「……クレアのアホめ。余計なことをしやがって……」
オサリバンとの裏取引のためにクレアに同行したドラント・ヒイラーは頭を悩ましていた。
戦術だけならば、軍や政界を
そんなヒイラーを悩ますこと。それはクレアがシーマ艦隊に引き入れることにしたケリィ・レズナーの存在だった。
クレアはシーマ艦隊の根底を
「そもそもケリィ・レズナー……あの男は使えるのか?」
ヒイラーはケリィが片腕ということでその実力に疑問を感じていた。
「ヒイラー。帰ったよ♪」
悩むヒイラーを逆撫でするように、ケリィの家から戻ったクレアはノックもせずに鼻歌を歌いながら部屋に入ってくる。
「……!」
その態度にヒイラーの怒りは爆発した。
「こ~の~ア~ホ~がぁぁぁっっっ!!」
ヒイラーは暗殺者のように素早く回り込むと、両手で握り拳を作り、こめかみを両側から拳の先端を挟み込むように
「うぎゃあああぁぁぁっっっ!! 痛い痛い痛いっっっ!!」
完全に油断していたクレアは親友の不意打ちをまともにくらい涙目で攻撃を受け続ける。
「ヒイラァァァッッッ!! 何でこんなことするのよぉぉぉっっっ!!」
「お前が
「ひぎいいいぃぃぃっっっ!!」
子どものように泣くクレアに容赦することなく攻撃を加え続けるヒイラー。クレアにとって永遠とも言える地獄を解放したのは
コンコンッ
「ザケルフです。入ってもよろしいでしょうか?」
諜報工作員のデフキサ・ザケルフのノックだった。
「入れ」
子どものように泣きわめくクレアに手錠と
「我々に味方をしているアナハイムの人間からの情報です。明日──」
ザケルフの報告にヒイラーの頭に衝撃が走る。
「でかした、ザケルフ。これでこのバカが持ってきた
そう言うとヒイラーは「うううっっっ!! (解放しろっっっ!!)」と部屋の隅でもがくクレアを無視してケリィ・レズナーを利用した策を思案。襲い掛かろうとするクレアに「シーマ様のため」と釘を刺して考え抜いた策を伝えた。