渚から受け取った殺せんせーのキャラクターウォッチを握り締めながら龍斗はアナザー殺せんせーが入ってきた窓から飛び降りる。
「頑張って、仮面ライダー!」
渚からの激励の言葉を背中に受けながら龍斗は倒れているアナザー殺せんせーを見つける。直後に霊体化していたアーチャーが現れた。
「ふむ……なかなかやるようになったな?」
「戦うならさっさと来いよ!まとめて相手した方が楽ってモンだ!」
「威勢がいいな、だが図に乗るのも程々にしておけ。」
アーチャーは倒れているアナザー殺せんせーの体に手を入れる。物理的にありえない光景を目にしても龍斗は警戒を緩めない。
アナザー殺せんせーの体の中から真っ黒な禍々しいウォッチが現れ、アーチャーはそれを起動し再度、体へ戻した。
『コロセンセェー……!』
復活したアナザー殺せんせー、そして己の武器を構えるアーチャー。龍斗もFATEセイバーを構えていつでも対応できるようにする。
先に動きだしたのはアナザー殺せんせーだった。マッハ20の超高速で龍斗に肉薄し鞭のように触手を振り下ろす。
一瞬反応が遅れた龍斗だがセイバーを横に構えて受け止める。スピードがあってもパワーはそれほどでもないため、吹き飛ばされずに済む。
前蹴りで相手の体勢を崩そうとするも高速移動で攻撃は当たらない。龍斗は早速、渚から受け取ったウォッチのカバーを動かして起動させる。
『暗殺教室!』
ビヨンドライバーに装着されたFATEミライドウォッチを取り外し、ウォッチを装填する。自身の体へウォッチのエネルギーが循環していく。力が溢れるのを感じた直後、アナザー殺せんせーが攻撃を仕掛けてくるのが見えた。
鞭のような触手をセイバーで受け止めてから弾く。アナザー殺せんせーと同じ速度で行動できるようになっているため弾いた触手を切り落とすことができた。
痛みを感じているのか後退していくアナザー殺せんせー、逃がさないようにセイバーを投げて突き刺す。ビヨンドライバーのウォッチをFATEミライドウォッチに変えてレバーを開閉する。
『ビヨンドザタイム!』
『フェイト・エクスプロージョン!』
「アイツらの記憶、返してもらうぜ!」
足にエネルギーを込めて飛び蹴りを放つ。アナザー殺せんせーの体に刺さったFATEセイバーごと蹴り抜いて爆散した。
爆煙が晴れるとそこに居たのは他校の制服を着た高校生だった。近くには生徒の体から出てきた破損したウォッチをアーチャーが面倒そうな顔を浮かべながら見ていた。
深くため息をつきながら龍斗の方を向く
「高速で動かれてはこちらも手を出せまい。」
アーチャーの言葉を無視して龍斗はFATEセイバーを構える。
「今度は倒させてもらうぞアーチャー!」
『アルトリア!デュアルタイムブレーク!』
下からの切り上げで光の斬撃を飛ばす龍斗。アーチャーは白と黒の銃剣で防ぐも押されはじめている。突然空中から現れた人影がその斬撃を弾き飛ばすように着地した。
「新手か!?」
突如現れた人影を確認すると龍斗、その姿は自身が形式上従えているランサーのサーヴァント、クー・フーリンに酷似していた。しかし相対しているクー・フーリンは別人を思わせる程の禍々しい見た目をしている。
「ランサー……じゃないよな?」
「マスターからの命令だ、とっとと片付けるぞ。」
「バーサーカー……言われるまでもない。」
バーサーカーと呼ばれたサーヴァントは素早い速度で龍斗に迫る。禍々しい槍を突き出し龍斗の頭を的確に狙う。龍斗は上半身を捻ってFATEセイバーで軌道をずらしてなんとか防ぐ。
体を捻った反動で倒れそうになる体をバク転で下がりながら立て直し、2人との距離をとる。距離を取られたことでアーチャーが銃剣の銃口を龍斗に向け、弾丸を撃ち出す。
「そらぁ!」
「ハァァ!」
弾丸と龍斗の間に割って入るように龍斗のサーヴァントであるアルトリアとクー・フーリンが現れ、弾丸を己の武器で弾き落とした。
「ご無事ですかマスター!?」
「ったく、なんだよ俺に似た奴までいるじゃねぇか?」
「セイバー、ランサー…ありがとう、助かった。」
