八雲紫 彼の地にて、斯く戦えり   作:片腕仙人

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二話目です、ゆかりんの能力って使い方ではかなり凶悪ですよね。


2話

~皇居前~

 

今この場所は銀座で起こったか突然の襲撃から避難した人達で溢れかえっていた。

この機転を利かせたのは一人の男性。この人物は皇居に向かう間も避難誘導をしながらここまでやって来た。

 

この男の名前は伊丹耀司、33歳。自他共に認めるオタク、彼がいうには「俺はね趣味に生きるために仕事してるんですよ。だから仕事と趣味どっちを選ぶと訪ねられたら趣味を優先しますよ」とのこと。彼の仕事それはなにかというと自衛隊である。こんなんでも一応自衛隊らしい。

 

伊丹は今機動隊と一緒に皇居の門から様子を伺っている。そこに機動隊の隊員が急ぎやって来た。

 

「官庁街はかなり占拠されまししたが桜田門は死守の構えです。間もなくこちらに増援を送ります」

 

「敵の主力はどこだ?」

 

「間もなく来ます」

 

 

まずい、まずいぞ何とか民間人は皇居に避難させることが出来たがここに主力の部隊が来たら一瞬で破られちまう。

全く本当だったら今頃は同人誌即売会にいってるはずなのに何だってこんなことに……

 

うんん、今はそれどころじゃない増援が早く来なきゃほんとにまずいぞ。

 

「なあ、増援はまだ来ないのか流石にこのままじゃ厳しいぞ」

 

「かなり他の場所も混乱しています。きっともうすぐに来るはずです!」

 

 

そうはいっても相手は軍隊、こっちは機動隊が門を固めてるだけだし数で押されればあっけなく突破される。

そう思っていると騒音と共に敵の主力部隊と思われる連中がすぐそこまでやって来てしまった。

 

「ヤバいぞ!増援はまだ来てないんだこのままじゃ突破される!」

 

状況は最悪、もうおしまいだと思い始めたとき突然声をかけられる

 

「手を貸しましょうか?このままでは厳しいのでしょう?」

 

声のする方を見るとそこにはいつの間にか紫色のドレスを着て特徴的な帽子を被った金髪の女性だった。

すれ違えば誰もが絶対に振り返るであろうほどの美人でつい見とれてしまっていた。

 

「あ、ああ確かにそうだけど流石に……」

 

「あら、私では力不足かしら……」

 

そういって悲しい表情をしている。

 

「あー、そういう訳じゃないんだがまあ貴方もこの中に避難していてください。ここは何とかしますから」

 

とはいったもののこのままではどうすることもできない。なにかいい案が思い付けば……

 

「そう、優しいのねでも私をあまり甘くみないでくださらない」

 

そういい軍隊の方に進んでいく。止めようと手を掴もうとしたがその手は空を切った。

何故ならその女性は文字通り飛び上がり今は空中にいる。

 

「なっ!?飛んで!?」

 

周りの隊員たちも見ているものが信じられないというように食い入って見ている。

 

「ふふ、そんなに見つめられると照れてしまいますわ」

 

扇子を広げ口元を隠してこちらを見下ろしてくる。その女性は軍隊の方向に向き直り手をバッと振るう。すると女性の両脇の空間が突然裂けそこから色とりどりの光弾、レーザーのようなものが迫ってきていた軍隊に放たれる。さっきまでは絶望的だった状況が一瞬にして覆ってしまった。

 

「これはオマケよ」

 

「はぁ!?」

 

そういうと新たに数ヵ所の空間が裂けそこから電車が突然現れ軍隊に突っ込んでいきどんどん蹴散らしていった。

その時ようやく増援が到着した。既に敵の軍は陣形も何もない状態になっている。これならすぐに制圧することができるだろう。

 

「これならもう大丈夫なようね」

 

先程まで空中で軍隊を蹴散らしていた女性はまたいつの間にか隣にいた。

 

「おおっ!あ、あんたいったい何者なんだよ」

 

「そうねぇ、秘密よ。もし次に会うことがあったら教えてあげないこともないかしら」

 

そういうと一瞬にして裂け目に入り完全に消えてしまった。

 

その後戦闘ヘリなどの到着により事態は直ぐに終息していった。

 

