私の楽しさ最優先をモットーに書いていきます。
感想と評価たくさんありがとうございます!
あ・・・・・・ありのまま今起こったことを話すぜ!
『友人の家を訪ねたら鬼が布団でぬくぬく寝ていた』
何を言っているのかわからねーと思うが以下略!
義勇に『弟弟子が出来た』と聞いたからワクワクしてやって来たらこれですよ。とんだサプライズだぜ。
扉開けたら鬼がいた瞬間の私の心情察してほしい。心臓止まるかと思った。
もちろん波紋叩きこもうとしましたよ。左近次に全力で止められたけどな!
あんまりにも必死だったもんで家を壊しかねないと、一旦落ち着いて話をすることになった。
当然のように鬼と同じ屋根の下に腰を落ち着ける左近次に、眩暈を覚える。
頭痛くなってきた。
いつでも鬼の頭に波紋を流し込めるように、拳に意識を集中させつつ、左近次と向き合って、問う。
──とうとう耄碌したか?
否定。まあそうだろうな。
うん?ここに鬼を連れてきたのは義勇?
ふむふむ。
鬼にされた妹を人間に戻すために鬼殺隊に、ね。それが例の弟弟子か。
そいつは?あ、今は藤襲山?もうそんな時期かーそっかー。
……で、この鬼は?
とぼけんな。鬼を庇うなんざ、隊律違反もいいところ。良くて切腹、悪くて打ち首だ。
いくら弟子が可愛いからってやっていいことと悪いことの分別はついてるよな?
ううん?なんだって?
人を喰わない?兄を庇った?
はー、そりゃすげえ!奇跡みてえな話だ。
あっはっは、そうかそうか!人を喰わない鬼か!はっは──
天狗の面に拳を叩き込む。
粉々に砕け散ったそれの奥から、相も変わらずの優しい顔立ちが見えた。
動揺は見えない。
防御の姿勢すらとらず、なすがまま、身を任せている。
無論、顔面にダメージは与えていない。
衝撃は波紋と一緒に身体の表面から床に流した。
拳が接している額から、間断入れずに波紋を流し込む。
破壊や操作を目的としない、
──波紋の呼吸、陸の型・琥珀。
……。
…………。
よし、同じこと言ってみ?
『この鬼は人を喰いません』って。はい。
……うーん、言えちゃうかー。
ってことは、肉の芽とかの精神干渉の類ではない、と。
──本気で、言ってるんだな。
この子が鬼になったのはいつだ?
2年前?それから今まで1人も喰わず?一滴の血も飲まず?
…………まじでか。
うーーーーん……。
あ、いやいや。お前と義勇がそこまでしてるんだ。信じるさ。そこは疑ってない。
たださ、真菰と錆兎には説明してるのか?何も知らずに水の呼吸一門として巻き込まれる、なんてことになれば目も当てられないぞ。
え?
2年前から知ってる?
何なら弟弟子に直々に稽古をつけてる?
はっ、えっ、はあ!?
言えよ!!私にも!!何で私だけ仲間外れにしてるんだよ泣くぞ!!
ああうんそうだね2年間人を喰わなかったって実績ないと問答無用で滅してたね!さすが私のことよくご存じで!
うわあ傷つくわー……真菰にいたっては同じ屋敷に住んでるのにさ……おばあちゃん悲しい……。
他に知ってる奴は?いない?よかったーこれで杏寿郎の名前とか出されてたら立ち直れなかったわ。
……で、これからどうするんだ?
ずっと隠し通せるとも思っていないだろう?だから義勇は
いずれは隊全体に周知するとしても、
……うん。まずは若様だけに直談判。それがいいだろうな。
歴代水柱3人の連名だ。そこに若様の声もあるとなると、そうそう邪険には扱われないだろうよ。
時期は?その弟子──炭治郎が藤襲山から戻ってきてから?
正式に鬼殺隊員になってから、ってことか。
予定ではいつだ?明日?
──よし、わかった。明日そいつの顔を見てから、お前の書いた
ん?そりゃあ、お前と錆兎と真菰が稽古つけてるんだろ?生き残るさ。絶対にな。
腐っても柱の私からも口添えすれば、多少なりとも勝率が上がるだろ。
乗りかかった船だ。私も1枚噛ませろ。
──おいおい、つまらないこと言うなよ。友達を助けるのに理由がいるか?
……こらこら、泣くな泣くな。それは明日にとっておけ。
歳食って涙脆くなったな、お前。
礼もいらん。水臭い。
代わりに飯と寝床を寄越せ。明日まで泊まるんだから。
──あーあ、こりゃ次の会議は荒れるな。
綾鼓 汐
旧友の大博打にベットした。死なれると私が悲しいから。
次の日、抱き合う竈門兄妹を見て2人を認め、文を持って産屋敷邸へ赴く。
2年間水の呼吸一門によってあの手この手で狭霧山から遠ざけられていた事実を後日知って落ち込む。
陸の型・琥珀
生物に作用する波紋の中で治癒・生命活性化に特化したもの。
怪我の治療はもちろんのこと、脳に波紋を流すことで深層の記憶を引き出したり、催眠状態から覚醒させることができる。
肉体を若く保つ効果もここに分類されている。
名称は、生物の形を保ち、漢方としても用いられる琥珀に由来。
波紋の呼吸の型の名称は色の名前で基本統一されている。
冨岡 義勇
綾鼓を狭霧山へ赴かせた張本人。
いずれ来たる裁判までには知っていてもらいたいと、2年という判断材料を確保した上で禰豆子と会わせた。
事前に禰豆子のことを話していなかったのは出会い頭に狩られることを恐れて。うまく言いくるめることは最初から諦めた。
竈門 炭治郎
この度晴れて鬼狩りに。帰ったら妹も目覚めててよかったよかった。
狭霧山に帰った時に見知らぬ人がいたが、過度の疲労と嬉しさのあまりの号泣で実はそんなに覚えていない。申し訳ない。
ひだまりのような暖かい匂いだけが印象に残っている。
あれ、鱗滝さん、お面変わりました?