転生省特典犯罪制圧課活動記録   作:蒼かえる

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ファイル8 休息のとり方

白神シェアハウスに龍斗達が来てから数日。転生者が現れ特典や魂を回収し撤収するまでの時間が大幅に減った。これによってこの世界の警察組織や武偵に証拠を残すことなく活動できていた。

 

しかし龍斗達が来た目的は転生者ライダーとの対抗のため。その転生者ライダーが最近はなりを潜めていた。だがいずれ現れる驚異をただ待つだけとは行かず、蒼兎は対策について考えていた。

 

「(あっち側がどんなライダーかは分かってる、けどそれに対抗できて現状使えそうなライダーは今のところ無い………どうしたもんか……。)」

 

思考している蒼兎に龍斗が声をかける。

 

「おーい蒼兎、買い物に付き合えってさ。」

 

「なんだって?」

 

「買い物だよ買い物、荷物持ちになれってよ。今日は土曜日だし日頃飯作ってるんだから荷物持ちぐらいしろってさ。」

 

「飯作ってるのはここに無家賃で住んでるからじゃないのか……?」

 

『まぁいいじゃねぇか、最近は転生者が出る数も少ないし。こいつらにも息抜きってヤツもいるだろ?』

 

『(相棒にもだが。)』

 

「そうか……。」

 

相棒にも言われた蒼兎は息抜きも兼ねて買い物に付き合うこととなった。

 

 

 

 

 

「霊夢さんは何を買うつもりなんですか?」

 

「えーとね、夏に向けての水着……とか?」

 

「あ、それいいわね。」

 

「お姉ちゃん、オソロにしよ!」

 

「蒼兎、俺らはどうする?」

 

「どうせ荷物持ちなんだろ?カフェかなんかにいるから好きな時に呼べ。」

 

そこからは自由行動となり、結衣や霊夢達は固まってショッピングを開始した。蒼兎は適当な場所を見つけて店に入ろうとする。龍斗もそれに付いていく。

 

「龍斗、別にお前は来なくていいんだぞ?」

 

「女子の集団に男一人だと肩身が狭そうだ、勘弁してくれ……。」

 

『まぁそうなるわな。』

 

蒼兎と龍斗はショッピングモールの中にある『nascita』と書かれたカフェへ入りくつろぐ。

 

「ふぃー……。」

 

「……………。」

 

「こうして落ち着いて蒼兎と話すのは初めてかもしれないな?」

 

「特にないだろ?話すことなんて。」

 

「いや、是非聞かせてほしいね。今までどんな転生者を倒してきたのか、俺への印象とか。」

 

「……大した面白い話じゃないぞ、俺が倒した転生者なんて……でもお前への印象は……そうだな………。」

 

少し間を置き、考える素振りを見せる蒼兎。

 

「まだなんとも言えないが……お前は俺へのサポートと戦況を理解することに長けている、と思う。」

 

「おお、以外に好印象?」

 

「だが、一人で戦闘にまわったとき、攻撃に隙があり過ぎる。一撃でも致命的な戦いの時、お前は危なすぎる。」

 

「うぅ、気をつける……。」

 

「まぁ、強くはあると思うぞ。」

 

『相棒は優しいねぇ…?』

 

「これ優しさに入んの?」

 

 

 

 

 

時刻は午後四時。途中度々荷物を持たされ、もうそろそろ買い物を終えて結衣達が戻ってくると考えた蒼兎は噴水がある広場で龍斗と待っていた。

 

「おまたせ、暇だった?」

 

「霊夢……お前はどこからこんなに物欲が出てくるんだ?」

 

「わ、悪かったわね!」

 

「いやーでも楽しかったー!」

 

「そうね、久しぶりに肩の力を抜けたわ。」

 

「私の水着も選んでもらってすみません……。」

 

「よーし!訓練だと思って帰りますか!」

 

蒼兎と龍斗が荷物を持ち始めると霊夢に声がかかる。

 

「あら?霊夢?何してるの?」

 

「あー咲夜。ちょっと買い物。あんたは?」

 

「私もよ、そこの人達は……?」

 

「ああ、言ってなかったわね。私今シェアハウスで暮らしてるの。」

 

「え……?」

 

「なによ?悪いの?」

 

「いいえ、それを聞いて安心したわ……。」

 

「あなた、またにファミレスに行っても水しか飲まなかったりしてたし、神社で寝泊まりするのはさぞ苦しかろうと思ってたら……。」

 

「う、うるさいわね!?いいでしょもう!」

 

「霊夢、この人は?」

 

「ああ、まだ紹介してなかったわね。『十六夜 咲夜』、私の友人よ、付き合いが長いの。」

 

「そこの荷物持ちは蒼兎と龍斗、双子の二人が風華と雷華、この子が結衣ちゃんね?」

 

「よろしくお願いします、皆さん。」

 

「畜生、声は綺麗だけど前が見えねぇ!」

 

少し談笑しているとエレベーターの方向から悲鳴が上がる。

 

「「「!?」」」

 

エレベーターの影から明らかに人ではない怪人達がそこにいた。丸まった背中に赤、青、緑とそれぞれ違うカラーの肉体。その中にはリーダーなのか他よりも何倍も威圧感がある比較的人と同じ形をした鹿のようなツノがついた怪人がいた。蒼兎が驚愕と検討がつき忌々しげに怪人達の名を口にする。

 

「インベス………!」

 