だが当然のごとく伊丹の目的である同人誌即売会は中止となった。

伊丹は人知れず泣いたという。

 

 

 


 

どうも、懐かしの故郷に漸くたどり着いた八雲紫です。

 

銀座に現れた門から突然現れた兵士たちによっての悲劇から三ヶ月の月日が流れた。

 

その間に私が何をしていたかというとこちらでの生活を満喫していました。数日は門を見守って何か起こらないかと心配だったけど何も起こらない門を一日中見ているのに飽きてこちらでやりたいことをやっていた。やりたいことはやったもん勝ちともいうし。

 

 

ただこの服では目立ってしかたがないからその辺のお店から服を適当にパクっ、じゃない拝借した。その他にも漫画やアニメ、ゲームなんかもやっていた。大丈夫、商品の数が少しだけ合わなくなる位だから問題ない。

 

 

この三ヶ月ただ遊んでいただけではない。門の向こうには無くてこちらにはあるものをかき集めたといっても黙って拝借しただけなのだけど。集めていたものは軍用車両や銃器、拳銃から機関銃その他にもかなり危ない兵器なんかも勝手に拝借してきた。どうせろくなことに使われないからこっちこそ問題ない。

 

 

それからあの銀座での出来事はどうやら銀座事件と呼ばれているようであの門は今は倉庫のようなもので囲われている。そして今日は門の向こう側私がいた世界に自衛隊が進行を開始する。

 

 

戦車が10両程だろうかこれだけでも十分な気がするが自衛隊にとっては向こうの世界の戦力、状況は未知数最悪の事態に備え万全を期していこうと言うことなんだろう。恐らく待ち構えているであろう軍隊の皆さんご冥福をお祈りします。

 

 

ひとまず先に私は向こうに戻ることにしましょう。スキマを開き門の中には入りそのまま飛んでいく。

 

 

 

 

 

 

 

さてもとの世界に戻ってきてパッと辺りを見てみるとどうやら出てすぐの場所には誰一人いないようだ。

辺りはまだ暗くて本来ならばよく見えないだが私は特に支障なく遠くまで見ることができる。

 

遠くの方にはどうやら帝国軍なのかはわからないがそれなりの数の野営地と思われるものがあり兵隊たちが編隊を組んでいるのが見える。

 

辺りを観察しているとどうやら自衛隊の部隊が到着したようだ。到着してすぐに小隊を展開し襲撃に備えている。

一方向こうの兵士たちは動きはない。わざわざ灯りをつけて何処にいるかを教えてしまうほどだ。

 

 

もうすぐ夜明け日の光が差すと同時に戦闘が開始され一瞬にして片がついてしまった。勝った方は勿論自衛隊側はっきり言って戦闘にすらなっていなかった。戦車に銃、それに突撃すれば撃ってくれと言っているようなもの。

 

自衛隊はすぐに防衛線を築き迫撃砲などを設置し防御を固めた。それもご丁寧に注意書をした看板まで立てて。

 

 

しばらくして完全に夜が明けると新しい部隊が丘を目掛け進行してきた。だが看板を越えた辺りで迫撃砲を浴びせられ全滅。

ざっと一万は死んだでしょうねこれは。

 

挫けることなくすぐに第二陣がやってきたがいいところ中間ぐらいまで近づけたぐらいだろう。これでだいたい三万から四万位といったところね。私が向こう側だったら絶対に逃げてるわ。

 

 

第二陣の攻撃から時間が経ち今はめっきり日も落ちて暗くなっている。どうやら夜襲を仕掛けるつもりらしい。確かに夜襲は効果的だと思うけど相手が悪すぎるわ。

 

案の定照明弾を撃たれ丸見えになってしまった。そこからは同じ。

銃弾に爆発、暗いからよく見える。たまや~……全く綺麗じゃないわ。自衛隊に時間を与えてしまったばっかりに有刺鉄線まで敷かれて馬もろくに進むことができていない。これはもう見る価値なしね

 

朝までスキマで待ちましょう。

 

 

 

◆◆◆

 

戦闘という名の蹂躙が終わり朝、スキマから覗いてみるといつの間にやら簡易作戦本部まで建っている。流石は自衛隊、行動が早い。

 

どれどれ、第五戦闘団本部ね。分かりやすくてありがたい早速いってみることにしましょ。

 

