ダンジョンに傭兵上がりの先生がいるのは間違っているだろうか? 作:デキンハンザー
ベルの案内のもと洞窟、ダンジョンをどんどん進み、道中、最初にベレトが戦った影の異形の者、ウォーシャドウの群れに襲われたが、ベレトが天帝の剣の蛇腹状に伸びた刀身で、横凪ぎにすると、一瞬でウォーシャドウは、灰となり紫色の石 魔石を落とし消えていった。
その強さに、ベルは、すごく感動した様子だった。
「……すごい…!ウォーシャドウの群れを一瞬で…!」
『当たり前じゃろう…あんな魔物、ベレトの敵では、ないじゃろう』
「…それでも、ウォーシャドウの群れを一撃で倒すなんて!……刀身が伸びるその剣もすごいですけど…それを操る、アイスナーさんもすごい冒険者なんだなって」
冒険者という聞き慣れない言葉を聞きベレトは、冒険者とはなんだ?とベルに質問すると?
「……え?…アイスナーさんって、冒険者じゃないんですか?」
違う、自分は、冒険者ではないということと、あとアイスナーさんは、やめてくれ普通にベレトと、呼んでほしいと伝えるとベルは、素直に
「はい!わかりました!……では、ベレトさんと呼びますね!……でも、冒険者じゃないなら……すいません、ベレトさんは、どこのファミリアに所属しているんですか?」
ファミリア?また聞き覚えがない言葉が出てきてベルに聞き返すと?
「えっ…?ファミリアに所属してないんですか…?」
『ベレトがそんなファ…ファ…ファミレス?という変な団体になんぞに所属しておらんぞ』
ソティスの間違えを訂正してから、自分はファミリアに所属してないことをベルに伝えると
「…って…ことは、神の恩恵も刻まれていない…?」
神の恩恵?そんなものは自分には、刻まれていないと、ベルに伝えると
「って…ことは……えええええぇぇぇぇええ!!?」
『なんじゃ!急に大声を出すでない!!この馬鹿者めが!!』
「す、すいません!!でもLv0でウォーシャドウの群れを一撃で倒すなんて…普通できないことなんですよ!?」
そうなのか?自分にあの影の異形の者には手応えも感じなかったとベルに伝えると
「どれだけの規格外なんですか!っていうかベレトさん、全然、このダンジョンのこと知らないですよね?……僕で、良ければここのこと教えましょうか?」
その申し出に、ベレトは無言で頷き了承しベルは、ここの洞窟 ダンジョンについてと、この上に、ある迷宮都市オラリオについて、更に冒険者についてベレトに
ダンジョンを進みながら説明をしてくれた。
ベル曰く、この上にある都市オラリオは、この世界で唯一ダンジョンという、地下迷宮が広がっており、その地下迷宮の未探索エリアを探すのが、冒険者という職業らしい、しかし、ベルみたいな下級冒険者は、実力が足りないので、モンスターから出る紫色の石 魔石を集めて、ギルドという冒険者の集会所に魔石を出すと換金してくれるので、それで、生計を立てているようだ。
そして、冒険者は、必ずファミリアに所属しないといけないらしい。
そのファミリアに所属するためには、天界から下界に降りて来た神に、自分の背中に、神の血 イコルというものを垂らしてもらい神の恩恵を刻んでもらうと、ファミリアに所属できるという。
その神の恩賜を刻まれると超人的なパワーが自分の努力次第で身につけることができるという。
更に神の恩恵もには、レベルというものがあり、そのレベルがひとつ違うだけで次元が違う強さを身につけることができるとか、ベルがベレトに対してウォーシャドウを倒したことに驚いたのはこういう背景があった。
こうしてベルの説明を聞きながらダンジョンを進んでいくと、いつの間にかダンジョンから迷宮都市オラリオに続く階段まで着いた。
「あっ、もうダンジョンから出られますよ。ベレトさん」
『はあ……いい加減湿っぽいところから、出たかったんじゃ……ほれ、ベレトよ、さっさと出ようぞ。』
ソティスに早く出ろと、言われ急ぎ足でベルと共にダンジョンを出ていくと、そこには、太陽が出ておらずまだ