蒼兎は荷物を置いて既に戦闘態勢となっており、他の者も拳を構える。

 

「お前ら、分かってるとは思うがここでは変身、潤動するなよ?」

 

「分かってるって、要するにフルボトルで殴ればいいんだろ!?」

 

「結衣ちゃん、私達はみんなを安全な所へ!」

 

「はい!」

 

「咲夜も!手伝って!」

 

「あ、言い忘れてたがアイツらの攻撃をくらったら死ぬまで苦しむ奇病にかかるからな。」

 

「「「え!?」」」

 

「行くぞ!」

 

蒼兎は開口一番に一番手近かにいた赤のインベスへ思い切り右ストレートで殴る。

 

蒼兎達はライダーになるためにネビュラガスを注入し、ガスの耐性であるハザードレベルが4.0以上のため変身できる。ハザードレベルは高ければ高いほど身体能力が上がる。

 

その格段に上がっている身体能力で放った蒼兎の右ストレートは下級とはいえインベスを数メートルふっ飛ばす程だった。

 

龍斗はドラゴンフルボトルを振り続けてボトルの成分を活性化させ続け拳に蒼い炎が宿る。

 

「ウラァァ!!」

 

青の下級インベスに向けてラッシュをし続ける。鉤爪を振るおうとするが爪が自身を引っ掻く前に腕に当たる部分を当ててガードし顔面にアッパーを食らわせる。

 

風華と雷華はお互いに蹴りを入れ続けながら緑の下級インベスを下がらせていく。鉤爪で引っ掻こうとしてもその前に蹴りを入れられ二人に攻撃を与えられない。

 

蒼兎達がインベスを抑えている間に結衣と霊夢と咲夜が避難誘導を終えてくれた。

 

「蒼兎!やっちゃって!」

 

「ああ!」

 

蒼兎と龍斗はスクラッシュドライバーを装着し、二人各々ゼリーをセットする。

 

『ロボットゼリー!』

『ドラゴンゼリー!』

 

「風華!」

 

「?」

 

蒼兎が風華に自分のネビュラスチームガンを投げ渡す。

 

「いいの!?」

 

「効率優先だ!」

 

風華と雷華も二人各々のギアをセットする。

 

『ギアエンジン!』

『ギアリモコン!』

 

「「変身(!)」」

「「潤動!」」

 

「え!?あれって……!?」

 

「咲夜!アンタも逃げなさ…………あーー。」

 

「見ちゃいましたね……お兄ちゃんになんて言おう……?」

 

 

 

 

 

蒼兎はツインブレイカーでよってきた二体の下級インベスを横薙ぎで削る。その上から龍斗が片方のインベスにエネルギーを纏ったブレイカーの杭で削る。

 

「ラァァ!」

 

『シングルブレイク!』

 

蒼兎達と生身で戦っていた時から蓄積していたダメージで片方のインベスは龍斗の一撃で爆散する。その爆炎からもう片方のインベスへ龍斗が攻撃を仕掛ける。ブレイカーの杭を突き出し、インベスは盛大に火花を散らす。

 

後ろからブレイカーをビームモードにしてロボットフルボトルを装填した蒼兎が構える。

 

『シングルフィニッシュ!』

 

「当たりたくなきゃ伏せろ!」

 

「ええ!?」

 

龍斗は前かがみになり、その上から蒼兎のブレイカーの光弾が連射されインベスを散らす。

 

「あっぶねぇだろ!」

 

「当たってねぇからいいだろ?」

 

 

 

 

 

「お姉ちゃん!」

 

「分かってる!」

 

雷華がスチームガンと肉弾戦で攻め、風華は雷華から借りたスチームブレードをネビュラスチームガンと合体させライフルモードにして正確さが更に上がった射撃で援護する。

 

雷華に下級インベスの鉤爪が振り下ろされる前に狙撃で狙いをそらす。隙ができた下級インベスへ雷華の至近距離での射撃。何発も命中した下級インベスは爆発四散する。

 

「やったわね。」

 

「うん、お姉ちゃん!」

 

 

 

 

 

「あとはあの鹿みてぇなヤツだけだな!」

 

龍斗が武器を構えると蒼兎はレンチを下げて足にエネルギーを纏わせる。

 

『スクラップフィニッシュ!』

 

「ラァ!」

 

放たれたキックによって吹っ飛ばされ壁に激突し、爆散する。

 

「えぇ………。」

 

「もうそろそろ武偵が来る頃だ、引き上げるぞ。それに天界からの処理班だってここの防犯カメラを偽装するのだって大変なハズだ。」

 

「あー蒼兎?」

 

「? どうした霊夢?」

 

「ま、まさか霊夢のシェアハウスの人達が……仮面ライダーだなんて……。」

 

「……言いたいことは分かった。」

 

すると蒼兎は懐から消しゴムの成分が入った『消しゴムフルボトル』を取り出す。

 

「蒼兎、何する気なの?」

 

「記憶を消す。」

 

「……え?」

 

すると霊夢が蒼兎の前に立つ。

 

「させないわよ。」

 

「霊夢、何故あの時お前の記憶を消さなかったのか……それは知られたのが数日前だったからだ。だがそこの咲夜は今知った人間だ。今ならなんの違和感もなく記憶を消せる。」

 

「それで黙って友人の記憶を消されるのを見てろっての?」

 

「……………。」

 

「(どっ……どうしよう……お兄ちゃん……!)」

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