中をスキマから覗いてみるとある人物を見つけた。彼の名前は確か伊丹耀司といったかしら。日本じゃ有名人の仲間入りを果たしてよくニュースなんかに出ていた。

 

どうやらこの地、自衛隊は特地と呼んでいる。特地を調査しろと命令されているようだ。本人は嫌々といった感じだが、おっとそろそろ出ていっても良さそうね。

 

「伊丹耀司二等陸尉、第三偵察隊の指揮を命じる」

 

「それ、私も同行してもよろしいでしょうか?」

 

本部のなかの隊員達がいきなり現れた私に驚きを隠せない様子。こういうのは何だかんだ気分がいいやはりそういったところは妖怪なのだろう。

 

「なっ!?誰だお前は!」

 

「あっ!あんたあの時の!」

 

伊丹の上司らしき人物は警戒して伊丹本人は一応は会ったことがあるからそこまででもないようだ。

 

「一体何処から侵入した」

 

伊丹の上司らしき人物がこちらに聞いてくる。というよりは独り言かもしれないがここは敢えて答えておこう。私はお決まりのポーズをとる。口元を隠すあれである。

 

「ふふ、どれだけ守りを固めようともどれだけ見張りを配置しようとも私には無意味ですわ。かといって特に危害を加える気もありません。ですから後ろの方はその手に持ったものは向けない方がいいと思いますが」

 

後ろにいた隊員はドキッとしたように目を見開き拳銃から手を離した。

 

「お久し振りですね、伊丹耀司さんであってますか?」

 

 

「あ、ああ。確かに俺は伊丹耀司だけど俺名乗ったっけ?」

 

 

「あれだけ話題になっていれば嫌でも耳に入りますわよ」

 

 

伊丹は顔をひきつらせははは、と乾いた笑みを浮かべる。

 

 

「伊丹!この女性とはどういった関係なんだ!説明しろ!」

 

伊丹はなんとも言えぬ表情をして「いや~、どういった関係も何も何も知らないというか~」とかなり困り果てている。

 

「私の名前は八雲紫といいます。勝手に聞いていたのだけれどこの地を調査したいとか。それなら私が力を貸してあげてもいいわよ。勿論見返りは貰うけど。そちらとしては悪くない話じゃないかしら協力者が手にはいるんだもの、どうかしら?」

 

ふふ、随分と悩んでる。突然現れた奴を信じられないだろうけど協力者は欲しいでも信じていいかが分からないといった感じか。

大分悩んでいることだし伊丹さんに少しだけ協力してもらうことにしましょうか。伊丹に向かいウィンクをする。

 

伊丹は一瞬ドキッとしたようだがすぐに意味が分かったようだ。なかなかに察しがいい。

 

「あー、えっとたぶん彼女のこと信じても問題ないと思いますよ。俺助けてもらいましたし彼女に」

 

「…………そうか。ならお前の言葉を信じて信用してみることにするさ。ただし!彼女が同行する隊はお前のところだ!」

 

「...え」

 

「ええ、勿論そのつもりよ」

 

「...え」

 

 

 


 

 

「えー、という訳でこちらの八雲紫さんが特地の調査に協力してくれるのでうちの隊と一緒に行動します」

 

「皆様よろしくお願いします」

 

今は伊丹さんの隊の人達に紹介してもらっている最中です。ただほぼ全員が微妙な顔をしているのは気のせいだろうか。特に変なところはないはずなのだけど今はお馴染みの口元隠しに日傘を指している。どこも変なところはないはずなんだけど、ふむ。

 

「じゃ、出発しよっか」

 

どうやら移動を開始するようだ。

 

 

「この人大丈夫なの」

 

ん?そこの小さめの女の子の隊員ちゃんそれはどっちに向かっての言葉かしら?私?それとも隊長の伊丹かしら。バッチリ聞こえているからね、妖怪の耳なめないように。

 

「全員乗車!」

 

その掛け声を共にそれぞれが車両に乗っていく。

 

「えっと、紫さん乗り方分かりますか?」

 

伊丹さんがそう聞いてきた。確かにこっちには自動車なんてものはないだろうし分からないかもと思ってのことだろう。

ただ私だけは例外。

 

「ええ知っているわよ、ご心配どうも」

 

そういって私は後部座席といっても荷台といった方が良さそうな場所に乗り込む。

 

