このMAを直す。
そう宣言した青年はMAのメンテナンスに取り掛かっていた。流れ落ちそうな汗を油のついた手で
コツッコツッ
「ん?」
倉庫に入ってくる軽い足音に青年は振り返る。そこに立っていたのは隻腕の男にラトーラと呼ばれていた女性だった。
「あ、ケリィさんなら街に必要な部品を調達に──」
「どうして敵を助けるようなことをするの?」
「……え?」
突然投げかけられたラトーラの言葉に、青年は言葉を詰まらせる。何も言えず言葉を探す青年に悲しげな表情でラトーラは続ける。
「ケリィは直せないって諦めかけていたのに……。あれが直れば必ず戦場へ戻っちゃう……」
「……」
固まる青年にラトーラは睨み付けた。
「彼はまだパイロットとして燃え尽きちゃいないのよ! 私から彼を奪わないで!!」
怒鳴るように言い放つと、ラトーラは青年の前から走り去った。
「……」
その姿を青年は呆然と見送るしかなかった。
そのからどれだけ時間が経ったのだろうか。ラトーラとのやり取りを忘れようと再び作業に取りかかった後、集中力が途切れたことを実感した青年は外の空気を吸って気持ちを奮い立たせようと外へ出る。
キキッ!
一台の車とともに隻腕の男が帰ってきた。
隻腕の男と共に車からはサラリーマン風の小太りの男。どう見ても普通の人間には見えない小柄の
「ウラキ、大事な話がある。席を外してくれ」
「……はい」
共に車を降りた三人に疑問を覚えつつも、青年は渋々承諾して家へと向かって歩き出す。
「おや?」
青年が少女とすれ違った時。少女はサングラスをずらし、青年の顔をジッと見た。自分を見る少女を青年は不思議そうに見る。
「……坊や。どこかで会ったことないかしら?」
「……え?」
初対面でかつ自分より年下に見える女性の突然の言葉に、青年は言葉を詰まらせる。
「フフッ。ごめんなさい、気のせいよね。……忘れて坊や」
赤い髪の少女はずらしていたサングラスを元に戻し、ごまかすように笑うと、隻腕の男達と共に倉庫へと消えていった。
「……」
(何なんだ、あの少女は……)
その後ろ姿を青年はただ黙って見送るしかなかった。
数日前。互いがガンダム試作1号機とゲルググMに搭乗し、宇宙で戦った相手ということに。
月に一度は投稿するよう頑張りますと言っておいて先月の3月、投稿出来なかったことをお詫びします。