バカとゲームとドロップアウト!?(凍結)   作:あんこ入りチョコ

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今回は自己紹介編です。
1話にまとめたかったので長めになってます。
ラティアスの厳選(まだ終わってない)だったり、ゲームのイベントだったりで少し遅くなりました


馬鹿と仲間の自己紹介

教室に入って、僕達は2つ隣同士で並んでる机(ちゃぶ台)に座ると、隣の人物が声をかけてきた

 

 

「よお、明久。遅かったじゃねーか」

 

赤髪でツンツン立っている髪の毛の持ち主だ。

 

「おはよう雄二。朝、ちょっと色々あってね」

 

そして僕たちの友人でもある。

話しかけてきた男子生徒の名は坂本雄二。僕の悪友だ。

 

「まぁ、お前のことだからそこで寝始めた天真かお前が何かやったんだろうが、そこは聞かないでおいてやる」

 

「まったく、いつも鋭いねー。それにしても、なんで雄二がFクラスなの?Aクラスにも行けたよね」

 

雄二は元々、神童とも呼ばれてたほどに頭が良くて、色々あって悪鬼羅刹って異名もついてたんだけど、1年の時のある出来事がきっかけで、Aクラスレベルの成績も取れるはずなんだけど…

 

「まぁ、色々あってな。俺はこのクラスの代表だ」

 

クラス代表、それは振り分け試験で振り分けられたクラス内で最も成績がよかった人物のことで、試験召喚戦争では代表が戦死するとクラスが敗北するなど、クラスで重要な役割を持つ人物なんだけど…

 

「代表ってことは、それこそなにか企んでるでしょ…」

 

「ま、もうちょっとしたらそれも教えてやる」

 

「静かにしてください。みなさんおはようございます。えー…担任の福原慎(ふくはらしん)です」

 

福原先生はそう言って自己紹介をしたけど…

 

「ねぇ雄二、先生はなんで黒板に名前を書かなかったの?」

 

「あぁ、早めにこのクラスに来て設備を確かめてたんだが…この教室にはチョークがなかった」

 

「…え?まじで?」

 

「あぁ、マジだ」

 

チョークすらないって…どんな教室だよ…

 

「では、自己紹介を始めましょうか。そうですね。廊下側の人からお願いします」

 

福原先生の提案で自己紹介が始まった

福原先生の指名を受け、車座を組んでいた廊下側の生徒のひとりが名前を告げる。

 

「木下秀吉じゃ。演劇部に所属しておる」

 

最初に自己紹介をしたのは、去年からのクラスメートで友達の木下秀吉だった。見た目は完全に美少女なのに自分のことを男だと言い張る彼は、このクラスの天使でしかない。

 

そうやって頭の中で誰に対してかかわからないけど説明をしていると次の人が立っていた。

 

「…………土屋康太」

 

次に立ち上がったのは、ムッツリーニこと土屋康太だ。彼はまぁ、一言で表すとエロの化身だ。それ以上でも、それ以下でもないと思う。

 

「島田美波です。海外育ちでまだ分からないことも多いけれど、仲良くしてくれると嬉しいです」

 

次の人は、このFクラス数少ない女子の内の一人、島田美波さんである。日本生まれドイツ育ちの帰国子女で、会話は問題なくできるが、日本語を読み書きするのは苦手だけど、Bクラス並の学力を持つ聡明な女の子だ。

 

 

類は友を呼ぶ、というやつだろうか。なんだか知り合いが多い気がする。

いや、でも僕はそんなに馬鹿じゃないはずだ!!

 

 

「では次は、胡桃沢さん、お願いします」

 

福原先生の言葉に、教室のど真ん中に鎮座していた、ツインテールを輪っかのようにした髪型とコウモリをモチーフにしたヘアピンが特徴の女の子……胡桃沢さんは、高笑いを上げながら起立した。

 

 

遠からんものは音に聞け!

近くば寄って目にも見よッ!

我が名は胡桃沢=サタニキア=マクドウェル!

