ドラント・ヒイラー。
シーマ艦隊第2番艦・ギラメルの艦長でありクレアと士官学校時代を共に過ごした旧知の間柄である。
シーマ・ガラハウの部下でも一、二位を争うほどの頭脳と胆力を持ち、シーマを崇拝するあまりその他の人物には辛口のクレアが『たとえ火の海にいても冷静に状況を見定める冷静さと戦術眼を持つ』と評価するほどである。
その知将が
「あの
ホテルに戻ったクレアの護衛役のクルトと、ケリィ・レズナーとのパイプ役を務める諜報工作員・デフキサ・ザケルフの報告に激昂していた。
「大尉、落ち着いて下さい。いくら盗聴されないよう万全の注意を払っているといっても第三者の耳に届く恐れもあります」
「……すまなかった」
自分を
「しかし、それほど恐れることでしょうか?」
「恐れることに決まっているだろう」
クルトの問いにヒイラーは怒鳴りたい気持ちを抑えて説明する。
「まず
「……」
「……」
「デラーズはシーマ艦隊の戦力を計算している。だから
「……」
「……」
「ガトーも同様だ。あいつは何だかんだいってシーマ艦隊がいなければ星の屑が成功しないことは理解しているはず。心の底ではシーマ艦隊を軽蔑し嫌悪しようとも。そして崇拝するデラーズに追従するはずだからデラーズ同様バラすことはないだろう」
「……」
「……」
「オサリバンの場合。
そう言って怒りを抑えて冷静に努めていたヒイラーの顔が
「奴の場合は
そう言ってヒイラーはクルトの方へ体を向ける。
「クルト」
名前を呼ばれ、クルトは「ハッ!」と真剣な顔で自分を見るヒイラーの瞳をじっと見る。
「お前はケリィ・レズナーを見張れ。もしあの男がこの事をバラすようなら」
「バラすようなら?」
一つ間をおいて、ヒイラーは決して大きくないが力強い声で言った。
「問答無用で殺せ!」