そのままいつぶりかわからないこの揺れとエンジン音を聞きながら揺られること数分謎のストーンヘンジのようなものを過ぎそのまま進んでいく。

 

あれ本当に何に使うのだろうかはじめて見つけたときから大分経つが未だにわからない。それは置いといてこの辺には確かに小さな村がひとつあったはず。さてさて自衛隊のお手並み拝見といきますか。

 

しばらくして小さな村、コダ村が見えてきた。伊丹たちは自動車を止め隊長の伊丹と隊員の黒川という黒髪背に高めの女性と共に近づいていった。最初は警戒していた村人たちもどうやら二人が怪しい連中ではないとわかったらしく近づいてきた。

 

ふむ、子供から信用させていくとはなかなかにやり手だなあの二人ただ私が出ていったら若干怯えられてしまったかもしれない。賢者というと何故か恐れられたりするときがある、何故だ。私は悲しい、悲しみ。

 

ただ言葉はいまいちわかっていないらしくジェスチャー多めになっている。やはりどこでもジェスチャーと誠意を見せれば何となく伝わるものである。

 

コダ村で情報を得た伊丹隊はそのまま先に進んでいった。

 

 

◆◆◆

 

 

 

「空が青いねぇ、さすが異世界」

 

「こんな風景だったら北海道にもありますよ」

 

平坦な道が続き伊丹と運転している倉田という隊員とが世間話を始めた。うーん、北海道か北海道と言えばラーメンにジンギスカンなどかしら?今度いきましょう。絶対に。

 

異世界といえばアニメを観たときスマホが何とかってのを観たわねただこっちの世界じゃ電波は通ってないしスマホは使えないわよ。

私が細工すればできないこともないけど。ふっ、スマホの力を過信したわね。

 

「あ~あ、ドラゴンがいたり妖精が飛び交っているところを想像してたんですけどねぇ。これまで通ってきた集落には人間ばっかりだしガックリっす」

 

「そんなに猫耳娘がいいのかよ」

 

ドラゴンはいるけど今はきっと冬眠中じゃないかしら。あいつら一回寝たら数百年は起きてこないし。それと猫耳ね。いいわよねケモ耳もふりたくなる。ちなみに九尾の狐耳と猫又娘は転生当初から随時募集中です。情報ください誰か。

 

「別に猫娘でも妖艶な魔女とかでも、あっそうだ。隊長あの紫さんでしたっけこっちの人なんですよね。見た目もなんというか妖艶な感じがしますし魔女とかなんですかね

 

「ん、あ~その事か。え、え~と」

 

おやどうやら私の話にシフトチェンジしたようだ。どれだけ小さな声で話しても私の耳は以下略。

 

「そう、あなた私のことが気になるの。いいわよ答えられることだったら答えてあげなくもないわ。あとドラゴンはきっと冬眠中よ」

 

そういい前の席の方に身を乗り出す。

 

「うわぁ!っと聞こえてたんすかっ!」

 

「ええバッチリと、ところでなにか聞きたいんじゃないのかしら」

 

ないならまたもとの席に戻るだけただ少しだけ居づらいのよねこっち。会話がないし何とも言えない雰囲気だしで。

 

「じゃ、じゃあ自分いいっすか。えっと紫さんは魔女だったりしますか」

 

魔女ね、魔女って言えば紫もやしか人形遣いを思い浮かべてしまうけど私はそんなんじゃないわね。因みに白黒は魔法使いだから魔女じゃない。

 

「残念ながら私は魔女じゃないわ。ごめんなさいね。もし魔女だったらなにか期待でもしていたの?」

 

少しだけからかってみると「いえ!なにも!」といって正面を向いてしまった。

 

「紫さん、俺からも少しいいかな」

 

「ええ、どうぞ答えられる範囲ならね。英雄さん」

 

「うっ、それやめてもらえませんかねぇ」

 

伊丹は向こうでは市民を救った英雄とかヒーローなどと言われているがどうやらあまり嬉しくは思っていないらしい。

 

「えっと何で紫さんは俺たちの言葉がわかるんだ?それに俺たちにも日本語で話してるし、それに自動車見ても驚いたりしてなかっただろ」

 

なかなかに鋭いところをついてくるわね。能力だったりのことを教えても別に問題はないのだけどそこまでする必要もないでしょう。

 

