寛大な心でお願いします。
「シノよぉ、こんなに人数集めて何して遊ぶんだ?」
「もぐもぐ・・んぐ。ボクはあまり動かない遊びがいい」
アカデミーの授業が教室で行われ早く終わり放課後になったその日。まだまだ日が高く、遊ぶ時間に余裕ができたことをいいことにシカマルとチョウジ、教室に残っていたクラスメイトを拉致もとい、連れてアカデミー横の演習場に来ていた。教室で集めたメンツはこの三人。
「この面子で遊ぶのか!楽しみだぜ!なぁ赤丸!」
「ワン!」
頭に小型の犬―赤丸を乗せた犬塚 キバ。頭に張り付いてる赤丸が可愛い。これから始まる遊びに期待している模様。
「・・・フン」
嫌々そうに見えるが誘われたことにちょっとだけ嬉しそうなうちは サスケ。まだ虐殺事件は起きていないのだろう態度が柔らかい。だが男のツンデレはちょっと・・。
「なぁなぁ!何して遊ぶんだ!?オレってば此奴にだけは負けたくねーってばよ!」
原作主人公うずまき ナルト。イタズラ、目立ちたがりでイルカ先生によく怒られているのを目にする。原作同様、春野サクラが好きで春野 サクラが恋心を抱いているサスケを敵視している。当のサスケは全く気にしていないようだが。
「・・・今から説明する。これを見ろ」
懐から二つの鈴を結んだ紐を取り出し皆に見えるように掲げる。シャランと澄んだ音が鳴る。
「あぁん?鈴?」
「そんなもん何に使うんだよ?」
シカマルが訝しみキバが疑問を口にする。ナルトもサスケも解らないといった顔をしている。
「なに・・・鈴を使った簡単な鬼ごっこだ」
鈴を結んだ紐を弄びながら疑問に答える。皆納得したような顔だが当然訝しむ。一人を除いて。
「へへン!そんなことならオレが鬼をやるってばよ!」
目立ちたかったのだろう、普通の鬼ごっこで鈴が鬼の目印だと思ったナルトが鈴を取りに手を伸ばしてきた。
「黙って聞け」
「フゴッ!」
鈴を持った手を後ろに引き、ナルトが体を傾け手を伸ばしてきたところを鳩尾に膝蹴りを叩き込む。ナルトの体がくの字に曲がり、ナルトは苦悶の声を漏らし地面に倒れこむ。当然その背に足を乗せて踏む。
「ぉぉ・・。なにしやがるシノ・・」
「話の腰を折るな。まだ説明している」
「「「「・・・・(えげつねぇ・・・)」」」」
全く気兼ねすることなくナルトを手にかけ剰え背に足を乗せるという俺の行いに他の四人が引いていたが気にしない。
「さて、説明の続きだ」
サングラスを指で一上げして仕切り直しを宣言。ナルトを開放し元の位置に戻させる。ただ、ナルトは若干先ほどより後ろに控えるようにしていた。
「ルールは簡単だ。鬼はこの鈴を制限時間まで死守すれば勝ち。鬼以外は時間内にこの鈴を奪えれば勝ち。忍術、体術、忍具、騙し打ちありだが、殺傷力のある物は使うな」
「・・・めんどくせぇが面白そうだな(遊びというより訓練だが、悪くない)」
「面白そうだな赤丸!」「ワン!」
「・・・いいだろう」
「オレってば頑張っちゃうもんね!」
原作でナルトたちが行った試験をいくらか簡単にしたものだ。簡単にした物と言っても状況把握、戦術など総合的な訓練になるだろう。ナルトやサスケにチームワークの大切さを解らせるいい機会だ。
「鬼は言い出した俺がやる。範囲はこの演習場とそこの森だが異論は?」
賛否を聞くため皆を見渡す。皆が肯定の意を示す中に一人。目を瞑り腕を組んでいたチョウジがくわっと目を見開き一言。
「負けた方がお菓子を奢る(`・ω・´)」
「・・・いいだろう。
全員目を閉じて三〇秒数えてから開始だ(本気でやらねば!)」
俺以外の全員が目を閉じたのを確認した後、俺はアカデミーの試験より緊張した面持ちで逃走を始めた。
シカマルside
演習場に居たシノの気配が消えた。どうやらオレたちが目を閉じたのを確認した後、森に移動したらしい。シノが提案した鬼ごっこもどきの開始である。三〇秒を数え経過したのを皮切りに各々が目を開ける。
「あ~!シノの奴ここに居ねぇってばよ!」
シノが演習場に居ないのを気づいたらしいナルトが騒ぎ出したが当たり前である。見晴らしもよくあまり広くない演習場でやるのは得策ではない。森に行けば隠れやすく、見つかり難い上に罠を張り巡らせ待ち伏せすることもできる。というか、このメンツで鬼になった場合、森に移動せず正面から戦おうとするバカはお前(ナルト)ぐらいである。
