「南宮センセー……冗談でしょ?」
「何を言っている貴様ら?」
「私達が数日前から護衛をしていたこの学校の教師ですよ!」
「黄色い触手が特徴的なセンセーです!」
「何を訳の分からないことを言っている?」
「はぁ……とりあえず今日は休め、お前たちはなにか勘違いをしている。」
「「「!?」」」
その後、3人は南宮のいる部屋から出されて家に帰るように言われるだけで廊下に立ち尽くしていた。
存在していたはずの人物が居ないものとして扱われていることにショックを感じている龍斗、風華と雷華の方を見ると2人も同じようなことを思っているようだ。
3人は無言のままシェアハウスまで帰り、玄関で霊夢に出迎えられた。
「おかえりなさい3人とも、どうしたの?」
「……霊夢、殺せんせーって知ってるか?」
「…え?誰それ?」
「ッ!」
「どうしたの?」
龍斗達は詩音に学校で起きた出来事を伝えた。詩音はしばらく悩むような顔を浮かべて考え込んでいたが、考えがまとまり龍斗達に伝える。
「恐らく仮称アナザーキャラクターによる影響かと思います。」
「なんでそう思うんだ?」
「みなさんが体験した状況的に恐らく原典となったアナザーライダーと酷似しているからです。」
「アナザーライダーについては相棒さんから教えてもらったかと思います。」
「ああ」
「アナザーライダーとアナザーキャラクターが同じ性質ならば、対象となったキャラクターの能力と歴史は奪われるため、無かったことになるのです。」
「殺せんせーを襲ったアナザー殺せんせーは、まだ完全に力を手に入れてなかったってアーチャーの野郎も言ってた……。」
「やっぱり私達が考えてたこと当たってたんだ……」
詩音のデスクに居たクロが雷華に問う。
『何を考えてたんだ?』
「教室で龍斗の所に行こうとしてる時に殺せんせー見てないねって話してたら、アーチャーが襲撃の時に言ってること思い出してね。」
『アナザー殺せんせーが完全に力を手に入れたから殺せんせーが能力を失い、その歴史も失われたって事だな』
「そんなこと、あっていいのかよ……。」
「龍斗さん?」
「だってよ、殺せんせーの歴史が失われたってことは、それに関係してた渚達も、殺せんせーのこと忘れてるってことだろ?」
「そうなります。」
「アイツらのこと、まだ深く聞いてないけど、積み上げてきたものがあるのは知ってる、それが無かったことになるのは、なんだかモヤモヤするんだよ!」
「そうね、なんとかしましょう。」
「詩音ちゃん、私達はどうすればいい?」
「アナザー殺せんせーを倒す他ないでしょうね、そのためには殺せんせーと同じ力を内包したウォッチが必要の筈ですが。」
『仮にあったとしても倒せるのか?相手はアナザーとはいえマッハ20で動けるんだぞ?』
「確かに……殺せんせーの護衛の時は力が半分だったからお姉ちゃんのヘルブロスでも対処できてたんだと思うけど……。」
「能力的な面を考えるのは私の仕事なので!そこはお任せ下さい!」
「みなさんは殺せんせーのライドウォッチ……というのはなんだか変ですね、キャラウォッチと仮称しましょう、そのキャラウォッチをどうにかしてください!」
「どうにかってどうやって……。」
「やることは山積みだね!でも渚くん達の為にもやろうよ!」
「……そうだな!」
夜の学園島、日が落ちてもその活動は活発である。学生達は寝静まってもあらゆる研究機関も集結している学園島は、夜になろうとも連日研究が続けられている。
建物の明かりがまだそこら中を照らし、その光が消えることは無く、都市部の夜の光景に勝るとも劣らない。そんな光景を高台から見つめるフードを被った人物が見つめていた。
「今度は殺せんせーの能力を奪ったのか……さすがに私もそれは無いなぁ……大丈夫かな、彼ら?」
「まぁヤバそうだったら私が出ればいっか。」
そんな軽い口調で夜の学園島を見ていたフードの人物は霧散するように姿を消した。
翌日、殺せんせーのキャラウォッチを入手法を何とか考えている龍斗は、現在の殺せんせーがどうなっているか気になり、調べることにした。
「(こーゆう調べ物、あんまり得意じゃないんだけどやるっきゃないよな!)」
放課後に図書館に向かい、渚たちから聞いた話を断片的に思い出しながら調べる。月が7割消滅した時に殺せんせーがやってきたという話を思い出したので、その記事を探す。
