突然、霊夢の後ろからリーゼント頭が手の平を頭の横に構えながら現れた。
「しまった!まだ倒せたか確認してなかった!」
「博麗さん!」
「な、なになに!?」
蒼兎はドライバーにとあるフルボトルをセットしレンチを下げる。
「動くなって言ってんだろ!」
蒼兎は両手を上げて、ネビュラスチームガンを置く。他の三人も武器を置く。しかしリーゼント頭の後ろから鎖が現れ、腕を拘束し引っ張る。蒼兎は駆け出し、霊夢の腕を左手で引っ張り、右手からは鎖が伸びていた。
リーゼント頭を拘束していた鎖は地面から伸びており、引っ張られるがまま押さえつけられる。蒼兎が持っている鎖も地面から伸びており、引っ張るとリーゼント頭の拘束が強くなる。霊夢は蒼兎に引っ張られた後に腰を抜かして尻もちをつく。
「地面を挟んで繋がってんのか……。」
「イデデデデ!!!」
置いていたネビュラスチームガンを持って銃口をリーゼント頭の眉間に向け、間髪入れずに撃ち込む。
霊夢は初めて人が死ぬ光景、人を殺す光景を見て、口を手で抑える。そして蒼兎は変身を解除し、霊夢の方を向く。
「俺が巷で噂の仮面ライダーだ。」
「な……なん、で?」
「こいつを殺したか、か?それが仕事だからだ。」
「…………」
「お兄ちゃん。」
結衣が蒼兎に向かってそう、呼びかける。
「……久しぶりだな、結衣。」
そして蒼兎は少し声を優しくして応える。
白神シェアハウスへ、結衣と霊夢に事情説明するために中へ入れる蒼兎。
「さて、さっきも言った通り俺の仕事はアイツらみたいな力を持って間違ったヤツらを殺すことだ。そしてそいつらを殺すために使ってるのが仮面ライダー、ってわけだ。そして、今日来た転校生共は俺の救援なんだと。」
「じゃあ、あんたは別に私ら一般人に危害は加えないのね?」
「ああ、俺はな。」
「その口振り、まるで自分以外は加えるって感じだけど?」
「こいつらが救援に来た理由は体育祭みたいなヤツらが複数人いるからだ。アイツも仮面ライダーだからな、一応。」
「仮面ライダーってアンタら以外にもいるのね……。」
「でも、なんでお兄ちゃんがそんなことしてるの?」
「………聞かないでくれ。」
「うん……」
「おい、蒼兎?白神さんと何かあったのか?」
「妹なんでしょう?大切にしなさいよ。」
「お姉ちゃんは私に優しいもんねーー!」
「い、いいんです!兄を責めないでください……。」
「いや、別に責めてるわけじゃねぇぜ?でもぎこちないって言うか?」
「お前らに話すことじゃねぇからな。」
「(確かにまだ会って一日だけどさ………。)」
「とにかく、事情は言ったし内密に頼む。」
「ええ良いわよ、ただし交換条件よ。」
「なんだと……?」
「私にあんなモノ見せつけて、更に秘密にしろなんて虫が良すぎるでしょ?オマケに私の神社でも戦ったし。」
「………」
「だから私はこのことも秘密にするし、なんなら手伝ってもいいわ。その変わりここに住まわせなさい。」
「…………は?」
「ここってシェアハウスよね?ならシェアしないと勿体ないじゃない?」
「何言って……は?お前は殺人鬼がいる家でシェアしたいのか?」
「悪人を倒してるんでしょ?それに私を殺すようなヤツに見えないし……。」
「…………」
「そういうことなら私も……お兄ちゃんと一緒に暮らしたい……!」
「結衣?なんでだ?お前まで便乗する必要は「結衣ちゃんも住まわせないとバラすわよ」………」
「あ!なら俺も!今日は野宿しようとしてたし、これから一緒に戦うんだろ!?なら俺もここを使わせてもらうぜ!」
「なら私達も、家賃は払ってもいいわよ?」
「私はお姉ちゃんと同じ部屋がいい!」
蒼兎はこの時、もし過去に戻れるなら神社で戦った自分にスクラップフィニッシュしたいと思った。
「分かった……住んでもいい、家賃もいらん。どうせ天界からの支援だ。だがルールを決めるぞ。じゃなきゃここでは住まわせない。」
