Re:終わりから始める異世界生活   作:イタチ丸

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スバルの死に戻りとGERの永遠の死って何か似てるなあ(小並感)って適当に思いついた結果がこちらです。

続くかどうかは分かりませんが、まずはご覧いただけたらと思います…!


episode1

これで死を味わうのは何度目だろうか。

 

俺は何十回、何百回、何千回とつまらぬ死を繰り返されている。

 

ある時は病院で腹を切開され、

 

ある時は車に轢かれる。

 

そしてまたある時は見知らぬガキに殺され…たのだろうか。

俺のそばに近寄るな、そう叫んでからもはや何もかもがおかしくなってきた。

 

だが、鎮魂歌(レクイエム)は終わることをやめない。

「終わりのないのが終わり」これがGER(ゴールドエクスペリエンス・レクイエム)の能力なのだから。

 

…このまま俺の精神を崩壊してしまいたい。

一瞬の安らぎを与えてくれない死への恐怖、俺の別人格の死という苦しみから逃れて、俺が俺でなくなってしまえばどれほど楽になれることだろう。

だが、レクイエムはそんなことは許してはくれない。

逃れようとも受け入れようとも、どの道俺は死に続ける。精神崩壊ですら許してくれないのだ。

 

 

 

ーーー

 

 

 

そうこうしている内に、目を覚ますとまた新たな景色が広がっていた。

いつも仰向けの状態から始まる俺だが、今回は街のど真ん中に突っ立っている。

その街というのもイタリアとは雰囲気が違う。いや、まず馬車のような乗り物を巨大化したトカゲが引いている点。

そして、『獣人』という奴なのだろうか。周りには犬や猫のような顔をしたのが人間のように歩いているのが大半な点など、もはやイタリアどころか地球上の物ではないんじゃないかと疑ってしまう。

 

もしや…俺はこの道端の痰カスを食う雑種のような顔をしたゴミどもに喰い殺されるのか!?

あのデカいトカゲに轢かれて脳を踏み潰されることも考えられるが…。

どちらか死を選べられるとしたら、後者の方がマシだ。こんな化け物揃いに俺の肉をご馳走したくもない!

 

「ちょっとどけどけどけ! そこの奴、ホントに邪魔!」

 

「なっ…!?」

 

切羽詰まった声を上げて、誰かが俺を押し退けていく。

そのままバランスを崩し、倒れていく体で視線だけ持ち上げる。

その視界を少女が横切っていく。

 

「あ、ゴメンな!手を貸してやりたいけどアタシ忙しいんだ!それじゃあな!」

 

目が合った少女は俺に申し訳なさそうに手を上げ、走る勢いを殺さないまま細い路地へと駆け抜けていった。

その姿を目で追うが、その直後俺の視界には人を運ぶトカゲがこちらに迫ってくるのが見えた。

 

クソッ!よく分からない変な場所に飛ばされたと思ったら、結局レクイエムで死ぬ運命になるんじゃあないか!このディアボロに、運は味方してくれないのか!?

だが、こんな場所でもがき苦しむくらいなら死んだ方がマシだ!俺は等々考えるのをやめ、このまま目を閉じ死ぬ覚悟を決める。

 

 

 

………ドスンッ!

 

 

 

「…何も起こらないぞ」

 

死が訪れると思っていたのだが、俺の身には痛みも何も起こっていない。

俺は再び目を開ける。すると、俺を踏み潰すはずのトカゲが既の所で止まっていた。

 

「…お、おい。あんた、何かにぶつかったっぽいが大丈夫か?」

 

「…は?」

 

馬車から降りた男が、俺に手を差し伸べてくる。

どういうことだ…!?俺は喰い殺されるか踏み潰されるかを悟ったはずなのに…!予想が外れたのか…?

だが、今までそんなことはなかった。俺の予想は賭け事で億万長者になれるんじゃないかという位に的が当たっていた。

 

…もしや、この場所にいれば俺は生きられるのではないか?

