双璧の結晶と双璧が行くIS世界   作:白銀マーク

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高い壁とやさしさと

 戦闘で傷ついた二人を病室に送った後、アキラはその後を一夏に任せ、病室を後にした。

 

「ねぇ、アキラ」

 

 そのアキラにシャルルも付いて行っていた。

 

「なに?」

 

「僕にさ、隠してることない?」

 

「隠してること、か」

 

「言いたくないんなら言わなくてもいいんだよ!?」

 

 アキラの雰囲気を悟って大慌てで取り繕おうとしてくれる。

 

「いや、いつかは話さないといけないんだろうな・・・僕の罪も、過去もすべて・・・・・・」

 

 遠くを見上げ、ぽつりとつぶやく。シャルルには聞こえた。だが、深く掘ることはできなかった。

 

(高い、高い壁がある・・・・・・)

 

 壁は聞くなと、踏み込むなと、高く厚く固く。

 

「あ、ごめんね。雰囲気悪くしちゃったかな?」

 

 アキラとて、空気の読めない人間ではない。だから気づいた、完全にアキラのせいで雰囲気が重くなっていることに。

 

「ううん、大丈夫」

 

 そこから会話を続けようとしたが、会話は続かなかった。

 

「みんな、いたよぉっ!」

 

「ん?」

 

 後ろを向くと大勢の生徒が紙を一枚持ってアキラたちを目指して走ってくる。

 

「ど、どうかしたの?」

 

 

 

「こ、これっ!」

 

 そう言って紙をアキラに。

 

「こ、これはっ!?」

 

 学年別トーナメントのルールの改定、「二人での参戦」又は「ペアが決まらない場合、」だった。

 

「みんなごめんね、言いたいことは分かったんだけど、僕はシャルと組むよ」

 

 シャルルの意見は一切聞くことなく勝手にそう言い切った。

 

(たぶん、一緒に組もうって押し寄せたんだよね)

 

「そっかぁ、それじゃあ、仕方ないねぇ」

 

 押し寄せてきた生徒たちはさらっと引き上げた。アキラの予想は的中していた。

 

「ふぅ、あれは怖いねぇ」

 

「助けてくれてありがと」

 

「君のことがバレちゃったら困るからね、それにさ」

 

 そう前置きして空を見上げる。黒く、点々と輝きのある空を。

 

「君とは一度、ペアを組んでみたかったんだよね」

 

「ふぇ!?」

 

「僕はさ、中距離戦ができないんだよ。だから、中距離戦できる人とペア組みたかったんだぁ」

 

 アキラの顔は戦い、勝つ。それを目指すもの、戦士の顔でありながら、瞳は空を点々と色づける輝きよりも輝いてた。

 

 

 

「なぁんだ、そっちかぁ」

 

 肩を落とす。

 

(僕と組みたい理由がその理由じゃなかったらよかったのになぁ)

 

「ご、ごめん。無神経なこと言っちゃった?」

 

「ううん。ただ、アキラなんだなぁって、そう思っただけ」

 

 ちょっと安心した顔を見せるアキラに満面の笑顔で。

 

「学年別トーナメント、よろしくね、アキラっ!」

 

 

 

 

 

 

 そこから部屋に戻った。もともと、寮に戻るために一緒に戻っていたのだ。

 

「そういえばさ、シャル、ずっと男の口調だよね?」

 

「うん」

 

「無理、してない?」

 

「ここに来る前に徹底的に直されたから、無理はしてないよ」

 

「ならよかった」

 

「アキラが気になるのなら、二人だけの時ぐらい、女の子っぽく話せるように努力するけど・・・」

 

「いや、そんなこと気にしなくていいよ。シャルは今のままでも可愛いから」

 

「可愛い!? 僕が!? 嘘ついてない?」

 

「嘘なんかついてどうするのさ?」

 

「うんっ! じゃあ、別にいいかな」

 

 嬉しそうな顔をしてるシャルルを見て、アキラはほほ笑む。

 

「じゃあさ、先、着替えなよ。僕外で待ってるからさ」

 

 そう、シャルルは本当は女の子。つまり男が着替えの間にいていいわけがないのだ。

 

