元社畜で兵士の提督生活   作:sironio

2 / 6
始まり2

保護されて鏡を見て自分の異形さを始めて知ったのだが、髪の半分は白くなり両目はオレンジ系に、両手両足共に継ぎ接ぎされたように付け根から真っ白に、更には尻尾すら生えている様な状態、これでよく深海棲艦に間違えられなかったものだ……もしかして顔はおっさんだからか?

 

艦娘の細胞を使って実験台にされていた天宮隊長と龍間、深海棲艦の細胞を使われていた礼吉、人間のみで限界を突破しようとされた強化人間の弓月、そして艦娘と深海棲艦のパーツを移植された俺。

 

だがそれでも明らかに記憶と違う姿、いい意味でも悪い意味でもエラー娘が行ったと言っていた調整と強化が関係しているのだろう。

 

思い切って叢雲にだけは入れ替わった事と体の事情を説明したのだが

 

「……そう、アンタはアンタで大変だったのね」

 

と言っただけで他のコメントはいただけなかった。

それ以降何やら言いたそうにしたり考え込んだ姿をよく見掛けるようになったが、こんな提督嫌だから着いていきたく無いとか言われないよね……ショックで寝込む自信がある。

 

 

 

 

 

三週間ぐらいは人間ドックとの名目で弓月共々研究所に送られ、本当に真っ裸にひんむかれて隅々まで検査された。

 

その過程で使われた高速修復材がまさか効くとは思わなかったけど、それが判明してから検査が容赦ない物になってしまった。

 

最初はナイスバディなお姉さんが現れた時はちょっとだけ期待していたのだが、ニタニタしながらハサミを持って近付いて来た時に全てを察して諦める。

 

真っ裸にひんむかれて本当に隅々まで調べられた後、普通に全身麻酔された後に解体と解剖って、下手したら施設に居た時と変わらんぞ?

一通りバラされた後に修復材ぶっかけられ、修理された海上装備を渡されて装着したデータも録られた。

 

因みに弓月は三日後位で意識が戻り、幸いにも?高速修復材が効かなかった為に普通の人間ドックだったらしいので本当に羨ましい。

 

 

 

 

 

「あなた面白かったからまた来てね♪」

 

ごめんなさい嫌です。

二度とごめんです。

 

非常にマッドなお姉さんに別れを告げてから、辿り着いたのは舞鶴第一鎮守府、ここで深海棲艦や艦娘、そして鎮守府や提督の事を学ぶ事になるらしい。

 

まさか、辿り着いた先に実の弟の八城正克が居るとは思わなかったが、考えてみれば隊員の全てが現提督のなんらかの血縁関係にあるのだから、少し考えれば誰かしら居ても不思議では無かった。

 

何故か俺はイレギュラーで関係ない話しだと思い込んでいたが……こっちの家族の事聞ければいいんだけどなぁ。

 

「兄ちゃん!……ゴホン、色々聞きたい事もあるだろう。一通り案内して貰ってから執務室に来るように。高雄、案内してあげなさい」

 

久しぶり再開からつい昔通りに呼んじゃったけど、周りの目とか階級を気にして取り繕う童顔の弟まじ可愛いです。

 

「了解しました」

 

 

 

 

 

一通り鎮守府の中を案内された後に執務室に連れてこられた。

 

案内中は何人かの艦娘とすれ違い挨拶はしたがこれといって変わった事はなく、だからと言って鎮守府内も特に特筆するような事もなかった。

 

工廠や装備を置いておく倉庫や入渠施設、それに艦娘のプライベート空間等は見せてもらえなかった。

 

「何か気になった事はあるかな?」

 

「特には、ただ皆明るくて雰囲気がいいとは思いましたね」

 

何かボロが出そうなのに無理して頑張ってるの可愛いから此方も合わせとこうか、前の所は暗い雰囲気で人付き合いもあまりなかった様だからこう答えておけば大丈夫かな。

 

「無理して堅苦しく喋る必要無いんだぞ?折角兄貴見付かったんだしな。ガハハハハ!」

 

……バシバシ弟の肩を叩きながら弟の努力を無駄にし笑っているおっさんがいるのだが、母方の親戚と紹介されていた人だった。

高校に入った頃から急に現れる様になったと思っていたが、提督適性がある弟の様子を見に来てた軍人さんだったらしい。

というか、中学で既に艦娘ドロップして卒業後海軍学校に入学、三十二歳の現在は少佐って……出世し過ぎだろ。

 

一応顔馴染みではあるのだが彼方の世界にはいなかったし、此方の世界だと正義感に溢れる熱血漢な人で暑苦しく鬱陶しいと感じていた。

 

「うむ。海軍元帥特別補佐官兼舞鶴統括、丹波景昭、階級は中将だ。君の辞令も預かって来ている」

 

渡された紙に書かれていた事は……はぁ!?三階級特進?何考えてんだよ!いきなり少佐?上層部は馬鹿ばっかりなのか?何でこんな辞令が来るんだよ!舞鶴で教育後直ぐに鎮守府着任はまぁいいとして、普通階級いきなり上にしないよね?日本中に佐官尉官の提督がいるなかで今更過ぎるから、提督の階級おかしいって理由は普通将官なんだから通じないだろ?

考えが読めなさすぎる。

 

「お前顔に出すぎだ!ガハハハハ!難しく考える必要は無い、気楽にやればいいんだ」

 

気楽にって、ここ軍だよな?

 

「真面目な話しをするなら今回の事件に関係してある鎮守府に空きが出来てしまった。ある程度の教育が終わったら直ぐに着任してもらう事になるだろう。前任の提督が残した艦娘も引き継いでもらうから戦力は大丈夫だ」

 

采配する俺次第ってことかい……

 

「了解しました」

 

「うむ。それまで兄弟の再会を楽しみつつ勉強してくれ」

 

 

 

 

 

その夜、家族の現状を聞いた。

父方母方共に祖父は老衰で亡くなっていたが祖母は痴ほう症の初期段階だが元気、両親は定年後農家をして喧嘩しながら元気にやっているらしい、残ったのは妹(弟からは姉)だが嫁に行き娘が三人居るそうだ。

 

祖父については残念だが皆元気らしく安心は出来た。彼方の世界と変わらない状況と家族構成、違ったのは妹の子供の数だが流石にそこまでリンクしないらしい。

 

俺の扱いは高校卒業後入社直ぐに行方不明、捜索願いが出されていたが実際には全く捜査されずに放置されていた。

更に現状見た目からして異形になってしまっている事と、これまでの境遇の為に面会は禁止されてしまい、弟からの報告で生きている事だけは伝えて貰った。

 

 

 

 

 

隊長や他の隊員の装備が形見として送られて来たのだが、後からきた弓月と相談して仲の良かった人以外の物は供養してもらう事にした。

 

そしてその弓月なのだが、コイツもある提督の妹であるらしいのだが何故かいつの間にか俺の補佐官として鎮守府に付いてくる事になっていた。

 

着々と提督としての教育を受けつつ、叢雲や弓月と共に舞鶴第一の艦娘達と演習も繰り返しながら、準備を整える事二週間。

 

ついに鎮守府着任の日が差し迫っていた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。