翌日、とある事情からアキラはISの整備のため、授業に参加していなかった。原因は先日行ったブラックボックスにある特殊なシステム、SINKAIだ。
「機体制御異常なし、セカンドシフト可能、か」
「本当に大丈夫なの?」
一応暴走時のストッパーとして、ライとカレンにも同様に休みを取ってもらっている。
「はい、異常はないんですけど、機体感度が鈍いというか。ちょっと浮いてるんですよ」
基本設計は束が担当したとはいえ、己の機体開発のほぼすべてにアキラは携わっている。
「にしても、未来のKMF技術はとんでもない進歩を遂げたんだね」
「父上たちの時代にも、大型飛燕剣牙に似たもの、ありましたよね。確か、当時ナイトオブスリーのトリスタンに搭載されているメギドハーケンでしたっけ? それの応用技術ですよ」
「肘から輻射波動なんて発想もなかったわ」
「母上の戦い方と武装相性の問題ですよ。お二方の機体よりも使える回数少ないんですよ?」
「そういえばさ、この前のウィンクの件、覚えてる?」
ライが前に問い詰めるといっていた件だ。
「あれはC.C.さんに教わりました。なんでも、お前ならこれが武器になる、とかなんとか」
「C.C.、まだ生きてるの?」
ライはC.C.がまだ存命していることを聞いた。
「えぇ、コードもまだ所持しています。ただ、Cの世界を僕がいじくりまわしてしまったので、不死とギアスを与えることしかできなくなってしまいました。彼女としても、それでよかったみたいです」
「そうなんだ」
「僕にギアスをくれたのも、あの人なんです。すっごく嫌そうな顔をしたのですが、頼み込んで、解放に条件付きでもらいました」
「へぇ、C.C.から」
「そうです。結果として、僕は条件を壊してギアスを覚醒させたんで、条件なんてなかったに等しいんですが」
「C.C.も変わったのね」
「母上たちの時代がどうだったかはわかりませんが、優しさをもって接してもらいました」
そう置いた後で。
「あそこでC.C.さんに拾われていなかったら、僕のあり方も違ったでしょう」
「そっか・・・僕らを失ってからも、救いがあったんだね」
「・・・そうですね。救い、なのかもしれません」
ちょっとうれしそうな顔をする。その顔を見て二人は安心した。
「そうだ、ルルーシュはどうなったの?」
「ルルーシュさんならシャーリーさんとご結婚なされて、僕と同年代の娘さんが一人います。確か、できちゃった婚とかなんとか。僕は、父上と性が近いこともあり、叔父上、叔母上と呼ばせていただいてます」
「よかったね、シャーリー」
シャーリーの険しい恋路を知っているカレンは安心した。
「確か、死んだはずの世界に父上が居られたのは、Cの世界が認めなかったから、だそうですよ。C.C.さんからの受け売りですけど」
「そっか」
「なので安心してください。・・・・・・っと、調整が終わりました。正しく調整できてるか確認します」
いろいろ話している間にできたしたようだ。
「じゃあ、行こうか、カレン」
「えぇ」
そこから、午前いっぱい、機体の確認を行った。
予定より早く終わったがため、教室に午後から戻ろうと、教室の戸に手をかけると、教室内から異様な気配が。
(あれ? いつもの教室なのに・・・)
入ってはならない、本能がそう告げる。
「アキラ、何してんの? 早く入りなよ」
「そ、それがですね。入ってはならないと本能が告げるんですよ」
教室の扉を開けることに躊躇を見せるアキラを怪訝な顔でカレンが開けるよう促す。
「じゃあ、私たちが先に入るわね」
ライとカレンが先に教室に入った。と、すぐにライが戻ってきた。
「アキラ、シャルが・・・シャルが・・・」
アキラはその声を聴き急いで扉を開けた。そこでわかった。そのセリフの意味が。
「あっ! アキラ、こんにちわ」
シャルロットが男物の制服を着ていなかったのだ。
「あれ? まだ寝てるのかな? それとも疲れてるのかな? 幻覚だよね、もう一回教室に入り直せば・・・」
「まってよ、ちゃんと現実だってっ!」
「嘘でしょ? 本気で言ってるの?」
「うんっ!」
シャルロットの満面の笑みで告げる。
「四十万くん、どーゆーこと?」
などなど、シャルルが実はシャルロットだったことを同室だったから知ってるんじゃないかとクラスの女子から問い詰められる。
(か、勘弁してよぉ)
口では知らないといいつつも、内心は涙目。助けを両親に請うが、それもスルーされる。理由は単純。カレンが口を割る可能性があるからだ。といっても、実際に事実としてシャルルがシャルロットだった発表前に知っているのは、アキラただ一人である。
「アキラ」
周りとは違い、名前を呼ばれた。声の主を確認して、安心した。
「ラウラっ! 体、大丈夫だった?」
「問題はない。それより、だ」
そこまで言ってアキラの方へ歩を進める。とクラス全体を叫喚させる行動に出た。
「んっ!」
アキラのネクタイを引っ張り、しっかりと、離すことなく口づけを行った。
「お、お前は私の嫁にする。決定事項だ。異論は認めんっ!」
「え、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」
生徒たちの驚きの咆哮。
アキラも何をされたか理解するまでに一分の時間を必要とした。また、理解してからも、頭が混乱し、まともな声を発することができず、若干の幼児退行を見せたため、この日から、アキラからしっかりした回答が欲しいときは必要以上に強すぎる刺激を与えてはならないと、クラスの中で暗黙の了解が生まれた。・・・・・・ただ、かわいいアキラが見たいのなら、別の話だ。
アキラくん、朴念仁だけど強すぎる刺激には弱いと。いやはや、扱いが大変そうだ。
さて、いよいよ次回は海イベントの予定です。皆さん、楽しみに待っていてくださいっ!
それでは次回もどうぞ良しなに。