「あれ、龍斗?」
「雷華?どうした?」
「私も調べよーと思ってさ、こういうの苦手なんだけどね。」
「俺もそうだよ、苦手同士で組んでみるか?……つってもあんま変わんねぇーか……」
「まぁ一人でやるよりはいいよね。」
しかし、資料探しに慣れていない2人は夕暮れまで図書館で時間を潰すだけになってしまった。
「結局見つからなかったな……。」
「うん……。」
次をどうするか考えながら歩く龍斗、それを見て雷華は最近感じたことを話す。
「龍斗さ、最近変わったよね。」
「え?俺が?」
「うん、蒼兎が……その……いなくなった辺りから……。」
「……どうしてそう思うんだ?」
「私らは教育課の頃から一緒だったでしょ、その時から転生者に対して結構キツい当たりしてたけど、最近はもっと荒れてる気がするんだよね…。」
龍斗も自分に対し思うところはあった、しかし雷華に指摘されるとは考えていなかったため、動揺していた。
「はは、雷華に言われるとは思わなかったな……。」
「これでも私、ちゃんとみんなのこと見てるつもりなんだよ?」
「ああ、確かに雷華の言う通りかもしれないな。だけど雷華にも話しただろ、俺の兄貴のこと。」
「兄貴も蒼兎も、大切なヤツはみんな転生者絡みで死んじまった……真藤さんみたいに悪いヤツばかりじゃないのも知ってる、けどそれじゃ割り切れないくらい俺の中には怒りが渦巻いてるんだ。」
「だから、変わったって感じられてもこれを変えることは難しいかもしれないんだ……。」
「変わって欲しい訳じゃないよ、でも周りが見えなくなるのは危ないから私じゃなくても誰かに相談とかして欲しいの。」
「……善処する」
「……よし、暗い話は終わり!早く帰っておいしいご飯食べよ?」
「…ああ」
二人がシェアハウスに戻ると出迎えたのはジャンヌだった。
「おかえりなさいマスター、調べ物は何か成果がありましたか?」
「いやー俺も雷華もそういうのは苦手だからさ、全く分かんなかったよ……」
「そうですか……でも風華さんが手がかりを見つけたそうですよ?」
「お姉ちゃんが!?ホントに!?」
二人が足早にリビングへ向かい、風華と詩音がソファに座ってノートパソコンと向かい合っているのを見つける。
「風華!手がかりを見つけたのか!?」
「あら龍斗、雷華もおかえり。」
「ああ、それで手がかりは?」
「そう焦らなくても言うわよ…ほらコレ見て」
風華が指さして見せたのはPC画面、表示されてるのは掲示板のようである。掲示板自体はかなり真っ暗で陰気な雰囲気であり、内容を見てみるとかなり物騒なことが書かれていた。
「なんだこれ?」
「この世界のダークウェブの掲示板です。」
龍斗の質問に詩音が答える。
「ダークウェブって?」
「私たちがいつも使っているウェブサイトよりも危険で闇が深いウェブサイトみたいな感じね。」
「麻薬や銃など……まぁ銃に関してはこちらの世界では武偵は支給されてますが、危険な物を販売していたり映画などでよくある感じのヤツですよ!」
「で、この世界のダークウェブの掲示板になんかあったのか?」
「ええ、興味深い書き込みがありましたよ?」
掲示板には『伝説の殺し屋[死神]について』のタイトルと共に百何件かの書き込みがあった。
「この死神ってのは昔の殺せんせーのことらしいわ。」
「え!?殺せんせーって元殺し屋!?」
「そうですよ、原作通りなら彼は本来死んでいて多重クロスの世界の影響か延命しています、今は全く別ですが。」
「殺せんせーとなっているなら殺し屋や死神はいない筈です、ですがここの書き込みを見る限り彼はまだ現役のようです。」
「つまりどういうことだ?」
「歴史が変わったとはいえ本人が存在しているということは彼が仮称キャラクターウォッチを持っている可能性が高いです。」
「原典と思われるライドウォッチもそうでしたからね。」
「どこにあるか分かったはいいけど、入手方法ハード過ぎるだろこれ…。」
「そうでもありませんよ?」
「なに詩音ちゃん、もしかして殺せんせー……じゃなくて死神って人と会える方法……思いついたとか?」
「はい、私達が死神の標的になればいいんです!」
「「は?」」
チェンソーマン最高!
チェンソーマン最高!
アニメ化おめでとう!
オマエもチェンソーマン最高と叫びなさい!