「そうねぇ、そ・れ・は」

 

「「それは」」

 

倉田も伊丹も大分気になっているようだ。因みに見えていないと思っている後ろの二人桑原曹長、伊丹におやっさんと呼ばれている人物に富田二等陸曹という真面目そうな人物も気になっているようだ

 

「秘密よ、そんな簡単には教えられないわね」

 

「えぇ~、ダメなのかよ」

 

「そんな簡単じゃないのよ、ふふふ」

 

何てことを話ながらも探索は続き日が傾き夕日が出てきている。

どうやら森の手前で野営するようだ。

 

 

何でもこのまま森に入ってしまうと何がいるかわからない森で夜になってしまうことと集落があったら住んでる人を脅かすことにもなると、なかなか考えているらしいただ面倒で言い訳しているだけかもしれないが。

 

 

「そうだ紫さん、この森にはどんな集落があるのか━━━」

 

「隊長!あれ見てください!」

 

そういわれて正面を見るすると一帯を黒く覆い尽くすほどの黒い煙が立ち上っていた。

 

伊丹たちは近くの丘に車両を止め被害の状況を確認するため双眼鏡などを使い辺りを見ている。

ただここまでの山火事というか辺り一帯を火の海にできるようなのは私はひとつしか知らない。

 

「大自然の脅威だねぇ」

 

「というより怪獣映画です」

 

そう桑原がいいある方向を示す。伊丹に倉田はその方向に双眼鏡を向ける。

 

「さっきドラゴンは冬眠してるっていったけどどうやら違ったようね」

 

でもおかしいのよね。まだ目を覚ますような時期じゃないはずなんだけど。

 

「首一本のキングギドラか」

 

「そうね、味方になってくれそうな大きな蛾でも呼ぶ?」

 

そういいながら私は目の前に見えるトカゲの翼の付け根に至近距離でスキマを開き高速で標識を射出し突き刺す。でもそこまで深くは刺さらなかったらしい。ドラゴンは少し気にする素振りをしただけだった。伊丹さん達からは完全な死角に標識が刺さっているから話題には上がっていない。

 

今の私はいったいどんな顔をしているのだろうか。いつもと同じ凛とした表情になっているかしら。きっと他の人達が何もいってこないってことはいつも通りなんでしょうね。

 

 

「おやっさん古いな。モスラかぁ、というかなんで紫さんはしってんだ」

 

それは乙女の秘密よ、でもここまでの被害だとあそこの森はもう……

 

ドラゴンはすぐに飛び去っていった。その時伊丹があることに気がつく。

 

「あのドラゴンさ、何もない森を焼き討ちする習性あると思う」

 

「伊丹さんよく気がついたわね、あの辺にはちょうど集落があったはずよ。………どうするの?」

 

「おやっさん野営は後回しだ。すぐに向かう」

 

すぐに集落の方に車両で向かっただが流石にこの火の手の中には突入すれば一瞬で焼け死んでしまうため火の手が収まるのを待つことになった。火が完全に消えたのは一夜が明け太陽が上るくらいだった。

 

集落は完全に焼け焦げ生存者は無し。ここには個人的に思い入れがあったにだけどこうなってしまってはどうすることもできない。

 

伊丹さんは捜索を終えて井戸のある場所に座っている。井戸ねぇもしかするとそう思い井戸に近づき覗きこんでみるとチラッと人影のようなものが見えた。

 

伊丹さんはその井戸に釣瓶を投げ入れようとしている。

 

「ああ、伊丹さん少し待って」

 

「はい?」

 

ああ、遅かった既に投げてしまっていた。だからこれだけはいっておこう。

 

「ナイスヒット」

 

伊丹さんと近くにいた小柄な女性隊員の栗林さんがなんだか分からないといったような表情をしている。そのとき井戸からコーンっとなかなかにいい音が響いてきた。

 

伊丹、栗林は井戸をライトで照らし覗きこむ。

 

「!?、人だ!人がいるぞ!」

 

ええ、そしてもしかしたらあなたが止めを指したかもしれないわね音からして結構いい感じに当たったはずだし。

報告を聞き他の隊員たちも駆け寄ってきた。

 

さてとまずは唯一の生存者を助けるとしましょうか。

 

 

 




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