「まぁ当然ね。」
「? なんで?」
「別に自由でいいだろ?」
「神木、お前は赤城姉の裸を見たいのか?」
「は!?///」
「ちょっ!?なんで私なの!?///」
「龍斗……?」
「あれ?雷華さん?目のハイライト消えてますけど……!?」
「じゃあルールその一。俺の部屋にあるアタッシュケース、あれに触れるな。触れたらその指を折るか切り落とすか殺す。」
「何入れてんだよーー?」
「言わん。」
「ルールその二…………適当に決めろ。」
「じゃあ、お風呂は女優先にしましょう。」
「確かに……雷華をお湯に浸からせるなら先がいいわね……。」
「風呂は好きにしろ、俺は嫌いだからシャワーしか浴びん。」
その後、意見を出し合い、ルールは決まっていった。部屋は蒼兎と龍斗、風華と雷華、結衣と霊夢がそれぞれ同室となった。それぞれ部屋で荷物を広げている。
蒼兎と龍斗の部屋では龍斗が呼び方について話していた。
「なぁ、名前呼びでいいか?白神だと、結衣ちゃんと区別つかんだろ?」
「………まぁいい。俺は白神って苗字嫌いだしな。」
「そうなのか?じゃあ尚更だな。よろしく、蒼兎。」
龍斗は手を出す。握手しよう、という意味だろう。
「ああ、よろしく。」
「あ、俺の事も龍斗でいいぞ!」
「考えとく。」
「えぇー?」
風華と雷華の部屋
「ねぇお姉ちゃん。」
「何?雷華。」
「蒼兎って人、どう思う?」
「そうね、悪いヤツではない…と思う、実力もあるし。」
「そっか……ならお姉ちゃんを信じるよ!うん!」
結衣と霊夢の部屋
「ねぇ、白神さんだと、アイツと同じだから結衣ちゃんって呼んでいい?」
「はい、いいですよ。」
「そう?じゃあ私のことも霊夢って呼んで?」
「れ、霊夢さん……?」
「これからよろしくね?結衣ちゃん。」
翌日の朝。いつも通り蒼兎は起床し、リビングへ向かう間、なにやら料理している音が聞こえた。覗いてみると霊夢が何やら作っていた。
「何やってんだ?」
「なにって朝ごはんよ?早く座りなさい。」
「いや、朝食は抜く派なんだ。」
「座りなさい。」
「…………」
「座 り な さ い 」
言われた通りに座ると、ベーコンエッグやトーストが出てくる。
「巫女なのに洋風なのか?」
「いいでしょ別に、じゃあ結衣ちゃん達を起こしてくるから。」
蒼兎が待っていると龍斗は眠たそうに目を擦りながら、風華、雷華、結衣は制服に着替えて降りてくる。
「蒼兎……早いな……?」
霊夢によって席につかされ、シェアハウス全員で食事をとる。
「上司はこいつらを入れる予定だったのか?」
『賑やかになったなぁ………』
「うわっ!?なに!?なんか聞こえた!」
「ああ、忘れてた。俺の相棒は頭に直接語りかけるタイプのヤツだ。よろしく。」
『おう、俺が蒼兎の相棒だ。相棒さんでいいぜ。』
「な、なんか不思議な感覚ね……。」
「あはは!面白ーい!」
「お兄ちゃんに知らず知らずの内に相棒と呼べる人が出来たなんて……!!」
『いや、人じゃねぇがな?』
「ねぇ龍斗、あんた着替えないと遅刻するわよ。」
「あ!やべ!」
学校へ登校する間、蒼兎の龍斗達に対する呼び方について話になった。
「これから一緒に暮らして一緒に戦うわけだし、苗字じゃ分かりにくいんじゃない?」
雷華がそう切り出す。
「俺のことは好きに呼んで構わん。お前らは苗字でいいだろ?」
「いやいや、俺のことは名前呼びって言ったろ?」
「一回でいいからさ!私達のこと名前で呼んでみてよ!」
「はぁ………。」
「うわっ、露骨に嫌そうな顔。」
「龍斗、風華、雷華。これでいいか?」
「じゃ私も霊夢で。ほら!」
「……霊夢。」
「あんまりだね?」
「そうね、何か変わると思ったけど。」
「なんなんだお前らは………?」
「お、お兄ちゃん?」
「結衣はずっと名前呼びだから大丈夫だ。」
『(いやしかし、ホント一日の間に増えたなぁ……。)』
相棒は感慨深くこの様子を聞いていた。