静かな都市オラリオがあった。街並みは、フォドラのアドラステア帝国の都市 帝都アンヴァルに似た街並みだが、振りかえると天まで届きそうな石造りの巨大な塔 バベルがあり、そのバベルを見ると異界に来たと実感がわいて来た。その実感に浸っているとベルが
「あの~…ベレトさんこのあと、どうするんですか?」
このあとは何をするか決めていないと、ベルに伝えると
「じゃあ…提案なんですけど……僕が所属しているファミリア ヘスティア・ファミリアに入って冒険者をしませんか?」
その提案に、どうする?とソティスに聞くと、
『わしは、ダンジョンとかいう湿っぽいところは、余り好まんが……ベレト…おぬしと未知の冒険というのも面白そうじゃ!冒険者になろうぞ!ベレトよ!』
ソティスの返事を聞きベルの提案を受けると、ベルは、
申し訳ない顔で
「えっ……でもいいんですか?……誘っておいてなんですけど……僕のファミリア……団員は、僕だけですし、お金もないし、ベレトさんならもっといいファミリアに入れるのに……それでも、いいんですか?」
ベルが入っているファミリアだから入りたい、そう伝えると、
「……っはい!ありがとうございます!じゃあ早速、僕たちヘスティア・ファミリアのホームに案内しますね!!着いてきてください!!」
すごい笑顔で自分の前を走ってヘスティア・ファミリアのホームに案内しようとするベル
『全く…あやつも、純粋じゃのう…あんなに嬉しそうにしおって …おぬしも、そう思うじゃろう?』
ソティスにそう聞かれ、薄く微笑んで頷いた。次の瞬間、なにかに見られているような気がして、バッと後ろに振り向いた。しかし後ろに人は、おらず巨大な石造りの塔バベルがあるだけであった。
『おぬしも、なにかに見られているような感覚がしたか?』
ソティスの問いに、無言で頷き返事を返すその時
「おーい!ベレトさーん!早くホームに行きましょう!!」
ベルの大きな声がし、その声がする方向に体を向けると、かなり離れた距離から、大きく手を振り自分を呼ぶベルがいた。
『…まあ…あとで、ここに来れば正体がわかるかも知れん 今はベルのところにいこうぞ』
ソティスの言葉に頷き、ベルにすまないと、謝罪をしながら走ってベルの元に向かった。
そんなベレトをバベルの豪華な一室で、見ている人、いや、美しい女神がいた。
「フフッ……ひとつの体に二つの魂が入っているなんて……しかも、ひとつは、翡翠色の優しい輝きを持ったまさに、神のような魂……もうひとつは、神のような魂を受け止める透明な器のような魂……とても…とても…面白いわ……!」
「……フレイヤ様……いかがなさいますか……?」
「今は何もしなくていいわ。オッタル」
「はっ」
「今は……ね……」
美の女神フレイヤは、バベルから走り去っていくベレトを見て誰もが魅了される妖艶な笑みを浮かべていた。
もう朝日が登り、オラリオの住民たちが目を覚まし今日の準備をしている頃、ベルの案内でヘスティア・ファミリアのホームに来ていたベレトだが………
『………のう……ベレトよ。………わしの見間違いではないのなら……荒廃した教会にしか見えないのじゃが……?』
「あ、あはは……」
そう ベルに案内されたのがどう見てもホームとは、思えない荒廃した教会だった……荒廃した教会を指で指しながらここがヘスティア・ファミリアのホームなのか?とベルに聞くと
「……はい……そうです……」
『……のう…ベレトよ…今からでも別のファミリアにせんか?』
「そんな!ひどいですよ!ソティスさん!!」
『いくらなんでも金がなくてもホームが明らかに荒廃した教会のファミリアはないじゃろ!!』
「大丈夫です!地下室!地下室がありますから!!地下室は綺麗ですから!!」
『そう言う問題じゃなかろう!!』
このままいくと、永遠と言い争いが続きそうだったので進んで2人を宥め、ベルに、神 ヘスティアに会わせてくれと頼む
「す、すいません…ベレトさん……こっちです。」
