シーマ・ガラハウに成り代わった女   作:筆先文十郎

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ギレンに○○するキシリアの謀略を見破るデラーズ。
コメディです。


埋めネタ はかったな、キシリア!!

 |0079年12月31日。宇宙要塞 ア・バオア・クー 要塞司令部

「……モグ、ゴクンッ!ムシャムシャ……フフフフフッ。圧倒的じゃないか、ジュジュー!……モグモグ、我が軍は!」

 スリムな体型からは程遠い、ぶくぶくに太ったギレン・ザビはジューシーで分厚いパテが挟まったハンバーガーをほとんど咀嚼(そしゃく)せずにコーラで流し込み、人肌まで温度が下がったポテトをほとんど噛まずに飲み込みながら目の前の戦況に愉悦を漏らした。

「何もここまで太ることはなかったですな、総帥」

 そんな記念に後ろから実妹のキシリアが声をかける。その手にはいつのまに調べたのだろうか、今現在のギレンの体重や体脂肪率などが記された紙が握られていた。

「……じょ、冗談はよせ!」

 密かに激太りしていたことを気にしていたギレンは、その紙を見て体中から大量の汗を流し小刻みに体を震わせる。

「こんな短時間で激太りした兄上を知れば……国民はどう思うでしょうか?」

「……ッ!」

 何も言えずただ唇を噛み締めるしかないギレンにキシリアはさらに追い詰める。

「190㎝という高身長にスリムな体型、そしてIQ240という類まれなる頭脳。そんなに兄上が戦況の悪化によるストレスで暴飲暴食に走り、短期間の(あいだ)に豚のように太ってしまったと知れば…… 敵はおろか兄上を慕っていた兵士たちはどう思うでしょうか?」

「……ッ!!」

 今まで積み重ねてきた自分のイメージが崩れる姿を想像し、ギレンは椅子からずり落ちそうになるのを何とか()えるしかなかった。

「頭のいい兄上ならば……これからどうすればいいかお分かりでしょうね?」

「あぁ……」

 妹の言っている意味を悟ったギレンは青ざめた顔でふらふらと椅子から立ち上がった。

「キシリア……後を頼む……」

 

 

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 グワデン ブリッジ

「何ッ!ギレン閣下が今ジオン公国で有名なフィットネスクラブに行かれただと!?」

 戸惑う部下からの報告にギレン・ザビの腹心、エギーユ・デラーズは思わず椅子から立ち上がる。

「はい!それによりア・バオア・クーの指揮権がキシリア様に移行されました!!」

「……ッ!」

 灰色の脳細胞を持つデラーズは要塞司令部から遠く離れた戦場にいるにもかかわらず部下からの報告だけで要塞司令部で何が起こったのかを悟ったデラーズは苦々しく呟いた。

 

 

「(ギレン閣下の体重を)(はか)ったな……キシリア!!」




発想の元ネタは大和田秀樹先生の機動戦士ガンダムさんに登場するガルマの「はかったな、シャア」です。

後々になっていくと『はかった』ではなくなっていきます。ガンダムキャラのイメージがメチャクチャ崩れてもいいと思う人は一度読んでみてもいいかもしれません(あまりのかけ離れた設定にシャアの声優、池田秀一さんはあまりよく思われなかったとか。ちなみにテレビアニメ版のキャストは小西克幸さん)

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