドライバーに装填する。
『トウホウプロジェクト!』
ドライバーを閉じてウォッチのエネルギーを解放した。
『ライドウォッチブレイク!』
FATEセイバーを上に突き出す。頭上には陰陽を模した球体のエネルギー『陰陽玉』が出現し、龍斗がセイバーを振り下ろすと同時にアナザーキャラクターに向かっていった。
高速回転しながら迫る陰陽玉は相手の体をガリガリと削り、火花を散らす。その攻撃に苦しむような素振りを見せている。
「効いてる!?これなら!」
龍斗のセイバーの動きに合わせるように陰陽玉は動く。横に振り払って陰陽玉を相手にぶつけ、振り上げて体を中に浮かし、振り下ろして鈍器のように重い一撃を与える。
もう一度ドライバーのレバーを開閉させてウォッチのエネルギーを解放する。
『ライドウォッチブレイク!』
陰陽玉が纏う力を更に増大させ、龍斗はサッカーボールのように蹴り飛ばす。人間程の大きさである玉にも関わらず弾けるように相手へ向かっていく。
高速回転で削り取るように回り、耐えきれなくなった怪人は爆発した。煙の中からでてくる真藤が倒れる前に龍斗が受け止める。
「真藤さん!」
「なに!?」
結衣が応戦していたアーチャーが驚嘆の声を上げる。
「クッ……一時撤退だ……!」
霊体化したアーチャーを追うことは出来ず、結衣は変身を解除して真藤を抱える龍斗とそれを支える雷華に近付く。
「ホントに倒せてるのかな?」
「恐らくそうでしょう、今回は結衣さんのお手柄です。しかしなぜ相手と対応するライドウォッチを?」
詩音は自身の考察通りであると考え、そして解決の決定打となった結衣に聞く。
「霊夢さんが目覚めた時に持ってて、しかも直感でそれが必要になるって言ってて……。」
「ええ、別の世界の私の直感は、以外に当たるらしいわ。」
少し離れたところで見ていた霊夢は腰に手を当てながらそう言った。
かなり期間が空いてしまいました、申し訳ないです…。