「え!? いいよ、アキラに悪いし・・・その・・・僕は気にしないから」

 

「女の子がこういう時に気を使っちゃいけません。それに、君は気にしなくても僕が気にしちゃうかもしれないから」

 

「で、でも、男同士なのに着替え中に外に出たら変に思われちゃうよ?」

 

「そ、それも・・・そうだね・・・」

 

「うん」

 

 これはアキラとしては困る、なんせ着替えないのだ。服は制服以外にはブリタニアのラウンズの騎士服しかない。

 

「わかった、じゃあ・・・僕、後ろ向いてるから。終わったら声かけて」

 

 服を脱ぐ音が聞こえる。普通の男なら官能が刺激されるのだろうが、アキラはその辺、ひっじょうに疎い。

 

(どうしてこうなったんだろ?)

 

 よくよく考えてみれば、脱衣所に行けばよかった話なのだ。

 

「うわぁっ!?」

 

 ドスンっ!

 

「ど、どうした!?」

 

 大慌てで後ろを向くと下着姿のシャルルが足首あたりにズボンをひっかけてこけていた。

 

「いったたた・・・足引っかかっちゃった・・・。・・・えっ!?」

 

「っ!?」

 

 アキラはとっさに顔をそらす。

 

「あ・・・あぁ・・・・・・」

 

 悲鳴発射態勢、よしっ!

 

「ひ、悲鳴はダメだってっ!」

 

 シャルルの口を塞ごうとする。もちろん、顔はそらしたままだ。顔をそらしたまま、それが悪手だった。

 

「!?!?!?!?」

 

 抑えたはずなのに動かせる手を確認すると、口ではなく、持っていたものはアンダーの方の下着だった。アキラの混乱は最高潮に達し、それを手に持ったまま、正常な思考に戻ることができず固まっている。と・・・・・・。

 

 ドスっ!

 

 シャルルの蹴りが下あごにクリーンヒット。アキラはそのまま気を失ってしまった。

 

「へ・・・・・・?」

 

 シャルルも蹴った後に目を回したまま動かないアキラを見て、アキラがダウンしていることに気づく。幸い、アキラは制服から着替えようとしたわけではなかったため、服は着ていた。それが功を奏し、シャルルは着替え、アキラをベットに寝かせるために抱える。

 

(うわぁ・・・軽い・・・)

 

 見た目よりもずっと軽く、ずっと細く、ずっと筋肉質の体。男の体付きながら、女の体のような華奢さ。

 

(・・・甘い香りがする・・・・・・)

 

 そこでシャルルは今朝、アキラに寝顔を見られていたことを思い出し、逸る気持ちを抑えながら、ベットに寝かせる。蹴って伸びたにしては安らかな顔をしている。

 

「まったく、見かけによらず強引なんだから」

 

(ちゃんと言ってくれれば・・・僕は別に・・・・・・)

 

 そこまで考え、顔を紅くする。

 

(もう寝ちゃおうっ!)

 

 そこで、昨日のアキラがフラッシュバックする。優しく、ここにいるように諭してくれたアキラ。優しいだけじゃない、力強さもあった。

 

(あの時、自分が初めて誰かに必要とされた気がした・・・)

 

 アキラの顔の方に戻り、アキラの顔を眺める。見惚れてしまうほどの、きれいなで柔らかい肌、指通りの良いきれいな髪。アキラの前髪少し動かす。そこには古傷があるが、それでも、きれいだった。その額に、優しく、触れるだけの口づけを。

 

「お休み、アキラ」

 

 

 

 

 

 そして時は進み、学年別トーナメントとなる。




 アキラ君にラッキースケベの属性付与はしていませんのに・・・どうして彼はラッキースケベを・・・。どうも、白銀マークです。
 さて、そろそろ、学年別トーナメントでアキラ君、やっと活躍できますねぇ。ちなみになんですが、ライはライカレで、双璧コンビとして参戦します。え? 一夏はどうしたかって? ・・・・・・考えてないです、どうしようかなぁモブ美とでも組んでもらいましょうか?
 いい案あればコメントの方、よろしくお願いします。それでは、今後とも良しなに。
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