店主に声の元の猫を見せてほしいといった後、猫がいるところまで連れてこられた。
そしてそこには、右目が青、左目が黄色の白い子猫がいた。
「綺麗な猫ですね。それにオッドアイの猫なんて初めて見たわ」
「実はこの猫、耳が悪いらしくて…完全に聞こえないわけではないみたいですが。」
俺は白猫から目が離せなかった。
「この猫を頂いても良いですか」
「っえ、でもお客さん…」
「おまえ俺と一緒に行かないか?」
白猫にそう問いかけながら手をさし出した。
すると猫は一声鳴いて、手にすり寄ってきた。
「おお、ここまで甘えた様子を見たのは初めてですよ。お客さん、その子を連れて行ってください。ここで私が世話するより、その方がいいでしょう。」
「ディアにも相棒ができたな」
その後、店主には代金はいらないといわれた。しかし、この子は俺の今まで貯めてきた小遣いで買いたいと思った。だから、店主の申し出を聞き入れず代金を支払った。
白猫にはアルブスと名付け、ケージには入れずに抱いて行くことにした。
魔法動物ペットショップを出た後は、フローリシュ・アンド・ブロッツ書店やマダム・マルキンの洋装店などに寄り、残すは杖だけになった。そしてもうすでにオリバンダーの店の前にいたりする。
見上げた扉に『紀元前創業』と記されている。店に入ると来客を告げるベルが鳴り響いた。
「おや、エバレン家の方々ではないか。杖に何か問題でも?」
「いや、今日は私達の杖ではない。息子の杖を選んでほしいんだ」
老人の視線が俺に移る。
「息子のディアです。今年からホグワーツに入ります。杖を選んでもらえますか?」
「そうかそうか、私があなたにぴったりの杖を選んで差し上げよう」
杖腕を伸ばし、寸法を採り終えた所で、老人は1つの箱を取り出した。
「鱗木にドラゴンの心臓の琴線、28センチ、忠実で馴染みやすい」
「何も起きないわね」
杖を振ってみたが、何一つ反応することはなかった。ちなみに抱いていたアルブスは、落としてしまったら嫌なので肩に乗っかるように移ってもらった。
「うむ。ではこれをトネリコに一角獣のたてがみ、26センチ、よくしなる」
「今度は酷いありさまだな」
次に渡された杖を振ると、店の窓がすべて割れた。反応したことは嬉しいが、もう少し控えめにしてほしかった。
「ふむ、これも違うなら、こちらはどうですかな。月桂樹に八咫烏の尾羽、31センチ、曲がりにくい」
まさに漆黒といった言葉が似合うほど真っ黒の杖だ。その杖を握ると、今までの杖と比べられないほど手になじんだ。そして杖を振った瞬間、風が俺を中心にするように吹いた。ほこりが舞って竜巻のようになっていたが、しばらくすると治まった。
「やはりこれでしたか。しかし、それは11年前に作られたもの。私が売っている杖の中では新しい物なんだが、もう持ち主が決まるとは不思議なものだ」
「凄いじゃないか。偶然ディアと同い年の杖なんて」
その後に7ガリオン払って、俺が生まれた年に作られたという漆黒の杖を受け取った。
杖が製作されてから売られるまでの期間とか知りませんが、主人公の例は珍しいという事にさせてもらいました。