ジョジョの世界に転生しました。   作:鏡華

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はたけやまさんより拙作主人公のイラストいただいたので、あらすじ欄に載せてます!
めっちゃ嬉しい!
クオリティ上弦レベルなので全員見て(威圧)


継子・不死川玄弥

〇月|日 天気:晴れ

 

今日から、日記をつけることにした。

兄ちゃんに会った時に、少しでもたくさんの出来事を話せるように。

師匠、いや、悲鳴嶼さん(文面だとややこしい)の処に置いていたほんの少しの荷物をまとめ、綾鼓さんの邸宅に来た。

随分と広いお屋敷を、真菰さんに案内してもらった後、割り当ててもらった自室で、これを書いている。

今日からここで生活して、修行をつけてもらう。

きっと厳しい日々になると思うが、期待してもらった身として、精いっぱい頑張ろう。

 

 

〇月Λ日 天気:晴れ(雲多し)

 

今日はひたすら呼吸の訓練だった。

基礎訓練から始まると思っていたので、驚いて聞き返してしまったけど、問題ないらしい。

呼吸さえ要領がつかめたら、後のことは自ずと付いてくる、と教えられた。

瞑想して、呼吸を整えることに集中していると、高かったはずの日が瞬きの間に沈み始めていて、驚いた。

何より、そんな長時間瞑想し続けていたにも関わらず、疲労感がほとんどないこと。

むしろ体力が溢れてて、夕飯の支度を買って出たくらいだった。

波紋の呼吸は、全集中の呼吸と比べて、耐久性と持久力に優れるものらしい。

十把一絡げに全集中の呼吸、と言うのが気になった。

全集中の呼吸と波紋の呼吸は違う技術なのだろうか?

 

 

〇月△日 天気:曇り

 

起き抜けに奇妙なものを顔に着けられた。

綾鼓さん専属の鍛冶師に作らせた、呼吸矯正器具、らしい。

今もそれを着けた状態でこれを書いてる。

波紋の呼吸以外で息ができない構造のようで、かなり苦しい。

これを着けた状態で平然と30里走れるようになるのが目標だと言われて、気が遠くなりそうだった。

30里なんて、普通でも走れない距離を、こんなに苦しい状態でなんて、まったく想像がつかない。

今から寝るけど、その間に息が止まったらどうしよう。

 

 

〇月□日 天気:晴れ時々曇り

 

自分がいかに未熟なのかを痛感した。

鍛錬の内容は変わらず瞑想なのに、消耗体力が段違いだ。

正しい呼吸法に近づけば近づくほど違和感がなくなっていくというのだから、今の俺の呼吸は我流の癖がかなり強いんだろう。

もう少し慣れたら体を動かしていくと言われたが、できる気がしない。

やるしかないけど。

息苦しさで寝つきは悪いが、明日も早い。布団に入ろう。

 

 

 

***

 

 

 

|月Λ日 天気:曇り

 

今日も山での鍛錬だった。

この屋敷、広い広いとは思っていたけど、敷地はどこまであるんだろう。

まさかこの山丸ごと一つとか……いや、まさかな。

野山を駆けても、水に潜っても決して息を切らさないようにする訓練。

最近は何とかついていけるようになってきたけど、つきっきりで見てくれている師範はけろりとしている。

池での水泳訓練の時なんか、水面を歩いて並走してくるし。

あの領域まで早く行かなければ。兄ちゃんに追いつくために。

 

 

|月□日 天気:雨

 

今日は師範が任務に出てて不在だった。

雨が降っていて1人で外に出るのは危なかったので、道場で瞑想と素振り。

真菰さんに剣術を教えてもらう余裕ができたかと思えば、師範からの課題が増えた。

一秒間のうちに十回呼吸をすること、二十分で一回の呼吸をすること。

まったく違う2つの課題はとても難しくて、辛い。

でも、一歩ずつ進んでいる感じがして、少し嬉しい気もする。

そういえば、悲鳴嶼さんに教わった反復動作、鍛錬にも活かせないだろうか。

明日からちょっと試してみよう。

 

 

 

***

 

 

 

Λ月|日 天気:雷

 

今日は炎柱の煉獄さんが屋敷にいらっしゃった。

任務で近くを通りがかったので、挨拶にいらしたらしい。

呼吸の基礎鍛錬を終え、型の習得に入った俺の様子を見てくれた。

波紋の呼吸に合った剣技がまだわからないというと、嬉々として炎の呼吸の型を教えてくださった。

この前指導してくれた錆兎さんも元柱らしいし、もしかして俺、とんでもなく贅沢な環境にいるんじゃ……。

ご家族のことで師範と話していたのを少し聞いてしまった。

父の名代として謝罪を伝えに来たとか、何とか。

どこの家庭も、事情があるのかな。

 

 

Λ月△日 天気:快晴

 

