サーヴァント   作:兎露太

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リアル多忙中な為、更新が停滞します。


クィディッチ

ハロウィンでのあの一件から数日が立ち、あの事件以来ハリー、ロン、ハーマイオニー、俺の四人は絆を深め常に一緒にいるようになった。そして今日はグリフィンドール対スリザリン、いよいよハリーのデビュー戦の日がやって来た。朝の大広間はいつも以上に騒がしかった。

 

「ハリー、食べないと力でないぞ」

 

「何も食べたくないよ…」

 

ハリーは初めての試合という緊張から食事が喉を通らない様子だった。

 

 

試合の時間が近づくと、学校中の生徒がクィディッチ競技場の観客席に向かっていた。

俺達は競技場の観客席に着くと、最上段の席を陣取った。そしてロンがハリーを驚かせる為にみんなで作ったという、スキャバーズがかじってボロボロにしたシーツで作った大きな旗を見せてくれた。

旗には"ポッターを大統領に"と書いてあり、俺は少し笑ってしまった。

 

 

「出てくるぞ!」

 

ロンの声がしてグラウンドに目をやると、真紅のローブを着たグリフィンドール生と緑のローブを着たスリザリン生が出てきた。その直後に驚くほどの大歓声が上がった。

 

競技場の真ん中には審判のマダム・フーチ先生が立っていた。

フーチ先生は全選手が集まったのを確認すると、高らかに笛を鳴らした。15本の箒が空へ舞い上がる様には俺も興奮した。試合が開始されると、教職員の観客スペースから双子の親友であるリー・ジョーダンの実況放送が聞こえてきた。

 

そして、グリフィンドールが先取点を取ると大歓声が上がった。その一方でスリザリン側からは野次と溜息があがった。

 

「ちょいと詰めてくれや」

 

「っあ、俺ちょっと用事を思い出したから、俺がいた所を詰めてハグリットが座るといいよ」

 

ハグリッドが来たところで、俺は少し早いと思ったが行動を開始することにした。友人が箒から振り落とされそうになるのを知っているのに、見ているだけなんて俺には耐えられない。例え助かると知っていても、俺も力になることはしたいと思う。

 

「ディア、試合中にどこ行くのよ!?」

 

「そうだぜ、ディア。ハリーがスニッチをとる瞬間を見逃すなんてもったいない!!」

 

「うーん…ハリーには悪いいんだけど急用で…後で話を聞かせてくれ、俺今急いでるから!」

 

ハーマイオニーとロンには引き留められたが、俺はそれを振り切り抜け出してきた。そして俺は猫の姿になり、教職員の観客席の方に来てクィレルが見える位置に身を潜めた。

 

それからしばらく経った時だった。クィレルは何かを真っ直ぐ見つめ瞬きもせず、ブツブツと何やら唱え出した。観客席から声が上がり、ハリーの方を見ると箒は上に下に大きく揺れていた。よしっ今だ!!

 

「グルッニャァァアア゛」

 

俺はクィレルの顔めがけて飛びついた。そしてクィレル顔に張り付いたが、すぐに首根っこを掴まれて顔からどかされた。しかし視線を逸らすことには成功したはず。成功したのはいいが…クィレルが俺を放してくれない。しかもハリーに向けられていた視線は、今俺に向けられている。

 

「に…にゃ~お」

 

あれから変化を見せないクィレルに向かって、可愛い猫を演じて鳴いてみた。しかし俺を掴んだまま立ち上がり何処かに移動し始めた。やはりもう可愛い子ぶっても無駄か。

 

「グリフィンドール!170対60でスリザリンに勝ちました!」

 

クィレルに連れられ競技場から出るとき、そんな放送が聞こえた。だが俺はもう、ハリーどころではなくなった。

 

 

俺はあの後、現在禁じられた森の近くまで連れてこられた。いくら顔に飛び付いてきたとはいえ、外見はただの猫だ。そんな猫をいつまでも捕まえといてどうしたいのだろうか。さすがに、殺すなんて事はしないよな…

 

「ここまで来ればいいだろう」

 

人気がなくなるところまで来ると、クィレルが突然呟いた。しかし、それはいつもの吃るような話し方ではなかった。クィレルの視線が再び俺に向けられる。

 

「何故あなたは…」

 

「こんな所で何をしておられるのですかな、クィレル先生?」

 

ちょうどクィレルが何かを話そうとしたとき、後ろからスネイプ先生がやってきた。

 

「ひっ…ス、ス、スネイプ…先生…っ」

 

驚いたような態度を見せるクィレルは、俺を背後に隠すようにスネイプ先生の方に振り向いた。しかし、片手だけ不自然に後ろに回していれば誰でも違和感を持つ。

 

「今何か隠したように見えましたが、何か如何わしいことでもお考えで?」

 

「いっ…いえっ、わ、わ、私が…そんなことをする、とでも…っ」

 

スネイプ先生がクィレルに詰め寄り、問いただすように聞いていた。そのスネイプ先生の圧力に耐えれなくなったのか、クィレルが俺の首根っこを掴んでいた手が緩み、俺は地面に落ちた。

 

「…猫?何故猫なんかを隠されたのか理解に苦しみますな」

 

「か、隠そう、などと…お、思って、いません…で、したよ」

 

俺の姿を見たスネイプ先生が、さらにクィレルに詰め寄っていた。そんな中俺は、逃げるなら今しかないと思いスネイプ先生とクィレルの元から走り去った。

 

俺は城に戻ると、すぐさま寮に戻った。寮に戻ると、ハリー達は俺より先に戻ってきていた。

 

「ディア、大事なハリーの試合に、今まで何処に行っていたんだ。いろいろ大変だったんだぜ」

 

「そうなのよ、ディア。スネイプがハリーの箒に呪いを掛けていたのよ!」

 

「僕がスニッチを取って、グリフィンドールが勝ったんだ。それでその後ハグリッドの家に行って‥‥」

 

ロン、ハーマイオニー、ハリーの三人は俺の姿を見るなり、寮の端のあまり人がいないスペースまで俺を連れて行き、俺がいなかった間の経緯を全て話してくれた。そしてハリーは最後に、やはりスネイプ先生が怪しいという事、そして今日ハグリッドの家で聞いてきたらしい、ニコラス・フラメルについて知らないかと聞かれた。

 

「ニコラス・フラメルか…何かの本で見た気がするが、どんな人かは忘れた。力になれなくて悪いな、ハリー」

 

「そんなことないよ。それに、そのディアが見たかもしれない本を、図書館で探せばいいだけだよ」

 

ニコラス・フラメル、賢者の石の創造に成功した唯一の者。これは俺が教えなくても、確かハリー達はもうじき知ることになる。それなら俺は、不確かな未来をさらに不確かなものにするべきでない。だが俺は今日心に決めた、悲しい未来は何とか変えようと。

 

 

 

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