いずれはこの世界を支配し、頂点に君臨する大悪魔よ!なーっはっはっはっは!」

 

ちゃぶ台に立ち上がって、胡桃沢さんは高らかに宣言した。

瞬間、教室が居た堪れない空気に包まれる。

 

 

「うわぁ……」

 

「ちなみに、そこにいるガヴリールは私の永遠のライバルよ!私のライバルになりたいのなら、まずはそいつを倒すことね」

 

「誰がライバルだって?」

 

むくりと、めんどくさいオーラ全開で起き上がるガヴリール。

胡桃沢さんもまた、月乃瀬さんと同じく悪魔である。それ故なのか天使であるガヴリールを一年生の頃からずっと目の敵にしている。

…その割には仲良さそうだけど。

 

 

「では、次は天真さん。自己紹介をお願いします」

 

「めんどくさいなぁ…

あー……天真=ガヴリール=ホワイト。好きなのはゲーム。よろしく」

 

その後は淡々と自己紹介は進み、やがて僕の番が訪れた。

 

「吉井明久です。気軽に『ダーリン』って呼んでくださいね♪」

 

 

 

「「「ダァァーーーーーーリィィーーーーーン!!」」」

 

 

 

野太い声の大合唱。これは非常に不愉快だ。

 

 

「失礼、悪れてください。趣味はゲーム、とにかくよろしくお願いします」

 

 

突然教室のドアがガラッと開いた。皆の視線がそちらへと向かう。そこにいたのは、息を切らせて胸に手を当てた女子生徒。

 

「あ、あの、遅れてすみません……」

 

「丁度良かったです、今自己紹介をしていたところなので、姫路さんもお願いします」

 

 

 

「はっ、はい!あの、姫路瑞希と言います。よろしくお願いしますっ」

 

 

「あの! どうしてここにいるんですか?」

 

このクラスの大半が思ったであろう一言を、ある男子生徒が質問する。

聞かれようによっては失礼な質問であるが、姫路さんは学年トップクラスの学力を持つ才女だからだ。

そんな当然Aクラスにいるべき彼女が、何故かFクラスの教室にいる。

 

「そ、その……振り分け試験の最中に、高熱で倒れてしまって……」

 

配属クラスは振り分け試験の総合点で決定する。

試験の途中退席は失格、つまり0点扱いになってしまうのだ。それ故に、彼女はFクラスに配属されることとなってしまった。

彼女の説明に合点がいったのか、今度はFクラスの面々が各々言い訳を始めた。

 

 

「私はラティアスの厳選に忙しかったのでそれで」

 

 

「忙しいどころかいまだに終わってないよね…というか、今朝言ってたことと違うし…」

 

ガヴは前日に自力で、ラティアスの色厳選をしてみせる!といい、自ら天への祈り(物理)を封じてラティアスの色厳選をしている。

まぁ、いまだに終わってないんだけど…

 

 

「で、では、今年一年よろしくお願いしますっ!」

 

姫路さんはいい加減注目の的なのが恥ずかしくなったらしく、逃げるように空いていた席についた。雄二の席の隣だ。

ガヴリールも淡々と続く自己紹介に飽きてきたのか、座布団の上でウトウトし始めている。

 

「坂本くん、君が自己紹介最後の一人ですよ」

 

姫路さんも自己紹介を終え、その後も特に問題なく自己紹介を終え、いつのまにか代表の雄二のみとなる。

了解、と短く応え、雄二は教壇に立った。

 

 

「Fクラス代表の坂本雄二だ。俺のことは代表でも坂本でも好きに呼んでくれ。さて、皆に一つ聞きたい」

 

雄二は長身なこともあって高い目線から僕らや教室を見回す。

かび臭い畳。古く汚れた座布団。薄汚れた卓袱台――

 

 

「Fクラスはこんな環境なのに対し、Aクラスは冷暖房完備の上、座席はリクライニングシートらしいが――不満はないか?」

 

 

 

「「「大ありじゃあーっ!!」」」

 

 

2年Fクラス生徒たちの、魂の叫び。

 

 

「ああ、そうだな。俺だって、代表としてこの格差に問題意識を抱いている。そこで提案なんだが」

 

 

バン、と教卓を叩き――雄二は自信たっぷりの不敵な笑みを浮かべて告げた。

 

 

「俺たちFクラスは、Aクラスに試験召喚戦争を仕掛けようと思う!」

 

 

雄二が、戦争の引き金を引いた




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ポケモンバトルの回はあと少しで書きます

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