“個性”と呼ばれる能力が一般的になった現在、緑谷出久は無個性として生まれ、
幼なじみの爆豪勝己から“木偶の坊”の【デク】と呼ばれて周りからバカにされてきた。
そんなある日、No.1ヒーロー『オールマイト』に偶然会い、出久は彼に訪ねた。
「無個性でもヒーローになれますか?」
しかし、彼からの返答は・・・。
「夢を見るのは悪いことではない。だが、現実も受け入れなくてはな。」
彼の夢を否定するものだった。
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『先日、あかつき号が嵐に巻き込まれて沈没する事件が発生しました。幸いにもすぐにヒーロー達が駆けつけたため、大半の人は軽傷ですみましたが、未だに捜索をしても行方不明のままの人が』
ピッ
「はぁ・・・何時までここで寝てたらいいんだろうか?」
そう呟いていたら、医者がドアをノックして入ってきた。
医者「出久君。君はもうすぐ退院できるよ。それといいニュースだ。君の個性が発見された。」
出久「え・・・えぇぇぇ!?」
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そして退院した僕は、母さんにその事を話した。
母さんは泣きながら僕を抱き締めて、すすり声で「よかったね・・・よかったね・・・」と僕の背中を震えながら擦っていた。
僕も釣られて涙ぐんだ。
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数年後・・・。
先生「えーおまえらも三年ということで!!本格的に将来を考えていく時期だ!今から進路希望のプリント配るが皆!!!大体ヒーロー科志望だよね!!!」
先生の言葉に反応するようにほとんどの生徒達が個性を使用する。公衆の場でやったらマズイことってわかってんのかな?・・・分かってないから出来るんだろうな。
先生「うんうん。皆良い個性だ!でも校内での個性使用は厳禁な!」
先生も先生であんまり注意しないし・・・。
と言うか注意しなきゃいけないでしょ普通・・・。かなり危ないよ?
「せんせぇー!皆とか一緒くたにすんなよ!俺はこんな没個性どもと仲良く底辺なんかいかねえよ」
モブ「そりゃねーだろ!勝己!」
勝己「モブがモブらしくうっせー!」
かっちゃんは相変わらず皆を見下している。
先生「あー……そういや爆豪は雄英志望だな」
モブ「国立の!今年偏差値79だぞ!」
モブ「倍率も毎度やばーんだろ!」
勝己「そのザワザワがモブたる所以だ!模試じゃA判定!俺はウチ唯一の雄英圏内!あのオールマイトをも超えて俺はトップヒーローと成り!!必ずや高額納税者ランキングに名を刻むのだ!!!」
かっちゃんは相変わらずみみっちいなあ・・・。
先生「あ、そういえば緑谷も雄英志望だったよな」
先生の発言はプライバシーもへったくれもない。プライバシー守ってよ、教師なんだよね?
モブ「はああ!?緑谷あ!?無理っしょ!!」
モブ「勉強出来るだけじゃヒーロー科は入れねーんだぞ!」
皆も皆で僕をバカにしてくるし・・・相手にするのも面倒臭いし、ここは適当に流しておくか。
勝己「こりゃデク!」
かっちゃんが僕の机を爆破したせいで盛大に転んでしまった。正直に言えば避けられたがそれもそれで後々面倒くさそうなのであえて避けなかった。
勝己「没個性どころか!無個性のてめえがあ〜!何で俺と同じ土俵に立てるんだ!!?」
かっちゃんの言葉はほとんど耳に入ってこなかった。前までの僕なら尻込んでいただろうが今となってはただの嫌味にしか聞こえない。
出久「で?だから?」
勝己「ああ?」
出久「だから僕が受けちゃマズイの?雄英」
勝己「っ〜!ダメに決まってるだろうが!なんで無個性のてめえなんかが!」
出久「ダメかどうかは雄英の人たちが決めるんだろ?なんで君が決めるんだよ。何様のつもりなのかな?」
勝己「っ〜〜!!!!!」
かっちゃんは今にも爆発しそうだが全然怖くなかった。
勿論個性持ちのほうが有用性などを考えると僕は今一歩遅れるだろう。だがだからといってかっちゃんに僕の人生を決められたくなんかない。
第一、増強系個性じゃなくたってヒーローで活躍してる人はいるんだ。
個性が全てだと決めつけるのは愚かなことだ。
・・・とは言え、本当は僕も個性があるんだけどね。
まあ説明が面倒臭いし、どうせかっちゃんとかは信じる訳ないんだし、言ってないけど。