「さて、どうするよお前ら?オレはむやみやたらに行動するより作戦を考えて行動した方がいいと思うんだが。」
この鬼ごっこもどきのルールだと鬼が駆られる側でオレ達が駆る側だがシノが相手だ。恐らくいや、十中八九こちらを狩りに来る。チョウジの提案を受け入れたとき、眼がマジだった。
「ボクはシカマルに任せるんだな」
「オレも赤丸もお前に任せるわ」「ワン!」
「フン。オレは勝手にさせて貰う」
「オレが一番最初に捕まえってやるってばよ!」
協調性のないサスケと目立ちたがりのナルトが抜け、シノを追って森に向かったが、予想通りか。チョウジがオレに任せるは普段からの付き合いで分かっていたが。一つ解らないことがある。
「キバ お前は何で行かなかったんだ?普段のお前なら真っ先に向かうだろう?」
キバの性格的にいの一番に向かうと思っていたんだが。
「・・・否定できねーがまーそうだな。
最初はオレもシノの匂いを頼りに向かおうと思ってたんだが。
シノの匂いが突然強烈な匂いに邪魔されたみてーでな。オレも赤丸も鼻が効きゃーしねぇ」
「・・クゥン」
キバが赤丸の頭を撫でながらオレの疑問に答えてくれた。恐らく、シノが何かしたのだろう。キバと赤丸の鼻を使って追跡してくると踏んでいたのだと思うが、狡猾な奴だ。
「・・・分かった。オレが作戦を考えるからオレの言う通りに動いてくれ」
「「わかった」」
念のため円陣を組み二人だけに聞こえるように作戦を語った。
シカマルsideout
時は森に逃走を開始した時にまで遡る。
森の中に逃げ込む少し前。うっそうとした森の入り口。
俺は疾駆しつつ、背中の瓢箪の蓋を片手で開き印を組む。
「忍法 奇壊蟲の術」
瓢箪の中にいる蟲の中の一匹のメスが瓢箪から飛び立ち、入り口の木に飛びつくとそれを追うようにオスの蟲が飛び立つ。メスを追って行ったオスたちはメスを口説く際、独特の匂いを発する。その匂いが強烈であればあるほど強いオスであり、メスが傾きやすい。これを俺自身の匂いを誤魔化すために使ったのだ。
匂いの偽装工作を行いつつ、森の中腹で疾駆をやめ、木の陰に隠れるようにしゃがみ一息つく。
「・・・念のためだ。忍法 蟲分身の術」
瓢箪と体から無数の蟲が飛び立ち人型を形成していき、俺と瓜二つの俺ができあがる。体を構成している蟲は主に我尾刺であり、我尾刺の特性を利用した罠である。
「お前はあそこで迎え撃て」
森の少し開けた所に行くよう指示しておく。俺(偽)が頷き飛んでいく。分身だけでは心細いと思い一工夫。
「忍法 蟲騙し」
瓢箪と体から無数の蟲を飛ばし、森の地面に絨毯を敷くように蟲を敷くと同時に擬態。見た目を誤魔化す。キバの鼻は潰してあるし、サスケはまだ写輪眼を開眼していない。ばれないはず。
「(そろそろ来るか。恐らく・・・サスケが一番で二番目がナルトだな。
シカマルはオレが相手だと用心して協力を提案するはず。
チョウジとシカマルはセットで考えていい。キバは鼻が効かないことでシカマルに協力はずだ)」
「見つけたぞ!」
最初に姿を現したのは予想通りサスケだった。少し息を乱しているが、中々な疾駆速度である。油断なく腰を少し落とし、苦無を構えている。俺(偽)の様子に違和感を感じているのか動かない。
「あぁ~!やっと見つけたってばよ!っげ、サスケもいる」
「ちっ!」
俺の予想通りナルトが登場。ナルトは探し回って俺をやっと見つけたのだろう、嬉しそうに笑ったがサスケもいたことで嫌そうな顔になった。サスケもうるさい奴が来たと舌打ちしている。
「へへ!オレが最初に奪ってやるってばよ!」
「馬鹿野郎!無暗に突っ込むな!」
駆け出すナルトにサスケが注意を飛ばすが聞く耳を持たず俺(偽)に向かって苦無片手に突っ込む。俺(偽)の前には当然擬態している蟲の絨毯が。飛んで火に居るなんとやら。
「うわぁ!!なんだこれ!?」
「!?」
擬態していた無数の蟲がナルトの足に絡みつき体を駆け上がる。体全体を覆い隠すのに時間はかからなかった。
「・・あれ!?力が入らない・・・!?」
ナルトに絡みつく蟲達はナルトのチャクラを吸い取るための蟲だけではない。我尾刺も中に忍ばせていた。我尾刺(親)は奇壊蟲と毒蟲の耐性持つ蟲の交配で生まれた蟲である。毒の耐性を持つが故に体の中で毒を生成する能力を持って生まれてきた。その毒生成能力で麻痺毒を作り出しナルトを襲ったのである。チャクラを吸い過ぎて九尾チャクラが暴走されても困るから早目に潰させてもらった。