教会に入り地下室への扉を開け、ベルに着いていくと、ところどころボロボロながら数人は、生活できるスペースに着いて来た。そしてベットで横になりぐっすり寝ている者がいた。身長はソティスぐらいなのに、でかい胸部装甲を持った少女がいた。彼女がおそらく神 ヘスティアなのだろう
「むにゃ…むにゃ…ベルくぅ~んはぁ……ぼくの物だぁぁぁぁ~」
『こやつが神 ヘスティアか……ずいぶんとだらしないのう?』
「ほら!神さま!なに寝言なんて言ってるんですか!起きてください!もう朝ですよ!」
やはりこの少女が神 ヘスティアだったようだ。ベルが、神ヘスティアを起こしていると、やっと神ヘスティアの目が覚めたようだ。
「ふああ~…おはよう!ベル君!いい朝だね!」
「おはようございます!神さま!」
「朝からいい笑顔だね!ベル君!何かいい夢でも見たのかい?」
「いえ!でもいいことがありました!」
「いいこと?なんだい?それは?」
「実は……団員がひとり増えることになりました!」
「へ?」
ベルがこちらに手を向けて自分を紹介するので、神ヘスティアに、ベレト・アイスナーです。と挨拶をしながらお辞儀をする
「……マジか!!ベル君!!やった~~!!やったぞ!!ベル君!」
「はい!やりましたね!神さま!」
『……なんともまあ……騒がしい神じゃのう。』
ソティスがそういった瞬間、ピタッと神ヘスティアの動きが止まる。ベルがヘスティアにどうした?と尋ねる。
「? 神さま?どうかしました?」
「いや?さっき女の子の声がしたからね…?でも女の子なんて周りにいないし、気のせいだよね!」
『!!こやつもか!!じゃあ、こやつにも見えるのか確認せんとなぁ』
「!また聞こえた!…ってあれ…新団員君なんかキラキラした青い光が出てるけど……」
これは放っておいて大丈夫です。と神ヘスティアに伝えると同時に青い光が強く光り、翡翠色の神の少女ソティスが姿を見せた?
『さて……これで「いやあぁぁぁぁああ!!!新団員君からゴーストがぁぁぁぁあ!!!」またかのう……』
「か…かみ……かみ……さま! 首に……抱きつかないで……き…きまっています……!!!」
「ベル君!たたたた、たす、たす、助けて!!!!」
ベレトは、この混沌とした状況どうにかすべくまずは、首が完全に決まっていたベルを助けて、ヘスティアにどうにか落ち着いてもらうように説得した。そして十七分後
「いやあ~ごめんね~いきなりのことで混乱しちゃってね」
『全くじゃ!』
「す、すいません、ゴホッ !ベレトさん ゴホッ!ゴホッ!! 助けてもらちゃって……」
「ごめんね!ベル君!」
「いえ!神さまが悪いわけじゃあないですから…ゴホッ!」
「ほんとにごめんね!ベル君!」
「もう大丈夫ですよ…ゴホッ!神さま…」
このままだと話が全然進まないと感じたベレトは、話を切りあげるよう神ヘスティアに言った。
「そうだね!では、改めて自己紹介をしようか!ぼくは、ヘスティア!これでも炉を司る女神で、ベル君の主神さ!」
自分はベレト・アイスナーですと、言ったあと、ソティスに自己紹介するように促した。
『わしはソティス 今はベレトの中にいるものじゃ』
「ベレト君とソティス君だね!よろしくね!じゃぁ…早速…ベレト君!君の背中に神の恩恵を刻もう!服を脱いで上半身裸になって、うつ伏せでそこのベットに寝てくれ」
わかったと了承し上の服を脱ぐすると、神ヘスティアが
「ほう……ベレト君…君って…細いのに脱いだらなかなかいい身体をしてるじゃないか?」
自分は、前まで傭兵をしていたというと、
「なるほどねぇ…それならステータスは、期待してもいいかもね…さあ!ベットにうつ伏せで寝るんだ!ベレト君!」
神ヘスティアの言われた通りにベットにうつ伏せになり寝ているとその上に乗っかってきた。
「さぁて…では、ベレト君、君の背中に神の恩恵を刻むよ」
神ヘスティアは、自分の左人差し指に針を刺し一滴の血をベレトの背中に垂らした。次の瞬間ベレトの背中が青白く光る。そして、その青白い光が収まった時
「ええええええええぇぇぇぇぇぇええええ!!!」
神ヘスティアの絶叫が荒廃した教会の地下室から響いた。
次回ベレトのステータスが明らかに!