確かにこんなクソみたいな所で生き地獄といのは勘弁だが、生きられる手掛かりが掴めるのならばそれでも構わない。

俺は手を差し伸べた人間を初め次々と人を押し退け、好奇の視線を浴びていた表通りから裏路地へと場所を移すことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とりあえず今の現状を整理しよう。

 

まずこの街…いや、この世界自体が俺がいた世界と異なっていると仮定する。

馬車を引いているのがトカゲであったり、通行人の大半が獣人であったりと、まるでお伽話のような異世界に飛ばされたのだろう。

次に、この国の文明はイタリアと同じ中世風ってところか。地面の舗装、建物の構造はローマと然程変わらない。当然だが、俺が所持している物は何もない。

 

そして、俺が最も疑問に思っていた「死が訪れていない」こと。

普通、目を覚ましてから死ぬまでの時間はおよそ3分なのだが、今回は5分いやそれ以上かかっている。

何故なのかは分からんが、一つ考えられるとするならば

 

『GERの能力がこの異世界で発動するのには時間がかかるのではないだろうか』

 

例えるならば、電波を受信する電子機器の動作が何か他の物によって妨げられる電波障害と同じ原理だろう。

GERの能力もこのディアボロに向けて発動するという動作がこの世界の何らかの現象によって妨害されていると考えられる。

 

果たしてその考えが当たっているかどうかは定かではないが……だが必ずしも死が訪れないという訳ではないのは確かだ。とにかくこの場をどうにかせねば、俺は立ち上がって再度大通りへと足を向ける。と、

 

「うおっ…!?」

 

路地から出ようとしたところで、俺はちょうど通りかかる人影にぶつかりかける。

 

「貴様、わざとこのディアボロにぶつかろうと…っ!?」

 

後ろから肩を思い切り掴まれて、体が道を引きずり戻された。

たたらを踏みながら振り返ると、大柄な男とその2人の仲間が路地を塞ぐように立ちはだかっていた。

 

「貴様ら…何のつもりだ」

 

「立場分かってねえのか?まあ、出すもん出しゃあ痛ぇ思いはしねえよ」

 

侮蔑と嘲笑混じりの視線。男たちの年代は二十代そこらで、カツアゲすることしか脳がないただのチンピラだろう。

 

「ガキどもが、あまり調子に乗らない方が良いぞ。GERの能力が発動しない今、このディアボロは帝王に戻りつつあるのだ!」

 

「なに言ってんのか分かんねえけど、俺らを馬鹿にしてんのは分かった。ぶち殺してやる」

 

こいつらは何も凶器を持ってはいないようだ。ならば、肉弾戦は俺の方が優勢だ。

 

「後悔させてやる、このディアボロを馬鹿にしたことを!」

 

言い切って、先頭の大柄な男の顔面に拳を叩きつける。

拳は鼻面を見事に直撃。殴られた側は地面に倒れこむ。

 

残りの2人は揃って俺に襲いかかってきた。

左から襲いかかってくる首輪をつけた男には後頭部に肘を一発、小柄な男には壁に叩きつけて悶絶させる。

スタンドが無かろうと力は健在。こんな小物など片手でも十分だ。

 

「ふん、やはりその程度だったかーーーー。」

 

最後に男どもにとどめを刺そうとする。

が、奴らの手の中に見つけたのは、きらりと光るナイフ。

 

「なっ!? 何ィィィイイイ!?」

 

スタンドを使えない今の俺にとって刃物は死ぬ運命の鍵と同じだ。

何故だ、このガキどもの脳に衝撃を与えるほどのダメージを与えたというのに…!まさか、GERの能力が今になって行き届いたということなのか!?

 

「この野郎、よくもやりやがったなクソが!」

 

少しずつ後ずさりする俺の身体を蹴り飛ばし、更に腹を踏みつける。

先に手を出したのはこのディアボロなため、この男たちには容赦がない。

 

「動けないようにしてから身ぐるみ剥いでやるよ。ふざけた真似しやがって…!」

 

「こ、こんなところで…。お、俺はディアボロだぞ…!こんな便器に吐き出された痰カスどもに…!」

 

いまだ体は踏みつけられたままで動けない。

男の手にしたナイフの煌めきに、間近に迫る「死」の実感が湧き上がる。

結局、時間がかかっただけで死ぬことには変わりはないのか…?

諦めの気持ちが胸中を支配し、涙がこぼれそうになるのが分かった。

恐怖ではない、そんなものは十分に味わった。ただ、やはり苦しみは耐え難い。

全てに見放されるような、圧倒的な絶望感の中ーーーー。

 

 

 

「ーーーーそこまでよ、悪党」

 

その声は雑踏の喧騒も、男たちの野卑な罵声も何もかもをねじ伏せて世界を震わせた。

 

 





如何でしたでしょうか?
キンクリを失ったボスに小物感を出そうと思ったのですが、何かこれじゃない感。
荒木先生のような比喩表現も使ってみたいなあと思って試したのですが(賭け事で〜って所)難しいですな…。アドバイスや指摘等々くれたら非常に有難いです。

ちなみにスバルは屋敷編までは出さないつもりです。しばらくボスにお付き合いください。

それではまた次回!

今日のボス:異世界に迷い込み、チンピラに絡まれて死亡…?
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