「クソッ!本体を叩けば!」
ナルトだけでなく当然サスケも襲われる。瓢箪から蟲が湧き出てきてることから俺(偽)がこの蟲達を操っていると思ったのだろう蟲が群がってくるのを苦無で払いながら俺(偽)に向かって疾駆していた。当然偽物だと気づいていない。
「喰らえ!!――ッ!?」
軽く飛び上がりながら体を半回転させた回し蹴りが俺(偽)の首筋に叩き込まれる。その瞬間、首筋が崩壊し蟲がサスケの足に絡みつき我尾刺が毒で侵す。その一部始終を見届けると近くの木陰から姿を現す。
「あ!シノ!これどうなってるんだってばよ・・!?」
「テメェ・・!なにしやがった!?」
こちらの存在に気付いたナルトとサスケが叫ぶ。ポシェットから縄とガムテープを取り出し二人を拘束する。
「安心しろ、唯の麻痺毒だ」
「「んん~!!-っ!!」」
嫌がらせも込めて二人を迎え合わせで縛ってみた。嬉しそうでなによりである。
「君らがこの後くる彼らに協力して要れば俺から鈴を奪えたかもしれない」
「「・・・」」
「チームプレーというのも見ておくんだな」
押し黙る二人を尻目に今し方到着したシカマル達に顔を向ける。
「来たな シカマル」
「あぁ。作戦考えるのに時間食っちまったが、納得のする参戦になったぜ」
俺の問いかけに不敵な笑みでシカマルが答えたのを皮切りに動き出す。
「行くぜ赤丸!」「ワン!」
キバが兵糧丸を赤丸に食わせた瞬間、白かった体毛が赤色に染まる。
「擬獣忍法!」「ワンワン!(擬人忍法!)」
キバが四つん這いの獣のようになり、その上に乗った赤丸がキバの姿に変化する。
キバと赤丸が変化するのと同時にチョウジも動く。
「倍加の術!!」
チョウジの身体が膨れ上がり倍の大きさに変化する。
「・・・」
俺は蟲騙しと蟲分身に使っていた蟲を自身の周りに滞空させ、対応できるように身構える。
「ひゃほ~!!行くぜぇ、赤丸!」「ワン!!」
身構えていた俺をキバと赤丸が四肢を使いながら交差しながら走り抜け後ろに回り、
「牙通牙!!ワン(牙通牙!!」
キバにキバ(赤丸)が飛び乗り、二人同時に体を回転させながら体当たりを食らわせようとしてきた!同時に、倍加の術で倍の大きさになったチョウジがキバの反対側から体を回転させ突っ込んできていた。
「肉弾戦車!!」
「忍法 蟲壁の術」
無数の蟲を高速飛行させ蟲の壁を作り出して牙通牙と肉弾戦車を遮断する。牙通牙の凄まじい回転により蟲の殻が擦れ異音を上げ、肉弾戦車の重みと牙通牙の回転に砕けて潰れて体液を飛び散らせる。
「「「ぐぅ!?(ワゥ!?)」」」
当然我尾刺の体液を浴びた二人と一匹は毒に侵され動けなくなる。二匹と一匹は膝をつく。そして気づく・・・一人まだ残っている。
「・・・む」
突然、蟲の壁を作るのに上げていた両腕だけでなく両足も動けなくなった。
「影真似成功・・・」
チョウジがいる少し後ろに、印を組んでいた手を下ろし不敵な笑顔を向けてくるシカマルがいた。
「・・・二人は囮だったのか」
「そうだぜ・・。流石に真っ向から行ったらやべぇからな。チョウジの後ろから近づいて術を掛けさせて貰った。」
注意をチョウジとキバに向けさせ、倍加の術で倍加したチョウジの大きさを利用して近づき、影真似で動けなくする作戦か。頭のいいシカマルらしい作戦だった。だが、惜しむはナルトとサスケが先にやられていたことだろう。
「だがまー・・・俺たちの負けだな。動けなくしたところでお前の蟲がオレを取り囲んでるしな」
「・・・もう少しだったな」
俺の背にある瓢箪から出た新たな蟲達がシカマルを取り囲んでいた。印を結ばなくとも俺(巣)を守るために勝手にチャクラを使って迎撃態勢に入っていた。
「はぁ・・・オレ達でお前にお菓子を奢ればいいのか?」
「いや・・・それをするのはあの二人だ」
俺とシカマルはあの二人―縛られているナルトとサスケを互いに眺めるのだった。
気づけば5千文字・・・驚愕( ゚Д゚)
描写会話難しい。要練習(>_<)
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拙い作品ですが読んでいただきありがとうございました!