「礼なら後ほど、今は目の前の敵を集中を!」
相手が増えたことにアーチャーとバーサーカーは大した反応は出さない。
「2対3か……面倒だな。」
「だがこちらの戦力が3体も無駄になっている、これ以上の損失はマスターに咎められそうだ。」
「せめて、奴のドライバーを回収するという命令は守らんとな。」
「俺のドライバー?何が目的だよ!」
龍斗の問い掛けには答えずアーチャーとバーサーカーは向かってくる。セイバーはアーチャーを、ランサーはバーサーカーと相対する。
「マスターは撤退しろ!コイツらの目的はアンタだ!」
クー・フーリンが龍斗に声を掛けている一瞬の隙にバーサーカーは撓るほどの速度でクー・フーリンの胴体に槍を打ち込む。校舎の壁がほぼ崩れるほど吹っ飛ばされ、バーサーカーは龍斗の方へ向く。
「全呪開放、加減は無しだ……絶望に挑むがいい。」
龍斗はバーサーカーに魔力が溢れ、それが本能でマズいを感じた。しかし、既に遅くバーサーカーは自身の宝具を解放した。
バーサーカーが持つ禍々しい槍と似た骨のようなアーマーを身に纏い龍斗に肉薄する。
「マスター!」
アルトリアが龍斗の方へ向くがアーチャーが邪魔をする。
「
「ッ!!」
バーサーカーの猛攻が龍斗を襲う。剣で弾こうにも逆に弾かれ体の至るところを削られ、何度も何度も切りつけられてしまう。バーサーカーは最後の一撃として龍斗の胴体を爪で突き刺す。
仮面ライダーFATEのアーマーは傷だらけになるが破壊はされなかった。そのためスパークを走らせながら地面に転がり龍斗の変身は解除されるも切り傷のみで済んだ。
しかしダメージは大きく龍斗は立ち上がることができない。
「ウゥ……グァッ……!」
「マス……ター……!」
ランサーがボロボロの体でもなお立ち上がり、龍斗の元へ向かう。セイバーはなんとかアーチャーを引き離し、龍斗の近くで構える。
「マスター!ご無事ですか!?意識はありますか!?」
「セイ…バー……俺は……大丈夫だ……」
無理矢理立ち上がろうと必死に体に力を入れる。痛みに耐えながらふらつく足でようやく立ち上がる。
「いってぇ……!」
龍斗はスクラッシュドライバーを取り出して腰に巻こうとする。しかしアーチャーは龍斗の手を正確に狙って何発も打ち込む。間にいるセイバーが数発弾くも龍斗はドライバーを取り落とす。
バーサーカーが飛び上がり上から槍を突き刺そうと向かってくる。セイバーは龍斗を抱えて後退する。
「俺の宝具を受けて立ち上がるか……なら死ぬまで槍を打ち込むまでだ。」
「いや、十分だ。」
アーチャーが取り落としたスクラッシュドライバーを拾う。それに気付いた龍斗は叫ぶ。
「返せ!それ蒼兎から託されたモンだ!」
「俺たちのマスターが欲しがってたからな。」
「ふざけんな返せ!」
龍斗は痛みを忘れて激昂する。しかしアルトリアは戦況的に撤退を選択した。
「マスター!ここは撤退するべきです!」
「何言ってんだセイバー!アイツが蒼兎のドライバーを!」
アルトリアは龍斗を抱えて駆け出す、クー・フーリンもそれに続く。
「撤退するぞ、目的は達成した。」
「今ここで仕留めておくべきだと思うんだがな。」
「奴らにも宝具がある、死ぬ覚悟で来られてはこちらも面倒だ。」
「フン……。」
いつの間にかセイバーに抱えられている間に気を失っていた龍斗。目を覚まし周りを見渡すとシェアハウスのソファで眠っていたようだった。毛布をかけられ手当てもされていた。電気はついておらず時計は2時を指していた。
「ハァァァ………。」
深いため息をついてテーブルに置いてあるおにぎりと置き手紙を見つける。
『目が覚めたらそれを食べて傷を治しなさい。霊夢』
「……ありがとう、霊夢。」
おにぎりをほうばりながらサーヴァント2人が蒼兎とスクラッシュドライバーを奪った理由を考える。
「(アイツらはなんでドライバーを奪った?あの女神なら自分で作るかどうかできるんじゃないか?)」
いくら考えても答えはでなかったが1つだけ確信を持って言えることがあった。
「アレは蒼兎から託された大切なドライバーだ、ぜってぇに悪用させねぇ。」