宇宙世紀0083 11月12日
北米の穀物地帯に落ちていくコロニーを、クレア・バートンはガンダム試作3号機の中から見ていた。
「軍人とは力を持たない人を守る盾、そう思って軍に入った私が敵国とはいえ多くの人を苦しめるコロニー落としに手を貸してしまった……」
貧しい家庭に育った彼女は飢えの苦しみを知っている。その苦しみを知っている自分が同じ境遇を味わう人々を産み出してしまった。シーマ様と慕う一人の女性を救うためだけに。
そのことに彼女は罪悪感を覚えた。
「……願わくば。この凶行だけはシーマ様ではなく私、クレア・バートンが行ったことだと……ふっ、私も
そう自嘲しクレアはその場を去った。
だが、クレアのわがままな願いは叶えられなかった。
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ティターンズに所属する将校の日記。
『私は※※※※※・※※※※。デラーズ紛争というテロリストどもが行った凶行を防ぐことが出来なかった無力な将校だ。軍の検閲にかかるため公表することはできないが、明かされる時が来るまで、また私の決意を表明するものとしてこのことを記す。
私はジオンが憎い。叩いても叩いてもゴキブリのように現れるあの連中こそが真の平和を脅かす存在だからだ。その中でも特に許せない人間が3人いる。
一人目はデラーズ・フリートの指導者であの忌まわしき星の屑を考え出したエギーユ・デラーズ。ジオンの再興などという下らない妄想のために
二人目は『ソロモンの悪夢』と呼ばれデラーズの右腕として星の屑という蛮行の実行役の中心人物、アナベル・ガトー。核搭載のガンダム試作2号機を奪い去りコンペイトウで行われた観艦式で多くの仲間を殺害。その後、あの忌まわしきコロニー落としを防ぐ我々の破壊活動を妨害し、ついにはアクシズに逃れた卑怯な男だ。
三人目は一年戦争時には毒ガスなど非人道的作戦を実行し、デラーズ紛争ではコロニーを強奪という星の屑の要を担った『デラーズの魔女』、シーマ・ガラハウ。
デラーズ紛争終結後。デラーズなどがあの魔女がしてきた凶行は『全て上層部の指示であり、シーマの意思によるものはなかった』と公表している。しかし私は信じない。
あの魔女は地球連邦軍の上層部と繋がっていたという情報がある。デラーズ・フリートに参加する前は情報部に情報を流していたようだが、本格的に星の屑に参加するようになってからはそれをしなくなった。つまりはあの魔女もデラーズという愚かな指導者に心酔し同化した証拠だ。デラーズ・フリートの中心人物の一人であったあの魔女なら星の屑の重要情報を手に入れたはずだ。それを上層部に流さなかったのもデラーズに忠誠を誓ったからだ。
もしあの魔女が上層部に情報を流していれば星の屑という愚かな凶行は未然に防がれていたはずだ。
またあの魔女はアナハイムの作業員を買収しガンダム試作3号機の情報を知るとアルビオンが入手する前に強奪。奪われたガンダム試作3号機はコロニーを守る盾として、多くの連邦軍兵士を殺す凶刃になってしまった。
最後は集中砲火を浴びて戦死したようだが、デラーズ・フリートのテロリストどもとアクシズの合流を果たさせた罪は重い。
デラーズの魔女は戦死、デラーズはその後病死した。だがあのソロモンの悪夢はまだ生きている。
アナベル・ガトー、そして地球圏の平和を脅かすジオンの残党ども。お前らの蛮行はお前らの命で償ってもらうぞ!!
原作のシーマ様は実はコロニー落とし止める行動しているんですよね。ただ連邦に情報が渡らなかったりガトーが頑張ったりアルビオンが邪魔したせいで失敗しますが。
クレアはがっつりデラーズ・フリートに協力してますからねぇ。コロニー奪ってコロニー破壊部隊と交戦し、最後はめっちゃ頑張ってデラーズ・フリートの殲滅を邪魔する。
この将校がブチキレるのは至極道理な気がします。