双璧の結晶と双璧が行くIS世界   作:白銀マーク

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福音と憎しみと怒り

 森の渓流、そこで紅椿と、紅蓮、月下の調整が行われていた。

 

「紅蓮と月下はもうシフトできるよぉ」

 

「ありがとうございます。仕事が早いですねぇ」

 

「天才束さんだからねぇ。それにしても、この紅蓮も面白いISだねぇ。月下、紫星、両方と同じ特徴があるよぉ」

 

「月下と紫星が似ているんですよ。彼女の機体の方がKMFとしても、先行製作、および配備がされてますから」

 

「へぇ、それはますます興味があるよぉ。今度お話、聞かせてもらおぉっと」

 

「カレンを困らせないでくださいよ? 僕はセカンドシフトしてきます」

 

 ライとカレンはセカンドシフトに入った。

 

「カレン」

 

「どうしたの?」

 

「また君と、この機体で飛べるよ」

 

 機体には羽が。頭部も機体造形も、月下は紅蓮に近づいた。

 

「そうね・・・。前は敵同士だったけど」

 

 紅蓮にも羽が。腕は今までとは違い、肘から先が今までと同じで、腕は紅蓮独特ものになった。

 

「今の僕らは双璧だよ、カレン。もう君を撃つなんてありえない」

 

 二人の思いに呼応するように、機体の羽をはばたかせる。

 

「そうねっ! また、飛びましょうっ!」

 

 紅蓮の八枚の羽は紅く輝き、頭部も今までとは違う。呂号乙型特攻斬は刃先が紅く輝く。

 月下には十枚の羽が蒼く輝き、制動刃吶喊衝角刀は刃を紅く発光させる。

 

「行きましょう、紅蓮聖天八極式(ぐれんせいてんはっきょくしき)

 

 紅蓮可翔式から紅蓮聖天八極式(ぐれんせいてんはっきょくしき)に変わった。

 

「行こうか、白蓮新凪十極式(びゃくれんしんなぐじっきょくしき)

 

 月下可翔式から、白蓮新凪十極式(びゃくれんしんなぐじっきょくしき)に。

 

「ライとカレンのIS、すごく似た形になったね」

 

 シャルロットはそれを見てこぼす。

 

「双璧っぽいでしょ?」

 

「うん」

 

 色違いで、左右線対称のようなシルエット。それは、二人を象徴する機体たちとなった。

 

「束さん、そっちは?」

 

「終わったよぉ」

 

「じゃあ、行こうか。銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)停止作戦、開始っ!」

 

 四機は罠を貼る地点まで、最速で機体を飛ばした。

 

「お、織斑先生、大変ですっ!」

 

「どうした?」

 

銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)に接触した機体あり。機体は紫星ですっ!」

 

「なにっ!?」

 

 ライが立案した計画は大幅に変更を余儀なくされた。

 

 

 

 

 

 

「くっ!」

 

 アキラは銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)相手に苦戦を強いられていた。無人でない、パイロットのいる機体。しかしそのパイロットがアキラに攻撃をさせない。

 

「あれ、そんなに弱かったっけ? 守るんじゃなかったの?」

 

 銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)銀の鐘(シルバー・ベル)を全門使い、巧みに紫星を追い詰める。

 

「その機体から降りてよっ! 僕は君を撃ちたくないんだっ!」

 

 大型飛燕剣牙で砲門をそらす。

 

「そんな甘いことをっ! あたしを殺したくせにっ!」

 

 どんどん、砲撃の制度が上がる。紫星はとっくの昔に悲鳴を上げていた。急制動と急加速のし過ぎに機体が追い付けないのだ。

 しかし、銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)はお構いなしに打ち続ける。

 

「あんたなんかが生まれてきたのが間違いだったのよっ!」

 

 砲撃はさらに厳しく、機体を掠める。

 

(くっ! シールドがどんどん減っていくっ!)

 

「あんたのせいでっ! あたしの人生は、家族はっ!」

 

(そうだ。僕は君の家族を、君の人生を壊した。僕が守れなかったから)

 

 銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)は叫ぶ。とめどない怒りの方向を、悲しみを、憎しみを叫ぶ。

 

「死んじゃえっ!」

 

 銀の鐘(シルバー・ベル)はアキラの機体をとらえ、パイロットごと、その機体を蝕んだ。

 

 

 

 

 

「織斑先生、目標を確認しました」

 

『了解した、そのまま接触してくれ。そして、新しい情報だ、福音に先に接触した機体がある。紫星だ』

 

「なにっ!」

 

『すでに撃ち落されているという情報も入っている。福音は現在、紫星を追跡中だそうだ』

 

「ロックがアキラに向いているというのかっ!」

 

「一夏。大丈夫だ。彼のことだ、大丈夫だよ」

 

 そう言うが、アキラのことが心配で、居ても立っても居られない。

 

「急ごう」

 

「了解した」

 

 三機はさらに加速し、銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)の方に向かった。

 

 

 

 

 

 

「目標に接触っ! カレンっ!」

 

「えぇっ!」

 

 輻射波動機構内蔵の腕が腕から離れ、、銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)に向かう。腕はしっかりと銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)をつかんだ。

 

「はじけろっ!」

 

 輻射波動を起動させる。しかし、銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)には傷一つ、付けることができなかった。

 

「っ!? 作戦変更、一夏っ!」

 

 零落白夜を発動させ、切りかかるが、一刀収縮の一撃は虚しくも空を切った。

 

「なにっ!」

 

「予想より対応が早いっ! 本部、専用機を全機送ってくださいっ!」

 

『わかった。全機出撃っ!』

 

「到着まで持ちこたえるよっ!」

 

「「「了解っ!」」」」

 

 銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)はロックを変えた。

 

「お前たちは、お前たちは、私の邪魔をするのかぁっ!」

 

 全砲門が開き、撃ち落しにかかる。

 

「僕らにヘイトが向いた、逃げ回るだけでいい。落とされるないでねっ!」

 

 砲撃はやむことはない。怒りの刃はとなった砲撃をかいくぐるのは熾烈を極めた。異常なまでの精度を誇り徐々に、シールドを減らしていく。

 

「各機、シールド残量報告っ! しっかりとっ!」

 

「わたしはまだいけるわ」

 

「わたしもまだいけるぞ」

 

「俺もまだ大丈夫だ」

 

「了解っ!」

 

 まだ逃げれる。まだ死なない。

 

「到着、まだっ!?」

 

『もう少しだ、耐えろっ!』

 

「くそっ! カレン、仕掛けるよっ!」

 

「えぇっ!」

 

 戦場は、まだまだ熾烈を極めた。

 

 

 




 あぁあ、先に接触したアキラ君、撃ち落されましたねぇ。
 そろそろ、最終回が近づいてきまして、私、感極まっております。
 全話公開しましたら、ライとカレン、そしてアキラの機体レビュー、設定を公開しますので、どうぞ良しなに。
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