型の鍛錬に入ってから、座学(?)が増えた。

曰く、波紋の呼吸の型は、技ではなく、応用術のようなものなので、機転次第でいくらでも派生の技が作れるらしい。

それを十全に活用するためにも、波紋の性質をしっかり理解しておく必要がある、ということで始まった。

金属は直接触れていないと波紋を通さない(その応用は肆の型・銀鼠というそうだ)ので、使うなら銃よりも刀の方が良いと言われた。(剣術の鍛錬をより一層頑張らないといけない)

逆に、波紋を留まらせることができる相性の良い物質は水で、一番応用力が高いらしい。

それを扱うのが参の型・水縹(みはなだ)で、師範が水面に立ったりするのもそれだそうだ。

他にも、ただの水を寒天のように固めたり、逆に水を弾け散らせたりする技を見せてもらった。

くっついたり離れたりする性質を使いこなす高度な技術が必要らしいが、俺から見ればまるで妖術だった。

噂通りの(以下、塗りつぶされていて読めない)あの人は俺をよく見てくれて、優しい、恩義ある人だ。

 

 

Λ月□日 天気:小雨

 

自分で自分がわからなくなってきた。

今まで平気だったのに、急に師範や真菰さんと話せなくなってしまった。

だって2人とも、その、あれだし。びじん

それに近いし。

いや家族みたいに接してくれてるのはわかるんだよ俺だって妹たち相手にはあれくらいの感じだったし(以下つらつらと長文が綴られている)

寝よう。寝て落ち着こう。

 

 

 

Λ月☆日 天気:大雨

 

俺が浅はかだった。

今日は朝顔を合わせる(俺の方からは合わせられなかったが)やいなや、「雑念がある」と言われて、2人に道場でいつも以上にぼこぼこにされた。

俺が十割悪いので、何も言えない。

こんなことで修行がおろそかになったら、兄ちゃんになんて言えばいいんだ。

心頭滅却心頭滅却。

明日も早い。

 

 

 

***

 

 

 

△月|日 天気:曇り

 

実戦訓練が始まった。

波紋は身体の末端からじゃないと流れないので、波紋を集中させる場所を素早く切り替えなくてはいけない。

道具を使っている時は、身体から伝わせたその先まで操作しなくてはいけないから、一段と難しくなる。

一瞬の攻防の中で、体内の波紋を操作し続けるのは、集中力と根気を非常に使う。しんどい。

こっちは刀や水や、何でも使って良くて、師範は素手のみという条件だが、全く勝てる気がしない。

もうちょっと慣れてきたら、真菰さんや錆兎さんとも相手をするようになるとか。

俺、大丈夫かな。

 

 

△月△日 天気:晴れ

 

今日嬉しいことがあった!

訓練後の自主鍛錬で水縹を練習していたら、水の上に立つことができたんだ!

少し感覚を掴むのに時間がかかったけど、歩くこともできるようになった。

師範と同じことができるようになっている!成長している!

喜んで師範に伝えたら、少し難しい顔をしていたけど、どうしたんだろう?

 

 

△月□日 天気:晴れのち曇り

 

最終試練、らしい。

山の奥に連れていかれたと思ったら、小さい滝壺があって、「登れ」と言われた。

滝と言っても、岩肌を薄く水が伝う程度の、川ですらない湧き水の流れ道だ。

こんな簡単でいいのだろうかと、恐る恐る岩を掴んだら、放り投げられた。

波紋のみを使って、岩を握ることなく、足を掛けることなく登れ、ということらしい。

八丈はある高さを登りきらない限り、前線には出さないと言われた。

明日から本格的に開始するとのことだけれど、うまくいくのだろうか。

 

 

 

 

 

 

△月☆日

 

しぬかとおもった

 




綾鼓 汐
初めての波紋の弟子にはりきって師範ムーブしてる。
結構厳しくいっているのに健気についてきてくれてるから好感度うなぎ上り。
うちの弟子は可愛いなあ!ただし容赦はしない。

綾鼓邸
小高い山の上にある、大きな屋敷。
産屋敷一族により、笑顔で渡されたもの。
時折、蝶屋敷に収まりきらない患者の詰所となっている。
山の上にあるのは、どの方角にも波紋パラグライダーで飛んでいけるように。

鱗滝 真菰
階級・甲の鬼殺隊士。
孤児であるため、育ての親と同じ姓を名乗っている。
修業時代は綾鼓から体術・身のこなし・戦術眼などの指導を受け、最終選別を生き延びた。
そのことから綾鼓に懐き、気が付けば補佐役の位置に。
高速移動による攪乱や伝令・水の呼吸による受けや防御が得意なため、戦闘面でも補佐に回ることが多い。
綾鼓の身の回りの世話をよくこなし、その行動を諫める場面が度々みられるため、他の隊士からは尊敬の目を向けられている。
「綾鼓さん、もうお年なんだから無茶しちゃ駄目ですよ」

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