双璧の結晶と双璧が行くIS世界   作:白銀マーク

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傷心者はトラブルメーカー

 あの後、反省文を生徒会室で鬼の形相で立っている楯無の元でお許しが下りるまで書かされた挙句、千冬にもこってり絞られ、一夏にも何も話すことなく、傷心のまま床に就いた。

 

「あ、アキラ? だ、大丈夫か?」

 

「・・・・・・」

 

(あ、こりゃだめだ。絶対に今日は立ち直らないわ)

 

 思ったよりも深く傷ついたらしい。椅子から微動だにしなくなったアキラを心配そうに眺めながら、一夏も床についた。

 

 

 

 翌日、傷の癒えぬアキラは休み、街に出た。昔はよく歩きに出たものだと苦笑すら漏らす。ただただ、色を探して歩いていたころは、こんなにいろんなものに目移りなどしなかった。

 

「こんな風に感じるのは初めてだ」

 

 ただただ、美しい。見ようとしなかった世界。

 

「今までとは、見え方が違うんだなぁ」

 

 守りたかった人達と、また生活できているこの世界はどうしようもなく輝いて見える。

 

(でもきっと、また失ったら僕は、色のない世界を一人さまよわなきゃいけないんだろうな・・・)

 

 知らない世界を一人、ずっと歩き続けて、迷い続けて、その間にいろんな不幸にあってきた。KMFの操縦はできても、どうやったら普通に生きれるかわからない。どれだけ学問に励んでも、自分が生きたかった場所はどこにも見つけられない。そんな、何もない場所(せかい)

 

(あんなのは嫌だから・・・)

 

 いやだから、もう二度と見たくないから。・・・・・・だから。

 

「たとえ、僕が死んでも・・・」

 

 そう、一人で生きるくらいなら・・・。

 

「それじゃだめだよアキラ」

 

「え!?」

 

 よく知る声に振り向くと、敬愛すべき人たちが後ろにいた。

 

「父上に母上。・・・授業はどうされたんですか?」

 

「それはこっちのセリフよ。あんたこそ、授業はどうしたのよ?」

 

「えっと・・・実習がメインなので、ISもまだ返ってきてませんし」

 

「要するに、さぼりってことね?」

 

「あはは・・・」

 

「まぁ、いいんじゃないかな。君も同じようなことしてたじゃないか」

 

「うっ! ・・・まあl、ライに免じて見逃してあげるわ」

 

「ありがとうございます」

 

 相変わらずの二人に苦笑いでその回答を飲み込む。

 

「アキラはどうする? 僕たちはこのまま散歩するけど?」

 

「今回は遠慮させていただきます。お二人のデート、邪魔しちゃ悪いですから」

 

「そっか」

 

 少し恥ずかしそうに笑う二人を見て、これでよかったのだと、その場を後にする。

 

(あ・・・)

 

 ふと、視界に異常なまでの存在感を放つ太陽のネックレスを見かけた。

 

(そういえば、君は僕とは違ってコロコロ表情を買えたよね。)

 

 だから惹かれたんだろうな。裏と表だから。月と太陽の関係だから。

 

「すいません、これいくらですか?」

 

 アキラは太陽のネックレスを買った。レイを思い出すための、彼が守っていてくれたと、その証を身近に感じるために。

 

 

 

 

 

「な、何が起こってるんだっ!?」

 

 電灯の明かりが急に落ち、電光掲示板には見たこともない気味の悪い画像が大量に、画面一面を埋め尽くしている。触れようとすれば甲高い笑い声が響き、それに共鳴するようにほかの画像も気味の悪い笑みを浮かべ、甲高い笑い声をあげる。

 

「山田先生、これはっ!?」

 

「わかりません、皆さんは教室で待機していてください」

 

 授業を進めることも困難なほどに混乱を招いた。スピーカーから流れる甲高い気味の悪い笑い声は絶えない。幸い、教室には画像の感染は起こっていないが、時間がたてばやがて感染する。

 

『全員、聞こえているな? 織斑だ』

 

 千冬は使えない情報機器の使用を早々に断念し、ISによる通信に切り替えた。現在はISの通信環境に干渉されていないようで、しっかり全校生徒に伝わった。

 

「聞こえてます、織斑先生」

 

『よし。聞こえていないものには聞こえているものが伝達しろ。現在学園は、何者かのハッキングにあっている。現段階での復旧は困難だ。何が起こるかわからん、全員教室に待機しろ。教室のを外に出た奴はクラスの実力順で上から最低二人一組で連れ戻しに行け。以上だ』

 

 生徒は動く。己が助かるために、周りの空気を確かめながら。

 

 

 

 

 

「・・・どうなってるの?」

 

 教室ではなく、食堂で時間をつぶしている者もいた。食堂には専用機組が全員、地図を頼りに食堂に集められた。

 

「なんでこんな緊急事態に?」

 

「さぁ?」

 

 目的の場所は、簪のよくいる場所だった。

 

「よく来たね、久しぶり」

 

「お、お前はっ!?」

 

「やぁ。覚えてもらってて光栄だね」

 

「・・・私たちをここに集めて何を狙っている?」

 

「何って・・・取引さ。私に君たちの機体を差し出してほしい」

 

「「「「「「はぁっ!?」」」」」

 

「できるわけないだろっ!」

 

「見返りはある。君たちの理想の世界に招待する。永遠に優しい世界に」

 

「永遠に・・・優しい世界」

 

「そう、どんなものでもどんなに手に入れれないものでも・・・ね」

 

 甘美な響き。誰にでも、永遠に優しい世界。どうあがいても手に入らない、世界で一番、甘美な響きを伴う世界。

 

「まぁ、体験だけさせてあげるよ。交渉材料が私だけ不透明なのもおかしいからね」

 

 

 

 

 

 珍しい出費をしたアキラはそのネックレスをそのまま首にかける。

 

(もう一つは・・・どうしようかな、できれば彼の墓にかけてあげたい。・・・今度C.C.さんに掛けといてもらおうかな)

 

 何かいいことがあったときは何か悪いことが起こる。それは誰にも予測できないほど唐突で、そして、幸福に比例して、不幸も大きい。

 

『やぁ、アキラ』

 

「貴様っ! どうして僕の番号を知っているっ!?」

 

『劣化版といっても私も君だからね。調べ方くらい知ってるさ』

 

「ちっ! 面倒なところで僕の力を使うなど・・・っ!」

 

『まぁ、言い争いのために君に電話したわけじゃないよ。・・・取引しようじゃないか』

 

「何?」

 

『君には君の居場所を返そう』

 

「い・・・ばしょ?」

 

『正確にはこの学園全体を君に返そう』

 

「貴様・・・っ!」

 

『この学園の最深部で待ってるよ』

 

(僕の居場所と、その見返り・・・か。・・・そんなの)

 

「天秤にかけるまでもないじゃないか」

 

 進路を変更して学園に進む。できるだけ早く、早く。




 さて、長らくお待たせしました。最新話にございます。

 そして、アンケート、取りますよ。最終話、メインヒロインがだれになるか。皆さんに決めていただきたいと思います。もちろん、全員分書く予定ではありますが、最初に誰エンドが見たいのか、集計をとろうと思います。

 今後とも、どうぞ良しなに。

メインヒロイン誰にする?

  • シャルロット・デュノアだろ
  • 更識楯無こそ正義
  • ラウラ・ボーデヴィッヒいいぞぉ
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