双璧の結晶と双璧が行くIS世界   作:白銀マーク

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学年別トーナメント、一戦目

 学年別トーナメント、一戦目。アキラとシャルルはラウラ、箒と当たることとなる。一夏は順調に勝ち進めば準々決勝でアキラ、シャルルペアと当たることとなる。

 

「いよいよだね」

 

「うん、借りはしっかり返さないとね」

 

 アキラの機体は紫星、シャルルはラファール・リヴァイヴ・カスタムII。対するラウラはシュヴァルツェア・レーゲン、箒は打鉄。

 

「一戦目で当たるとはな。待つ手間が省けたというものだ」

 

「そりゃどーも。僕としては、もうちょっと待ってほしかったけど。時間かかりそうだから」

 

 4。

 3。

 2。

 1。

 startっ!

 

 開始と同時にアキラは大型飛燕剣牙を射出、箒に向かって仕掛ける。

 

「くっ!」

 

 箒は大型飛燕剣牙をはじくが、大型飛燕剣牙のブースターを使い、撃ち落されてからもなお、対象を狙い続ける。

 

「シャルっ!」

 

「わかったっ!」

 

 シャルルは牽制のためにラウラにマシンガンをばらまく。

 

「甘いな」

 

 ラウラのA.I.C.によって防がれる。

 

「アキラっ!」

 

「りょーかいっ!」

 

 ラウラにアキラは自身の右腕を突き出し、背後から攻撃を仕掛ける。その間も大型飛燕剣牙は動き続け、独特な軌跡を描きながら、箒を追い続けていた。

 

 

 

 

 

 

「四十万デュノアペア、完全に2on1の構造ですねぇ」

 

「四十万の手の上で踊らされている、というのが正しいだろうな」

 

 アリーナの管制室にて監視を行う、千冬と真耶がモニターで対戦を見ていた。

 

「それにしても、四十万君の操作能力、非常に高いですねぇ」

 

「確かにな、高すぎるとは思うが、奴の事情を加味すると、そうでもない」

 

「あ、篠ノ之さん、撃破されました」

 

 

 

 

 

 

 現在の損傷率はアキラが5%、シャルルが5%、ラウラが65%、箒は撃破されている。

 

(わたしは・・・負けられない・・・・・・負けるわけにはいかない)

 

 ボロボロになったシュヴァルツェア・レーゲンは立ち上がる。

 

(力が・・・・・・ほしいッ!)

 

 願うか・・・。汝、より強い力を欲するか・・・?

 

 聞こえないはずの声がラウラの耳に届く。

 

(よこせっ! 力を・・・比類ない最強をっ!)

 

 突如ラウラの機体が異様な輝きを発し、軟体化したシュヴァルツェア・レーゲンはラウラを完全に飲み込んだ。

 

「な、なにあれっ!」

 

「下がって、シャル」

 

 シュヴァルツェア・レーゲンは形を変えた。今は封印されているはずの機体に。

 

(暮桜・・・データが正しければ、織斑先生の機体のはず・・・)

 

 警戒して前に出たアキラに識別不明機が攻撃を仕掛ける。

 

「っ!」

 

 中型MVKを交差させて攻撃を受ける。しかし、異常なほどの力で機体は吹き飛ばされる。

 

「がはっ!」

 

「アキラっ!?」

 

 アキラを心配して近寄ってこようとする。

 

「来ちゃだめだ、彼女の相手は、僕一人で十分だ」

 

 アキラは機体に搭載されている単一仕様能力に酷似したシステムを覗く。本来はコアに組まれている、いわばブラックボックスの中にある状態のものだ。よって正確には単一仕様能力とは違う。

 

「いけるかい? 紫星」

 

 機体の瞳が強く発光し直す。

 

「ライさん、カレンさん、出撃用意をお願いします。僕が万が一、暴走したら、お二人の手で、この機体ごと、葬ってください」

 

 アキラは二人に声を掛けると、システムを呼び起こす。

 

『パスワードをお願いします』

 

 機械音声で音声認識を行うためのアナウンスが流れる。もちろん、このアナウンスはアキラにしか聞こえない。

 

我ハ守リ手也(われはもりてなり)

 

『認識完了しました。SINKAI、起動します』

 

 アキラの機体が動かない金属関節を動かすように動き始め、機体の各装甲が開き始める。開いた装甲の内側には紅い発光する何かが顔を覗かせる。

パイロットの首筋に一本の太いケーブルのついた針が刺さるり、首に針が固定される。

 

「シャル、離れれて。僕は今から・・・人を捨てるっ!」

 

 言いきりと同時に機体のツインアイが蒼から紅に代わり、強く発光し直す。

 

『SINKAI、起動完了』

 

 機体を通常時よりも感覚的に、息をするように扱えるようになるシステム、SINKAI。機体性能は飛躍的に上昇し、機体スペックだけなら、学園トップに君することができるほどの高さを誇る。しかしながら、パイロットと神経接続を行うため、たびたびシステムに意識を飲まれ、機体が持つ破壊衝動のままにすべてを壊そうとすることがある、性能を求めたが故の高い代償を背負うシステムだ。

 

「力には・・・力で。それが基本だ」

 

 機体をゆっくりと進める。

 

「このシステムを発動させた理由は、殺す力しか磨けなかった君への、僕が見せることのできる最大の誠意だ」

 

 力に溺れる者には、見せなければならない。力の本質を。力の代償を。身の丈に合わない力の、大きな大きな代償を。

 

「ラウラ、君を助ける。だが、それと同時に、力、というものを理解してもらう。僕が正常な判断ができなくなる、その時まで」

 

 大型飛燕剣牙を射出、と同時に機体を走らせる。機体は昼間でありながら、紅い奇跡を描きながら、対象に接近する。対象も当然、無反応のまま、大型飛燕剣牙迎撃し、アキラと刃を交える。アキラの方が一太刀の剣戟は軽い。だが、一撃で相手の機体の刃にひびを入れる。

 

「力にはね、持っていい種類といだめな種類があるんだよ」

 

 刃は対象の左肩部を破壊する。

 

「君のそれは持ってはいけない種類のもの」

 

 対象を機能停止まで追い込む。

 

「だから、戻っておいで。そんなものに溺れる必要はない」

 

 対象の腹の部分を切る。対象は決壊し、ラウラを排出する。

 

「おかえり、ラウラ」

 

 アキラはそっと、ラウラを抱きとめた。




 アキラ君の機体の明かされなかった仕様システム、SINKAI。力を示したアキラ君、いったいどれだけ代償を払ったんでしょうかねぇ。
 さて、今度アキラの機体詳細を書くのはセカンドシフト後かな。
 それでは次回もどうぞ良しなに。
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